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デリバリーを甘く見た飲食店はこれからそのツケを払うことになるだろう

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:コロナ一段落、ビジネス再開したアメリカのデリバリー最新事情。経験価値マーケティング。カスタマー・タッチポイントという現代マーケティング最大の急所の応用の仕方。

デリバリー関係で炎上した作家の言葉とは

コロナで当たり前になったウーバーイーツ等のデリバリー。こんな話がありましたよね。ある有名作家がこんなことを言ったと言うんです。

「デリバリーのスタッフがみすぼらしい格好で来た。ちょっとなあ」。

ネット記事より

この発言は一部で炎上してネットで「お金ないからデリバリーの大変な仕事してるのに、金持ちが言うな」という反論が殺到したのです。

しかし、この作家の発言は、ある種いまの企業経営に大きなヒントをくれています。

今日の(11月28日2021年)The Wall Street Journalオンラインはour Favorite Restaurant Might Be Taking Delivery Off the MenuーApplebee’s, Olive Garden, IHOP are among eateries shutting off online orders for stretches

 (僕らのお気に入りのレストランがメニューからデリバリーをなくした。アップルビーも、オリーブガーデンも、アイホップもオンライン注文をやめた)という記事を載せて、多くのレストランがお客が戻ってきたのでデリバリーをやめる宣言をしていることを報じています。

IHOP(アイホップ。ハワイhttps://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fwww.lealeaweb.com%2Fshopinfo%2F3699&psig=AOvVaw0hfBTHZtFtBslYc76tutLk&ust=1638282819042000&source=images&cd=vfe&ved=2ahUKEwjYt4Sd5b30AhXGd94KHZlSCkgQr4kDegUIARDMAQ


ご承知のとおり、アメリカでもコロナで来客が激減、多くのレストランがテイクアウト、デリバリー注文ビジネスに乗り出すことを余儀なくされました。

しかし、今、コロナが一時的に落ち着いて、ぼちぼちお客さんが戻ってきています。多くのレストランはすでにデリバリーの余裕がないのです。

そもそも日本でもそうですが、来店客が比べ、デリバリー、テイクアウトは利益が少ないわけです。

その中で来店客を第一にするのは当たり前です。

原材料も人件費も高騰、相変わらずの人手不足と来ては、デリバリーに割く人も手間もありません。

いま、アメリカの外食業界で何が起こっているのか

デリバリー、持ち帰り(to go)に関してアメリカの外食業界で起こっていることをまとめました。

少し前までは

・ピックアップウィンドウ(持ち帰り専用窓口)に投資

・レストランの客席を改装して持ち帰りピザのコーナーにした

そんな事がありましたが、

今は

・来店客の世話に忙しい時はデリバリー、オンライン注文を休止

・パンケーキチェーンのIHOP では、夕方のそしてウィークエンドの午前中デリバリーをやめた 

・コロナが落ち着いて客がレストランに戻っているにも関わらず、ドアダッシュ、ウーバーイーツ等デリバリー大手の7月から9月の第三四半期の売上は伸びている。コロナ前の同時期で比較すると20%増だ。

・ 原材料のコスト増、来店客の激減が利益を圧迫しており、そして労働力は逼迫を続け、多くのレストランがまだデリバリーとテイクアウトをオプションとしてやらざるを得ない。デルタ株、そして「オミクロン株」でまた客足が鈍ってきたからだ。また、政府のマスク規制なども復活して、ますます客が遠のく可能性が出てきたからだ。

・ブルックリンにあるピザレストランフォルニーノ(Brooklyn-based pizza company Fornino)はアプリからの注文を休止、自社のHPからのみの注文に制限した。

https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fwww.pinterest.com%2Fpin%2F16114511142746193%2F&psig=AOvVaw104jU7wdHmXRb-3LV7fHiw&ust=1638283609069000&source=images&cd=vfe&ved=2ahUKEwia7N-V6L30AhUVe94KHXjgCMkQr4kDegUIARCxAQ


日本の外食業界が忘れている大事なこと

さて、冒頭の作家の件に戻りますが、記事によると、外食産業はデリバリーのリスクを軽視している、というのです。

それはその作家が感じたようなことです。デリバリーの店員の態度や振る舞いが不快で、多くの注文客が「二度と注文しない、コロナが開けても絶対店に行って食べることはしない」、と思っているというのです。

今日のWSJ

電話の応対も重要です。店内客でてんてこ舞いで注文の電話が来てもぞんざいに「40分後に電話して!」と通話を一方的に切られるなどすると、お客は二度と注文、来店しないというのです。

経験価値マーケティングということが、ここ20年くらいマーケティングの世界で唱えられています。

モノより思い出という日産自動車のCMのフレーズがまさにそれを一言で表しています。

製品やサービスが消費者に渡るまでの”経験“こそが、消費者の求める本当の価値なのです。

多くの飲食店を見て、僕はこんなことを感じるんです。

テイクアウト、デリバリーは儲からない、そんな気持ちがあるとお客に伝わるよ、ということです。

筆者の気持ちより

実践!デリバリー、タッチポイント戦略

例の作家さんのいうことに賛同はできないけれども、配達員の服装まで”客が評価する経験“と考えるならば、理解できます。

これを逆手に取ると、こんな戦略が出てきます。

・有名ホテルは絶対にデリバリーを外注せずに、外商専門、カスタマー専門の係員をデリバリーに派遣する。

・客の要望によって配達員のコスプレサービスを行う

・会席料理などのコース料理のデリバリーを、盛り付け担当スタッフも一緒に派遣し、届け先で会食を整える

https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fkasuitei.jp%2Fblog_shimbashi%2F%25E4%25BC%259A%25E5%25B8%25AD%25E6%2596%2599%25E7%2590%2586%25E3%2581%25A8%25E6%2587%2590%25E7%259F%25B3%25E6%2596%2599%25E7%2590%2586%25E3%2581%25AE%25E9%2581%2595%25E3%2581%2584%2F&psig=AOvVaw2cTs6wqb5WimIm9yPrDdUV&ust=1638283484975000&source=images&cd=vfe&ved=2ahUKEwiO38na5730AhVIEnAKHUQxAegQr4kDegUIARDJAQ

デリバリーこそ最高のタッチポイント

最新マーケティングであるプリシジョン・マーケティングの用語に、「カスタマー・タッチポイント」という考えがあります。

それは、文字通り企業と顧客の接点です。デリバリーこそ最上のタッチポイントです。

そこはブランドが試される場所です。企業の、製品、サービスのすべてをそこで爆発させるべきで、このチャンスを逃すべきではありません。

まだまだこのラスト・タッチポイントの使い方はあるはず。また考えてみます。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

ではまたあしたお目にかかりましょう。

野呂一郎

清和大学教授

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