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映画『ジム』とは…🥊

5月29日に上映会を開催するけれど、実はまだ上映会の中のスタッフ達はこの映画を観たことがなく…。なんと皆様と一緒、上映会当日に初見なのです🤭💦


それでも上映会を開催する側の者としては、なんとか宣伝をして盛り上げていきたい!!!
いかねばならぬ!!!!
と色々な方法を手探りで試行錯誤真っ最中です💦


読んで頂いてる方の中には「上映会は気になるけどどんな作品なのかよく知らないし…」とか、「今までボクシングに興味なかった私が観てもわかるのかな…」とか、当日の参加に迷われてる方もいらっしゃると思います。かくいう私も、ボクシングに関しては全くの素人。観たい気持ちとは裏腹に「どんな作品なんだろう?」と気になってる1人だったりします🤭💦


ということで、今回のnoteのテーマは…📖
「映画『ジム』ってどんな作品なの?」
というところから初めてみようかなと思います😊


🥊長編ドキュメンタリー映画
『ジム』

2003年1月25日(土)公開 上映時間:124分 16mmフィルム

※5/29上映会はビデオ上映になります

公開当時の映画『ジム』のチラシ表面🥊
公開当時の映画『ジム』のチラシ裏面🥊
不安と希望が、いっぱいつまった場所。ジム。
多摩川の丸子橋を渡ってすぐのところに、北澤ボクシングジムはあります。元日本ジュニアバンタム級チャンピオン北澤鈴春が、22才でこの場所にジムを開いて8年。このジムにのべ1000人もの練習生が、それぞれの思いをボクシングに注いできました。壁にぶらさがったグローブ。汗まみれのシューズ。サンドバック…。しかし、誰もがチャンピオンになれるわけではありません。おそらく、多くの若者は、自分がまだ何者か分からなないまま、汗を流しているのです。『ジム』は、北澤鈴春とジムの若者達を追ったフィルムです。ジム。それは、誰もが抱く不安と希望が、いっぱいつまった場所なのでしょう。

北澤鈴春とジムの若者たち。
彼らを優しく包むような寺島進のナレーションと谷川賢作の音楽。

監督は、今回が初劇場公開作品となる山本起也。沢木耕太郎のノンフィクション『一瞬の夏』、そしてなによりボクサー北澤鈴春と出会うことで6年にわたって北澤ジムを撮影。更に幾度となく編集を繰り返し、慈しむように『ジム』を完成させた。そんな山本監督の思いを代弁するかのようなナレーションを、北野武監督作品の常連でもある寺島進が担当。寺島自身も、ボクシングファンであり、ジムに通った経験を持っている。音楽は、ジャズピアニストでもあり市川昆監督『四十七人の刺客』、市川準監督『竜馬の妻とその夫と愛人』のサウンドトラックも手掛けた谷川賢作。ジムを去るもの、そして、別の職業に新たな道を模索するもの、まだジムにいて汗を流すもの、そして、そこで迷い悩むものの姿。寺島進のナレーションと谷川賢作の音楽が、北澤ジムの若者達を優しく包んでいく

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私が、ボクサー北澤鈴春を初めて見たのは1991年。後の世界チャンピオン鬼塚勝也の持つ日本ジュニア・バンタム級タイトルに挑戦した試合だった。大方の予想を覆し大接戦となった試合は、最終的には鬼塚の勝利で終わる。しかし、私に強烈な印象を残したのは、敗れた北澤の方だった。『越せない壁ではない。絶対に越してみせる』と語った北澤のコメントを読んで、私も彼が壁を乗り越えていくのを一緒に見続けていきたいと思った。実際、北澤は翌年、日本タイトルを獲得する。しかし、初防衛戦を前に、突然の網膜剥離で北澤は引退を余儀無くされる。  
北澤鈴春がジムを開いたと知り、いてもたってもいられなくなった私は北澤ジムを訪れる。そして、自分自身ボクシングを始める一方で、ジムの会長となった北澤の育てる4回戦ボクサーたちを撮影し始めた。  

4回戦ボクサーの一人、吉川祐二郎。18歳。予備校生。戦績は1勝(1KO)2敗。カメラを向けられると恥ずかしそうに俯く彼は、4回戦ボクサーの登竜門、新人王トーナメントに出場するが、強烈なKO負けを喫する。翌日、彼はジムを辞めた。
北澤鈴春は、元世界チャンピオン花形進がジムを開いて8年目にして育てた初めての日本チャンピオンだった。「お前は目が出っ張ってるから、お前みたいな目は網膜剥離になりやすい、と冗談めかして言っていたところそれが現実になってしまったから、今はそういうことを自分の選手に言わない事にしている」そう花形は語る。

