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ストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」

こんにちは!ノルン鍼灸院・管理栄養士,登録販売者のななむらです!


「コルチゾール」というホルモンを知っていますか?

「ストレスホルモン」とも呼ばれていたりします。

このストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールが過剰に分泌され続けると、うつ病、不眠症などの精神疾患、生活習慣病などのストレス関連疾患の要因になることが最近分かってきています。

今回はコルチゾールの働きと身体に対する影響、またストレスを減らすための生活や栄養について紹介していきたいと思います。


コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるホルモンです。

主な働きは、

① 糖質代謝:
「血糖値を上昇させる」
働きです。

次に紹介するたんぱく質代謝、脂質代謝の影響を受けて血糖値を上昇させます。


② たんぱく質代謝:
「アミノ酸の筋肉への取り込みを抑制させる」
働きです。

肝臓での糖新生を促進させるために、材料となるアミノ酸やグルコースが筋肉などに取り込まれるのを抑制させます。

そしてより多くのアミノ酸が糖新生の材料となるよう働きかけることで、血糖値を上昇させます。


③ 脂質代謝:
「脂肪の分解・代謝を促進させる」
働きです。

脂肪細胞に作用して、グルコースの取り込みを抑制させ、中性脂肪となるのを防ぎます。

この働きにより、放出されたグリセロールは肝臓に取り込まれ、糖新生の材料にもなります。


④ 抗炎症作用:
「免疫反応を抑制させる」
働きです。


このようにコルチゾールは様々な働きがあり、身体にとって必要不可欠なホルモンです。

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そして心身がストレスを受けたときに、脳からの刺激を受けて急激に分泌が増えることから、「ストレスホルモン」とも呼ばれています。

コルチゾールの過剰分泌は、ストレスから身を守ろうとして起きる現象です。

過剰なストレスは、先ほど説明したコルチゾールの働きにも影響を与え、これらの様々な代謝のバランスが崩れ、身体のバランスが崩れ始めるということです。


過剰なストレスを受け続けると、コルチゾールの分泌が増えた状態が続いてしまい、副腎がオーバーワークとなって次第に疲弊し、コルチゾールが分泌されにくくなります。

これがうつ病、不眠症などの精神疾患、生活習慣病などのストレス関連疾患の要因となると考えられています。

つまりコルチゾールは、ストレスと心身の健康状態を結びつける、大切なホルモンなのです。


ストレス社会ともいわれる現代の日本において、生活をしていてストレスを受ける場面は多く、学校や家庭、仕事の環境によっては避けることが難しい人も多いと思います。

そんな中でストレスやコルチゾールの過剰分泌から身体を守るために私たち自身が出来ること。

それは運動と食事に気を付けることです!


コルチゾール分泌のバランスを整えるには、有酸素運動が効果的と考えられています。

運動によってストレスを解消させるホルモンが分泌されます。

それは、「セロトニン」や「エンドルフィン」というホルモンです。

セロトニンは、精神の安定や脳を活発に働かせる脳内物質です。

特に、ストレスに対して効果があるとされ、精神安定剤とよく似た分子構造をしています。

エンドルフィンは、痛みの緩和、リラックス効果など気分を落ち着かせてくれる働きがあります。


また、日常的にサイクリングやジョギングなどの有酸素運動をしている人は、ストレスに直面したとき、運動の習慣がない人よりもコルチゾール分泌が少ないという検証結果も出ています。

このように運動はストレスを解消するだけではなく、ストレスに強い身体を作るという意味でもとても大切です。


そしてストレスから身体を守るためには食事も大切になってきます。

たんぱく質:肉、魚介類、卵、大豆製品など
ホルモンの生成を促進させる役割があります。

ビタミンC:ブロッコリー、パプリカ、ほうれん草、キャベツ、じゃがいも、キウイフルーツ、柿など
抗ストレスホルモンの合成に必要な栄養素の一つです。

しかし、ストレスを受けると体内に蓄えてあるビタミンCが減ってしまうため、十分な量をこまめに補給する必要があります。

ビタミンB群:豚肉、レバー、牛乳、モロヘイヤ、あさり、さばなど
こちらも抗ストレスホルモンの合成に必要な栄養素の一つです。

ビタミンB群はチームで働くことから、数種類をバランス良く摂るようにすることが大切です。

カルシウム:乳製品、大豆製品、小松菜、魚類など
神経や筋肉の働きを保つために必要なミネラルです。

カルシウムには脳神経の興奮を抑える働きがあります。

マグネシウム:大豆製品、海藻類、魚介類など
神経の伝達を正常に保つ働きや、興奮を抑制してくれる働きがあります。

また、カルシウムの吸収を高め、働きを調整する作用もあります。

ビタミンE:ナッツ類、魚介類、大豆製品、穀類、緑黄色野菜など
自律神経を調整する働きがあります。

トリプトファン:大豆製品、乳製品、穀類、肉魚類、ごま、ピーナッツ、卵、バナナなど
トリプトファンは必須アミノ酸の一つであり、幸せホルモンと呼ばれる神経伝達物質のセロトニンを作る材料となります。

セロトニンは先ほど説明した働きのほかに、体のリズムを整える睡眠ホルモンのメラトニンの原料としての役割もあります。


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コルチゾールの仕組みやその働きについて理解していただけたでしょうか。

さらに、避けられないストレスから身体を守るためにも運動や食事が大切であることが分かっていただけたでしょうか。

ストレスから身体を守るためにも規則正しい生活を心がけるようにしましょう!


ダイエットプログラムのご相談や管理栄養士による食事指導などは

ノルン鍼灸院までご相談ください!

芸能人や日本代表のアスリートを鍼灸・栄養指導の両方からサポートし続けています。

参考文献:
Nブックス.人体の構造と機能:解剖生理学.P92第5章内分泌機関と分泌ホルモン.2)糖質コルチコイド.ISBN978-4-7679-0461-0 C3047

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