北の夢

時期を置いて何回も行く方向がある
家から北の方角だ、起きている時は
私は西に仕事に行き恋人はたいてい
東か西に住んでいる、北に行くのは
夢がいちばん多い

晴れた日に自転車で
広い通りを意識して
一本入った細い脇道
毎回迷いそうになる
到着するのは川に面した人工的な公園

人は日曜日の無防備な雰囲気で
親子連れのなかに一人夢の中の
私は、住人であることを楽しむ
暫く、といっても着いた途端に
夢にしろ私は家に帰ろうとする

帰りの迷い道は
サミットストア
これさえ見つければ
製本のバイト先に出ることもあれば
なくても帰れるのだ
どこかへ行くのは実は好きではない
行く途中そのものが
好きなんだと
夢は教えてくれた

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