八尋亮は、北澤ジム唯一の6回戦ボクサー。ボクシングで金をもうけてパン屋を開くのが夢だと語る。ボクシングに専念するために大学も辞めた。何故そこまでしてボクシングを? と尋ねる私に、彼は自分の心情に訴えかけたある本の一節を朗読する。  

競馬に熱中する清水高志。21歳。大学生。彼も、戦績3勝(1KO)3敗の4回戦ボクサーである。新人王トーナメントに出場、初戦を突破した。戦う相手が怖いというより、これ以上負けることが怖いと清水は話す。  

青木克敏。20歳。戦績は4勝(1KO)1敗1分。父を亡くし母と二人暮らし。お母さんにインタビューさせてほしいという私の頼みを、青木は嫌だと断わる。母親と気が合わないから、何を言われるかわからないという。しかし、毎月のアルバイト代の半分を家に入れている。 

矢原隆史。23歳。戦績は4勝(1KO)5敗。定職についていない。試合が近いのにかき氷の機械を買って歩いているところを北澤会長に目撃され、こってりしぼられている。高校のころは野球部で、万年球拾いだった。そのことも含め、故郷にいい思い出はないという。  
そんなある日、花形ジムの星野敬太郎が日本チャンピオンになった。試合後の控室で花形は、星野は体が小さくてとてもプロでは通用しないと思っていた事を明かす。「だから、絶対はないんです」 そう花形は力説する。私は、星野が勤める花形ラーメンへ出向く。チャンピオンだけでは食べていけない星野は、試合が終わって間もないのにもう店に出ていた。同じ店には、元東洋チャンピオンの高田次郎も働いていた。「僕なんか中卒でしょ、8人兄弟で育ってきたから、お袋に楽させたいっていう、そういう時代ですよね」 高田は、自分がボクシングを始めた動機をそう語る。  

撮影を続ける中で、思い掛けないことが起こった。北澤ジムの清水、矢原の二人が、新人王トーナメントの決勝に揃って駒を進めたのだ。
 決勝を前に、私は北澤鈴春に現役時代の頃の話を聞く決心をした。それは、聞きたくても聞けないでいたことだった。それを聞くのは、どこか怖いことのように思えた。
 怪我をした時の事を多くは語りたがらない北澤。そんな北澤が強く訴えたことは、自分が選手として現役を断念したことと、選手を育てることは別ということだった。北澤の言葉を聞き、一瞬私は虚を突かれたような気持ちになった。北澤鈴春の第二ラウンドを見に来たと語る私に、今は続きとしての第二ラウンドではなく第一ラウンドなのだと北澤は語るのだった。

新人王の決勝、最初にリングに上った清水は、健闘空しく判定で敗れる。続く矢原は引き分けに終わるが、優勢点の差で見事新人王に輝く。
 新人王トーナメントは終わった。私の撮影も一応の区切りを迎えたはずだった。しかし、私は撮影を終える事ができなかった。  
   二年半後、矢原、清水、八尋、青木、吉川、北澤ジムの5人のボクサーは、それぞれの二年半後を迎えていた・・・
シネマトピックス
日本チャンピオンを獲得し“世界も狙える”と将来を嘱望されながら、その直後に網膜剥離により無念の引退を余儀なくされた第14代日本ジュニアバンタム級チャンピオン北澤鈴春。そんな彼が22歳の若さで開いたボクシング・ジムで懸命に汗を流す若い練習生たちの人生模様を追ったドキュメンタリー。監督はこれが初の劇場公開作品となる山本起也。自身も練習生となり、北澤ジムを6年に渡って撮影。
 91年、北澤鈴春は、辰吉丈一郎とともに人気を二分する鬼塚勝也の持つ日本Jバンタム級に挑戦、5RKO負けするもファンに強い印象を残した。その後、鬼塚が返上した同タイトルに2度目の挑戦を果たし見事獲得に成功する。が、その直後、網膜剥離が発覚、突然の引退を強いられる。やがて北澤は22歳の若さで“北澤ジム”を開き、これまでに延べ1000人以上もの練習生がここでボクシングに打ち込んできた。それぞれのボクシングへの思いは様々ながら、誰もが夢を抱きながらも不安と焦燥でいっぱいだった。カメラはそんな北澤と若者たちを静かに見つめていく。

