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【農薬による防除効果の確認】使用している農薬、本当に効いているの?基本的な考えと効きめの確認

商業的に農業を行なっていると病害虫対策は必須です、
特に夏場は高温多湿で病害虫が多発するなか、綺麗な野菜を作る事は大変なことです。基本的には化学農薬を散布することで防除を行うのが、
広大な面積の野菜を守るのに必要不可欠です。
しかし、頼みの綱、化学農薬の効きが悪くなることがあります。
原因は、連続して同じような化学物質の農薬を散布するからです。

この記事では、
「どうもここ数年、この農薬が効いていないような気がする」と感じた時にどう対処すれば良いかを記載したいと思います。

では、具体的にはどうすれば良いのか?


病害虫発生時期に「効き目の疑わしい農薬」と「新たに導入してみようと思う農薬」を散布して病害虫が発生しないか確認するだけです

繁忙期に試験確認なんてしていられない!と思う方もいると思いますが、
どこか1日、1時間程度、試験の為に時間を確保するだけで病害虫を防げるなら、安いと思いませんか?
中途半端に病害虫が発生し選別に時間がかかり、最悪歩留まりが数%でも落ちれば結果的に大きな損害になると理解して頂ければ行動できると思います。

方法は簡単です。

①虫害なら、
・被害発生し始め200穴くらいのセルトレーに栽培している野菜を播種
・農薬各種を散布する
>判定:
・「虫が死んでいれば」もしくは「虫の発生を1週間〜2週間抑えていれば」効果あり。
・葉に虫食い穴があれば効果なし、もしくは効果が弱いと判定出来ます。
※果菜類であれば既に栽培している苗木の内、いくつかの実で試せば良いでしょう。

②病害も同様ですが、基本的に病気が発生してから抑えるのは治療薬でも抵抗性発達のリスクが高く、困難になりやすいです。
したがって試験は、
例年被害が出始める時期の数日前~発生ごく初期段階で、近く苗で被害が出始めたが散布試験を行おうとしている苗には被害がない段階が良いです。
上記には理由があり、病害はキチンとした設備でないと意外と人為的に病害を発生させるのが難しいです。病害発生葉を採取して冷蔵庫保管、その後農閑期に試験を行おうとするとぼちぼち失敗します(苦笑)。

厳密な検査を行うなら、病害に感染した葉を表面殺菌>無菌室内で寒天培地に培養>接種等を行うのが良いですが、個人では数十万円の投資は必要かと思います。

上記をまとめると、
被害の出始めに気になる農薬を散布して効果あるかどうか確認しようよ!
というだけの話です。
※補足ですが、薬害の確認のみ行う場合は、適用最高濃度の2倍濃くした薬剤を散布しておくと判別しやすいと思います。

最後に、各作物の使用できる農薬確認は
・ルーラル電子図書館:https://lib.ruralnet.or.jp/
・農林水産省:https://www.maff.go.jp/j/nouyaku/regis_tration_apply.html
・農薬登録情報・速報:http://www.acis.famic.go.jp/searchF/vtllm000.html
が良いかと思います。
特に、1番目のルーラル電子図書館の有料版は非常に便利でお薦めです。
3番目の農薬登録情報提供システムは2週間くらいで更新が入り、初夏は稲作関係の農薬登録・変更が入り、秋~春は野菜・果菜等の農薬登録・変更が入りやすいので、「これ効くけどこの作物には登録ないなぁ~」と思ってたまに見ると登録されているので、農薬検討に役立つと思います。

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