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百田夏菜子ソロコンサート感想・2

さんざん書いてオープニングまでしか至らなかった序に引き続き、ようやく本編について書こうと思います。

ただ前回書いた通り、今回のライブは人によって特に刺さるポイントがかなり多様だったと思われ(それだけ幅が広く、どれも素晴らしかった)
それぞれ熱い感想等が書かれていると思うので、ここでは自分が特に印象に残っている場面にフォーカスして綴ろうと思います、よろしくお願いします。

■セットリスト(再掲)

1.  魂のたべもの
2.  D'の純情
3.  キミノアト
4.  太陽とえくぼ
5.  愛・おぼえていますか(カバー)
6.  それぞれのミライ
7.  夢の浮世に咲いてみな
8.  リバイバル
9.  強がり(カバー)
10. The Show
11. 赤い幻夜
12. タキシード・ミラージュ
13. ひかり(新曲)
14. 白金の夜明け

EN1. イマジネーション
EN2. わかってるのに(新曲)
EN3. 渚のラララ

■第1ブロック

「1. 魂のたべもの」~「6. それぞれのミライ」まで。衣装は白いドレスで、まさに天使か何かのようでした。

冒頭の2曲、魂のたべもの~D’の純情では、SSAのド真ん中にたった一人で360°からレーザーで照らされる夏菜子ちゃんがあまりにも神々しく、ああ、本当に見たかった景色そのものだ、神様のようだ…とひたすら感動してました。
『会えて嬉しいよ 心がうずくよ』に胸撃たれてた人が多数いた模様。ダッシュダッシュ…が歌わずに手を翳すだけなのもカッコよかったですね。

2曲終わってこのままドシリアスに、超越的な空気の感じのまま行くのかなと思いきや、早々にMC。
開口一声「こぉ~んば~んわぁ~」と、ひたすら癒しの、のほほん夏菜子ちゃんボイスで挨拶してくれるもんだから、そのギャップでみんな腰が砕けるかのように和んでたし、改めて魅了されてたのでは。

と同時に、ああ、夏菜子ちゃんだ、とちょっとほっとしたりもする。
こんだけ荘厳で緊迫感溢れた、凄みある空気の中で歌った直後でも、なんの気負いもなくいつものように(いつも以上に?) ほわほわとリラックスして見えたので、それだけ自然体でソロコンに臨んでいたように見えて、なんだか嬉しかったです。

その後も大体2曲に1回MCが挟まれ、それが本当に毎度ふにゃふにゃにマイペースな、のんびりした夏菜子ちゃんで。
一面真っ赤なサイリウムを「あらあらあら~こんな感じなのね~」とほんわか眺めたり、お水飲みたいけど間が持たないとかモゴモゴしたり、喋るサイリウムに喜んだり、どっち向いて歌うか客席とじゃんけんしたり。

歌っているときの神々しいくらいの存在感や、スーツでカッコよく決めた様、ピアノを繊細に奏でる姿、切なく儚げに歌いあげる表情。曲ごとに全く違う空気・世界観で会場を包み込みながら、直後のんびりMCの緩急が物凄くて。
参加した皆さん情緒が大変だったんではないでしょうか。私は大変でした(いい意味で)

ちょうど存在が遠く感じたりするくらいで「いつもの夏菜子ちゃんだ」が挟まってリセットされる感じで、曲ごとの世界観の切り替えにスムーズに入っていける効果にもなってたように思います。
(前回書いた、夏菜子ちゃんの実在性と非実在性の狭間みたいな感覚も、この構成の影響もあったかも)

「6. それぞれのミライ」では、ステージに寝そべった夏菜子ちゃんを真上から映すという構図で、それがまた芸術的で絵画のように美しくて。
凄いな、夏菜子ちゃんくらいになると寝そべるだけでこんなに画になるのかと。いやもう、存在が尊くて神々しかったです。

この曲が発表された当時(2020年2月)は、去っていく仲間や、周りの環境の変化などを受けて、リアルタイムでの寂しさや不安などの複雑な感情が綴られていた気がしたけど、約2年が経った今ではもう一歩俯瞰で、自分なりに答えを見出した上で歌われているような気がしました。
ラストの力強く歌い上げるような歌唱はこれまであまり聞くことがなかった感じで、感情が入っていて格好良かったし、胸に響きました。


■第2ブロック

「7.夢の浮世に咲いてみな」~「10.The Show」まで。

夏菜子ちゃんが捌けて、やや不穏なBGMが場を繋ぐ。(これもアマランサスとかぽくて私は好きでした)