allcinema
ボクシングに賭ける若者たちの青春の1ページをあざやかに切り取ったドキュメンタリー

北澤ボクシングジムに通う練習生たち。まだ何者でもなく目指したからといって誰もがチャンピオンになれるわけでもない。自分達でさえ、なんのためにボクシングを続けているのかわからないという者もいる。ただボクシングが好きなんだ、と。そんな中、北澤ジムの清水、矢原の2人が新人トーナメントの決勝に揃って進むことになった。2人はどう闘うのか、勝ち進むことができるのか…? カメラは試合後の彼等をも追い、彼等にとってボクシングとなんなのかというテーマに迫る。

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この、ボクサーのドキュメンタリーを撮ったのは山本起也監督で、これが長編ドキュメンタリー第1作目となる。北澤ボクシングを開設した北澤鈴春さんは自身も将来が有望視されるボクサーでありながら、突然の網膜剥離であっさり引退、その後半年も経たないうちにジムをオープンさせた。山本監督はこの北澤さんに、なぜジムを開設したのか、それは自分を果たせなかった夢を後輩たちに託しているのか、と問う。
しかし北澤さんは自分が現役を引退したこととジムを開設したこととは全く別次元のこと、とあっさりと言う。この答えにたじろぐ山本監督は、カメラを通してボクサー達の希望や挫折を、自分自身の夢や不安な未来に重ね合わせているようにも見えた。
映画の時間

⚫︎キャスト :北澤鈴春
      矢原隆史
      清水高志
      八尋亮
      青木克敏
      花形進
      …他
⚫︎ナレーション:寺島進

⚫︎監督 :山本起也
⚫︎撮影 :内藤雅行
    宮武嘉昭
    田代啓史
    柳田義和
⚫︎録音 :大石和也
⚫︎音楽 :谷川賢作
    宮野裕司
    大坪寛彦
    青木泰成

製作年 2001年
製作国 日本
配給 スローラーナー=こたつシネマ
「ジム」製作・上映委員会=一隅社



ちなみに、公開当時『ジム』が上映されていた〝シネマ下北沢〟さんは2008年に惜しまれながら閉館されています😢映画愛に溢れる素敵な映画館だったのですね。行ってみたかったな。

🎬シネマ下北沢




第11回映画祭TAMA CINEMA FORUM

◆ 日時:2001/11/23(祝・金)〜12/2(日)

先日のTAMA映画フォーラム『のさりの島』上映会での藤原季節さんとのゲストトークで山本起也監督がおっしゃっていた、監督作初の有料上映はこの第11回TAMA映画映画フォーラムでの 【ボクシング映画の特集上映及びトークショー】のコーナーでした。

2022.02.19映画『のさりの島』上映後トークショーより



『のさりの島』公開記念
山本起也監督ドキュメンタリー作品特集上映

◆日時:2021/7/17(土)~25(日) 
    シアターカフェ(愛知県名古屋市)

ドキュメンタリー映画『ジム』舞台挨拶レポート/山本起也監督@シアターカフェ(2021.07.23) 

ドキュメンタリー映画『ジム』舞台挨拶/山本起也監督@ シアターカフェ(2021.7.23) 




こうやってまとめを作成しながら、あらすじや監督のインタビューなどを拝読していると、ボクシングの知識云々よりも彼らそれぞれが抱える葛藤の中で、その一瞬に放つ煌めきが映し出されてる作品に感じて…そんな人生模様に私はとても興味が湧きました😌
上映会当日、拝見出来るのが今からとても楽しみです🥊


映画館での上映を大切にされてきた貴重な作品の久しぶりの上映の機会!!!鑑賞をご検討されてる方の少しでも参考になれば幸いです☺️



🎬映画『のさりの島』全国公開1周年記念🎬
山本起也監督ドキュメンタリー作品
映画『ジム』上映会 開催決定!

🥊2022年5月29日(日)
🥊12:30開場 13:00上映
🥊シネマハウス大塚
🥊上映後山本監督のQ&A予定

山本起也監督のデビュー作!
東京では約20年ぶりの上映です!!
予約方法など詳細は後日発表🎬





■問い合わせ先
山本起也監督『ジム』上映会実行委員会
(のさりの季節友の会)
✉️Gmail  nosari.season@gmail.com
🕊Twitter(@nosari_season
🌐Facebook 
https://www.facebook.com/108925905095311

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