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有機JAS認証牛乳を生産している、牛たちが食べているものすべてお見せします

こんにちは、副社長の吉田です。今年の夏もノースプレインファーム看板犬のシリィと一緒に、楽しく仕事をしていました。

ペット用の乳製品等の開発や、犬も一緒に牧場を楽しめるようにするにはどうしたらよいか…牛の仕事から犬の仕事まで、幅広く担当しております。

ノースプレインファーム看板犬のシリィ

ノースプレインファームでは、日本の有機認証の規格基準で育てた乳牛のミルクを原料として、有機規格の乳製品も作っています。ちなみに、牛たちから搾乳した生乳は、「有機畜産物」という扱いになります。

有機畜産物」の規格基準には、「有機のえさが85%以上であること」というルールがあり、もちろん当社もその基準を満たしています。

えさの85%以上が有機。ということは残りの15%以下、牛たちは何を食べているの?と、疑問に思われる方もいらっしゃると思います。

そこで、今回の記事では、有機認証の視点からのえさの割合で、残りの15%以下、牛たちは何を食べているのかをお話しします。


牧草はもちろん有機100%だモー

有機加工食品の有機原材料比率は100%?

一方、牛乳などの乳製品は、「有機加工食品」として管理され、その有機原材料比率は95%以上と定められています。

もちろん、有機のものが100%が理想ですが、100%というのはかえって無理や負担がかかったり、現実的ではなかったりする場合がありますので、このような決まりがあるようです。

ただ、有機畜産物も、有機加工食品も規定の割合以上有機のものを使えばよいというだけではなく、非有機の飼料や原材料にも規定があります。

・遺伝子組み換えされていない
・化学的処理がされていない
・放射線照射をされていない

などのほか、規定以外の食品添加物等の使用もできません

では、具体的に非有機のえさとは、どんなものがあるのでしょう。
有機JAS認証を取得する牧場の数は、少しずつ増えてきています。

それぞれの牧場で、えさの種類や量は違いますので、ここではその一例としてノースプレインファームの場合についてご説明します。

牛たちが食べている15%の非有機飼料のご紹介

・北海道産ビートパルプ

北海道産のビート(砂糖大根、甜菜ともいいます)を砂糖に加工する際に出る絞り粕を、ペレット状に固めたものです。繊維質が豊富で栄養価に優れています。

ビートは砂糖大根という名前の通り、見た目は大根のようです

北海道産のビートに遺伝子組み換えのものはありませんので、有機の規格で使用できます。

円柱状に押し固めたもの、人が口にいれても問題ございません(ただしとてつもなく硬いです)

・nonGMO(遺伝子組み換えではない)配合飼料

とうもろこしなどの穀物を中心に、混ぜ合わせた栄養バランスの良い飼料。牛たちにとってはおやつのような存在で嗜好性が高いです。

現在はアメリカからの輸入品で、製造や輸送の証明書を取得します。
意図しない、遺伝子組み換え農作物の混入の可能性がある場合は、「IPハンドリング証明」という管理で非遺伝子組換えであることを証明します。

牛たちも大好き嗜好性が高いエサです

・大豆かす

遺伝子組み換えではない大豆を搾った残りです。タンパク質が多く含まれます。必ず与えるということではなく、牛の体調や乳成分をみて調整します。
こちらも輸入飼料で各種証明書を取得します。

ふんわりと大豆の香りがします

これら3つの非有機飼料と、有機の飼料を規定の割合の範囲内で組み合わせて使いますが、牛も個体差がありますのでみんな同じというわけにもいきません。これらは濃厚飼料とも呼ばれます。

この場合、フリーストールよりつなぎ牛舎のほうが一頭一頭の管理ができるメリットがあります。

なぜ、非有機のものも使うのかというと、搾乳牛はその体重や乳量、成分と、分娩回数や分娩後の日数などによって必要な栄養分(量)が違います。

牧草だけでは必要なエネルギーを賄えない場合に、濃厚飼料を与えて体の維持をします。したがって、いつも必ずこれらを与えるとはかぎりません。

よく見かける飼料タンクがあります

牛たちの食べる牧草の水分量、栄養分の管理について

乳牛のえさの量に関しては「乾物摂取量」で管理をします。
これは、飼料に含まれる水分を除いた成分のことで、その種類によって違います。

単純に、牧草を50kg食べさせたとして、その牧草が乾いている場合と、水分が多く発酵している場合では、水分量や栄養分が違うことがわかるかと思います。

えさの質は、実際には水分量だけではなく、牧草の種類や収穫時期、成長の程度、畑の土壌などの条件でさまざまですので、総合的に判断します。単純に、乾燥してるから良い、水分が多いから悪いとはなりません。

乾燥していても草のいい香りがするモー

牛舎にいる牛たちは、年齢も体重も分娩の時期や回数も違うので、それぞれに合わせたえさの量や種類を、粗飼料(牧草、乾草)と濃厚飼料、有機のものと非有機のもので、決められた条件で与えているということです。

有機の管理をしなければ、いろいろな方法でえさの栄養分を高めたり、保存性や作業性を良くしたりできます。

技術としての遺伝子組み換えや、化学的処理で得られるメリットもたくさんあるでしょうが、私たちはそれらを使う選択はせずに、有機的管理をする方法を選びました。

手間がかかる、収量が減る、生産量が減るなどのデメリットが、価格に反映されてしまうのも事実ですが、できる限りこの方法で続けていきたいと考えています。

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