やがて、その不穏な音をかき消すかのように、一定のリズムが刻まれ始める。これは…聞き覚えがあるけど、まさか…と思ったところでギターが鳴り響き、確信する。まさかの「夢の浮世に咲いてみな」!予想外だったけどカッコよすぎました。レーザーを操る夏菜子ちゃんも覇王みたいでかっこいい。

衣装は「Talk With Me」と無数に書かれた銀のスーツ。髪もストレートになっていて、ここは真っ向から「カッコいい百田夏菜子さん」という感じ。
近年増えているスーツ衣装ですが、好評だし、本人達も気に入ってそうで良いですよね。年相応で、男性アイドルにも通じるスマートさも感じられて素敵だなと。

このパートは「カッコいい百田夏菜子」が好き・見たい、という声が確実にあることを知ってて応えてくれたかのようにも感じて嬉しかったです。
MCでは「なんか、スターみたいな衣装で…」と笑って照れてましたが、夏菜子ちゃん以外の会場中の誰もが「いやめちゃめちゃスターなんですよ」と内心思っていたことでしょう…。

ここでは、カッコいいスタイルながらも選曲自体はキメキメというよりは、カバー曲の「9. 強がり」も含め、挫折からの立ち直りや、強さの裏の葛藤などを語った曲が多かった気がして、そこもまた深みで良かったです。

(余談、「リバイバル」ラストの『Go on more and more』は初日と2日目で歌い分けが変わってた気がして、どっちが正規かはわかりませんが、初日の『Go on more and more』✕2を強引に歌いきってた版が個人的に好きでした。全部うろ覚えですが…そしてたぶん2日目のが正?)

詳細感想① -The Show-

「10. The Show」。
この曲が夏菜子ちゃんのソロコンで選ばれたこと、一人で歌われたことには個人的に凄く響くものがあって、リアルに会場で泣いたのは初日まずこの時でした。

The Showについては以前に個別でも記事を書いたのですが(アメブロ)、この曲の印象にはその頃のイメージが未だに残っていて。

まるで迷子のような、幼い声での夏菜子ちゃんの冒頭の『頑張ってみてももう一人じゃムリ、どうしたらいい?』に対して、
『ゆっくり行こう!胸が張り裂けちゃう らしくない私のままでいたら』とメンバーが優しく続く。

もちろん原曲本来の意味もありつつ、リリース当時は、前年(2018年)までのグループの状況、初めて折れそうに見えた夏菜子ちゃんと、それを優しく支えていた3人の構図を、どうしても重ねて見てしまっていたので。

それを今回、夏菜子ちゃんがソロで、当然ながら全パートを一人で担当し『ゆっくり行こう』と笑って歌う。

既に自分は乗り越えたものとして、今度はこちらに向けて語りかけてくれているようにも見えて、なんだかその優しさや当時の感情、彼女らが乗り越えてきたことなど、色んなことが浮かんで泣けてしまいました。

こっちが勝手に感じ取ってるだけなのにね。

でも、実際に選曲した意図の本当のところはわからなくとも、夏菜子ちゃんがソロコンの曲としてこの曲を選んでくれたことが、本当に嬉しかったです。
そんな感情を揺さぶられ、優しい温かい気持ちになりながら、再度の場面転換。


■第3ブロック

「11. 赤い幻夜」~「14. 白金の夜明け」まで。
ポニーテールに、衣装は白のライダースっぽいドレス。

ピアノ弾き語り中心のパート。「赤い幻夜」の演奏自体は皆さん予想していたと思いますが、まさか1ブロックが丸々ピアノ中心でガッツリ組まれて、曲数的にも技術的にも、これだけ出来るようになっていたことには驚いた人が多かったんじゃないでしょうか。

付け焼刃的な練習では絶対にこうはできなかったと思うので、本人も語っていた通り、「すくってごらん」の撮影以降、ピアノや音楽が本当に夏菜子ちゃんにとって身近なものとして息づいているんだなあと感じられて、とても感慨深かったし、嬉しかったです。

そして、「アイドルががんばってピアノを練習したよ」みたいな空気感が全く無かったんですよね。
それだけ完成度高く、演目・表現として魅力的に成立していたので、「がんばれがんばれ」みたいな感情で見る必要があまりなくて、純粋にあの空気感に浸ればよかったという。

アイドル的には未完成な部分を応援する的な見せ方もきっとあるんだけど、そういう選択はしなかった。
カッコいいし、完成したものを見せたい、という夏菜子ちゃんらしさや拘りを感じました。
(このあたりの心境はマンスリーAEでも少し触れられていたので、未見の方はぜひ)

