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ただ息をしてたいだけなのに

屋根の下で眠り三食を食べ好きな仕事をして誰にも暴力を振るわれない。そんな暮らしを嘘だとどこかで思っている。今までの人生でもらった合格通知や採用通知はみんな嘘だったんだと思っている。取り交わしてきた契約書は私の知らないところで私にわからない理由で破棄されたのだと思っている。明日出勤したらセキュリティにつまみ出されるのだと思っている。帰宅したら鍵が使えず別の人が住んでいるんだと思っている。友人たちに私の記憶はなく、あらゆるサービスにログインできず、区役所には戸籍がない。それがほんとうなのだと、どこかで思っている。

昔Tumblrで見つけて、何かあるたびに思い出している。本当は全部嘘で、ドッキリで、私が勝手にあると思っているだけで、本当は何もかもないのではないかと思う。いつか私も気付いて、やっぱりそうだよね、と納得した瞬間、ガラガラと世界が崩れて、私は安堵する気がする。私がこんなに持ってているわけがないんだから。

もうずーっと家で仕事をしていて、人と会うことが前以上に減り、話し相手は家族と、たまにコンビニの店員さんと、週1の病院と仕事のミーティングと、それぐらい。

もともとひきこもり気質ではあったけれど、最近は電車に乗れなくなってきているので、結構またひきこもりの色が強くなってきている気がする。

たまに外に出ると、自分が今どこにいるのか分からなくなる感じがある。外の世界に違和感があるというか、作られた世界があって、そこに自分がコピペして貼り付けられた感じ。知ってるけど、なんとなくしっくりこないみたいな、とても妙。

複合的な要因で、日々のつらさが増している。なるべくあらゆる気持ちが塞ぐ原因になりそうな情報から距離をおいているけれど、それでもなんかもう、ダメだってなることが多い。

病気で仕事に支障が出るのが嫌だ。ニュースを見て抑うつ状態になるのが嫌だ。頭の中で「繊細ぶってんじゃねぇよ」という知らない人の声がする。

自分に小細工をして、どうにか社会との接点をなくさないようにしているのだけど、ちゃんと社会人をやったあと、あれは誰だったのか不思議な感じがする。

エンタメが楽しめなくなってしまった。エンタメは感情が動いてしまうので、それが怖い。気持ちが落ち込んでいるときは笑いましょうみたいなの、もうそれで戻ってこれるところにはいないなと思う。ラジオが最後の砦なので、聴けるものを流している。笑えるものというよりも、誰かの声の日記みたいなものを好んでいる。

去年の夏の精神状態が最悪だったので、そうならないようにこまめに気にかけているつもりなのだけど、去年何で具合が悪かったのか分からないまま戻ってきたので、気にかけるだけで対処法はない。私にとって一番大事なのは睡眠なので、それだけは不足しないようにしている。
ただ、睡魔に襲われているからといって眠れるわけではないので、難しい。あまり昼寝をするときに薬を飲みたくはないんだけど、眠れないと余計なことばかり考えてどんどん具合が悪くなっていくことも多いので、薬を飲んで眠りに突き落とすこともある。それである程度動けるようになったり、眠り続けたりしている。本当は世界がもう少し大丈夫になるまで眠っていたい。起きていると、自分の具合の悪さを感じ続けなければいけないのでとても疲れる。

最近は、これらの文章を読んだり音楽を聞いたりして、自分が今どういうところにいるのかを把握している。もう少し頑張ってもいいのか、今は無理をしないほうがいいのか、消えそうなのか、まだ大丈夫なのか。

具合が悪いことはデフォルトなのであまり気にしていなくて、心の助けになっていたものに「でも」と言い始めたら結構危ない。今はちょっと危ないので、よく眠ろうと思う。

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