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杉並区の給食費無償化について

杉並区第三回定例会に向けて「学校給食無償化」の補正予算案を提出する旨を岸本区長が記者会見にて表明されました。
区長選挙や区議会選挙でもこのテーマは多くの候補者たちが掲げており、国民の関心度も高いと思われますが、はたして学校給食にどれだけの税金がかかっているのかご存じでしょうか?
義務教育における無償化はどこまで必要なのかを含め、まずは現在の給食について調べてみました。

給食に関わる事業で23億円以上

 

R4の事務事業評価によると
施策25 「生涯の基盤を育む質の高い教育推進」の中にある「学校給食の推進」事業があり、総事業費はR3実績で約20億円となっております。
この事業は給食の供給だけではなく、給食食材検査、給食職員の衛生管理や研修、食育のイベントなども含まれております。
例えば「学校給食の普及・啓発」約600万円「学校給食職員衛生管理」約7,200万円となっております。
細かい突っ込みどころとしては、成果指標である事故発生件数がなぜか学校数で割っているのが謎なのと、単位コストが職員研修の回数で算出している件ですが…それは置いておいて
この事業だけで見ても給食を行うだけでも色々なサービスが行わていることがわかります。
また、この事業以外にも給食に関する事業があり、別の施策であったりします。
下記にエクセルでまとめたものを載せておきます。

「施策:成長・発達に応じたきめ細やかなな教育の推進」にあります児童・生徒の健康推進事業では食育推進で約130万円小中の障碍児就学奨励事業では給食費支給で約160万円、小中の就学諸援助事業で約1億7,800万円などなど個別で把握できるものはその分だけ抽出いたしました。

選挙の際によく言われる、無償化の財源がおよそ17億円と言われますが、当然これらのすでにかかっているコストと合わせて「17億円」と言っているのでしょうかね?という疑問がつきます。(そんなわけない)

ちなみに、今回の区長会見で分かっているのは実施期間中(6か月分)に行われる予算見込みが約9億円だそうです。

物価高による負担軽減のための無償化

文教委員会で「給食費無償化を求める請願」が6月に提出され、多くの議員が紹介議員となりました

その請願によると無償化する理由として
・全国254余の自治体が実施
・自民党の少子化対策にも明記
・物価高による家計負担軽減
・教育の一環としての給食だから「義務教育は無償」
という内容でした。

残念に思うのは給食費は無償化されますが、それにかかる負担は給食無償化をうけない区民だということが無視されていることです。
物価高で大変なのは全国民で、給食費無償化には縁がない人はその負担もするわけで、より負担が重くのしかかることが見えていないと感じました。

学校給食の意義

聴っくオフMTG R5 3月25日報告書にて

学校給食法によると

学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資するものであり、かつ、児童及び生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすもの

学校給食法 第一条

給食も教育の一環として扱われており、杉並区の学校給食も7項目に配慮して献立を作成されております。

ふと感じたのははたして、給食から何を学んだのだろう?
学校給食法の目標のように「地産地消」「食生活」「食文化」って給食から得られただろうかと、思い出したらそんなこと無いような気がしてならないです。
そんな中で「物価高による家計負担低減」のためなら「食育」の必要性が無くても良いのでは?
給食に食育を求めなくても、ほかの授業で代用可能なのではないか?
それが可能であれば給食事業にかかるコストというのはかなり削減できるのではないでしょうか?

聴っくオフMTGにて給食1食にかかる費用は834円とのことで、既存の給食システムにこだわらなければ、配食サービスに切り替えてもらった方が効率が良いような気がします。

皆さんはいかがでしょうか?
給食にかかる費用を見て、給食の意義について知り、本当に無償化が望ましいか考えるようになりましたでしょうか?
何かのご参考になれば幸いです。

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