その上で、2日目の「間違えちゃった…(笑) もう1回やっていい?」で一気に和むのも、またかわいくて良かったですねー。

「11. 赤い幻夜」ではツリー状の赤いレーザーに囲われて、文字通り幻想的に。「12. タキシード・ミラージュ」はすっかり大人の空気で。そして、静岡から通っていた頃の内心を覗かせてくれたような、自作詞の新曲「13. ひかり」。

いずれも胸を打たれましたが、自分がこのブロックで特に胸を打たれたのが「14. 白金の夜明け」でした。


詳細感想② -白金の夜明け-

The Showともう1曲、思わず涙したのがこの曲で。
発表当時のももクロには珍しく、挫折と再生を描いた楽曲であり、偶然にも、紅白落選の翌日にレコーディングされた曲。
また、青春ツアーの夏菜子ちゃん枠で、5人から4人になった時、モノクロデッサンから置き換えられた曲。

夏菜子ちゃんの流れるようなピアノ独奏から始まって段々と盛り上がり、こんな弾けるようになったんだ…と感銘を受けていると、その演奏が、まるで絶望を表すかのような不協和音で断絶する。

それが、上の状況以外でもきっとあったであろう、これまでのあらゆる苦境や葛藤、ネガティブな感情を抱いた場面を想起させて、『僕の心が今、どんなに地獄でも…』という歌い出しには、さらなる臨場感や説得力が宿って聞こえました。

だけどこの曲は、ただの絶望の歌ではない。

その絶望すらも、
『ずっと笑顔ばかりを選んで、泣き顔見せるのを迷っていた』と、"笑顔で" 歌う夏菜子ちゃん、という光景によって、すべて昇華されるかのように感じられて。

The Showの項とも重なるのですが、挫折と再生を描いたこの曲が、ここでは「既に乗り越えたもの」として歌われていた。ように見えた。

『本当は辛かった』『泣きたいのを無理してた』という言葉が、自分自身の嘆きではなく、
現在進行形で、苦しい気持ちを抱えた人達へ向けて、寄り添うように、励ますように歌われている、そんな風に感じました。

目標に向かってガムシャラに挑戦する姿は美しいし、
ずっと掲げてきた願いを叶える瞬間も美しい。
それらを経て、
今の彼女には「乗り越えたもの」の強さが。

あらゆる苦難や逆境、挫折を越えて、磨き抜かれて残った結晶のような、強さと優しさと、高潔さ。
それが、今の夏菜子ちゃんが纏う空気の1要素としてあるのかなと。そこに自分は胸打たれてるのかなと。

その強さの裏に、どれだけの苦難を越えてきたかを思うとやっぱり泣けてしまうし、その上で、その優しさを他者のために向けていることにも、ただただ有り難くて泣けてしまい、
彼女たちにもこれから先、ずっと辛いことなく笑顔で過ごせる日々が続いてほしいなと思うばかりです。

なんだか信仰じみた文で我ながらアレなんだけれども、事実、浄化されるような思いでした。
これも結局、こちらが勝手に受け取ったものに過ぎないのだけど。

でも、ももクロ曲から「リバイバル」「The Show」「白金の夜明け」という、挫折と再生を描いた曲たちが選ばれていたことは、少なからず何かしら意図は込められていたんだろうなと思っています。

どれも大好きな曲で、ここで選ばれて、聞くことができて本当に嬉しかったし、ありがたかったです。


以上、
ここまでで本編が終了。白金の夜明けが終わり、ピアノと共に沈んでいく夏菜子ちゃん。

神々しいまでの存在感を放っていた第1ブロック、スーツで格好良くキメた第2ブロック、ピアノで弾き語りを魅せてくれた第3ブロック、どれも見所が満載で、ブロックの中でも曲ごとに表情が違い、でも、根底に流れる夏菜子ちゃんの人柄が、優しさや強さや儚さが、胸を打つステージでした。

めちゃくちゃ長い上に、なんか最終的に信仰心みたいな話になりましたが…残るアンコールについては次、最後の回で書きたいと思います。

…正直、アンコールは本編とは別方面でかなり情緒が揺さぶられて忙しかったので、こんな真剣?ではなくて、かなり見苦しい心境の羅列みたくなるような気がしてます。ソロコン感想としてはここで読み終わってもらってもいいかもしれません…。

そんなわけで、感想その2はここで終わります。
ひたすら長文ですみませんが、ご興味あればまた次回、よろしくお願いします。

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