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グリードフレーション(強欲インフレ)とは何か?

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:現代の何が、マクロ経済学理論を混乱させているのか。企業が勝手に値上げして儲かることが、インフレを加速させて、世の中を悪くしているという矛盾。

混乱に乗じて儲ける企業

さて、昨日の補足だ。

結局さ、ニューヨーク・タイムズは今の経済はインフレじゃなくて、グリードフレーションだ、って言っているわけ。

インフレーションは物価上昇を意味する。

だけれども、グリードフレーションは「企業がコスト上昇という言い訳を金科玉条にして、自分の資本主義的強欲を満たしている」と主張する。

あらゆる業界であらゆるものが値上がりしていると、人々は何が適正価格かわからない。

その混乱に乗じて、企業がやりたい放題やっているのがグリードフレーションだというのだ。

ペンシルベニア大学ウォートンスクールのマーケティング・プロフェッサーの ザング先生(Z .Zhang )は、「この状態は企業にとって千載一遇のチャンスだ。もう数十年こういう機会はこない」と話す。

マーケティング的に言えば、「誰からも指をさされない『便乗値上げ』のチャンスは二度と来ない、やってもセーフだ」、というわけだ。

グリードフレーションは次の3つを見極めよ

1.企業はコスト上昇分をカバーするだけじゃなく、企業の欲望のままに上乗せしているのではないか?

2.もしそうならば、インフレを悪化させるだけではおさらまらないのではないのか?

3.グリードフレーションが起こってきたのは、大企業が数十年前には持ち得なかったほどのマーケット・パワー(市場支配力)を持つに至ったのが原因なのか?

グリードフレーションって、もはやこれは経済学の問題じゃなく、企業の存在が善か悪かとか、企業の心理とは、などの組織心理学の領分なのかもしれないね。

適正価格こそ経済学の要諦だが

伝統的経済学は、価格は適性につけられれば、企業は繁栄すると説く。

価格が限りある資源を配分するベストなやり方であり、少なくてもそれは政府の価格コントロールもしくはよりはましだ、とする。

しかしそれは、企業と消費者が共存できることが条件だ。

その共存とは、企業はより多くを生産することができ、価格は抑えられ、供給が十分でないモノも、人々が平等に買い求める機会を実現出来る状態のことである。

しかし、アメリカのインフレ8%、イギリスの10%っていう数字は、金持ちはともかく、貧困層にはとても耐えられる代物ではない。ニューヨークは卵1ケースが700円だよ。

グリードフレーションは資本主義のお化けだ

僕が思うに、企業はドサクサに紛れて便乗値上げしていると思うよ。

僕の意見に、メリーランド大学の財務の先生であるマイケル ・フォークナーさん(Michael Faulkner )も賛同してくれている。

フォークナー先生はこう言うんだ。(一部筆者が加筆)

「グリードフレーションこそ、まさに資本主義なんだ。持てるものと持たざるものを区別するものだ。金持ちは稼いでいる分だけ、消費が可能だ。モノが足りなくても代替品を買えばいいだけだ。でも貧乏人は何も買えやしない。」

フォークナー先生

結局大企業は儲かればいいのだ。貧乏人が困っても、自分たちが困らなければいい。これが資本主義の本質だというのだ。

僕が思うに、自分たちさえ良ければいいっていうエゴは、市場を独占している事実にも表れてるよね。これをマーケット・コンセントレーション(market concentration)という。

ニューヨーク・タイムズは、このマーケット・コンセントレーションこそ、この未曾有の原因だとする。

そうだ、市場を独占しているから、サプライチェーンがそのおかげで脆弱になっているんだ。

1,2社しかないから、そのためだけの供給網しか存在しない。

これがいろんな企業が業界に参入し、いろんなルートで物流が可能だったら、こんなにサプライチェーンが窒息することはないだろ?

経済学が試されている

ニューヨーク・タイムズはこう言っている。

「パンデミック、貿易戦争、領土をめぐる戦争、巨大な政府の支出そしてグローバルエコノミー。これらのファクターが同時多発的に作用して、従来の経済学を混乱させている。歴史的に前例のないことばかりで、説明がつかない。」

ニューヨーク・タイムズ

さあ、キミ独自の経済学の出番だよ。

今日も最後まで読んでくれて、ありがとう。
じゃあ、また明日会おう。

                             野呂 一郎
                清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー


 

 

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