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転職にプロファイリングを応用しろ。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:プロファイリングとは何か。経営学や経済学にプロファイリングを応用することの功徳。プロファイリングの思考戦略とは。

プロファイリングが来た

もう30年も前の話ですが、日本で”プロファイリング”というワードが爆発的に流行った時代がありました。

https://note.com/ztakaraz/n/nbaa3b6b50d1e

プロファイリングには、クリミナル・プロファイリング(criminal profiling 犯罪プロファイリング)、行動的プロファイリング(behavioral profiling) 、犯罪現場プロファイリング(crime-scene profiling)、犯罪者プロファイリング (offender profiling) 、心理学的プロファイリング( psychological profiling)という専門的な呼び方があるのですが、統一的な名称はありません。

一般的に言えば、プロファイリングとは殺人犯を特定する手法のことですが、教科書的な定義はこうなります。

プロファイリングとは、犯罪捜査の分析手法であり、法医学的な行動科学の研究者によって行われる次のサービスを含む。

・間接的なパーソナリティ評価
・はっきりしない死亡の分析
・裁判戦略
・犯罪者の特定

Brent Turvey, Criminal Profiling Academic Press 1999, Criminal Profiling Academic Press 1999, P1


僕も流行に乗って、当時相当勉強しました。

今、新しい学問を創ろうと思って(笑)、プロファイリングと経営学をドッキングできないか貧しい思索を巡らせている最中です。

なかなかこれは面白いですよ。

これからこの連載で、時折お話ししようと思います。

プロファイリングの本質とは

今日はまず、プロファイリングで最も大事なことだけにしますね。

プロファイリングの本質は、英語でよく言うサイエンス&アート(science and art)です。

ただこの言葉は欧米でも、いろんな定義や意味があるややこしい言葉なのです。

ただ、これを「科学と芸術」と訳してしまうと、わかりにくくなります。

ぼくはあえてサイエンス&アートをこう訳しています。

「科学であり、科学を超えたものである」。

芸術とはありとあらゆる創造物のことで、それをどう表現するかも含めた概念です。

それは科学とは無関係の感性、ひらめきだけではなく、科学的な創造も含まれます。

プロファイリングは、科学的なアプローチも大事なのですが、あなたの独自の感覚も大事な分野なのです。

プロファイリングの思考戦略

さて、昨日おとといと転職の話をしていますが、賢い皆さんはこう冷ややかな目で見ていたことでしょう。

「転職先の企業をもっと調べればいいだけの話やん」(あえて関西弁で)

そのとおりです。

しかし、プロファイリングでは、「その前にやることがある。」というのです。

”プロファイリングの思考戦略”にこうあります。

「プロファイリングには考える戦略というのがある。

その第一は、プロファイリングを行うあなた自身のことを知らなくてはならないということだ。

あなた自身のニーズ、好み、欲望、道徳心の程度といったあなたのパーソナリティを、よく知っておかねばならない。

その上で犯罪者の極端なパーソナリティ(ニーズ、好み、欲望、道徳心)を知ることだ。

そのギャップを知らない限り、いいプロファイリングはできないのだ」。

Brent Turvey, Criminal Profiling Academic Press 1999, Criminal Profiling Academic Press 1999, P35

転職に当てはめれば、まず自分自身の価値観を、よぉく把握しておかねばなりません。

そして、企業の価値観を調べるのです。

そこに大きなギャップがなければ、転職成功です。

転職が失敗するほんとの理由

しかし、なぜこうも転職はうまくいかないのか。

それは、自分と転職先のパーソナリティを調べるよりも、人間は物理的な損得ばかり考えてしまうからです。

「転職したら重役の肩書がもらえる。年収が倍になる。有名会社のブランドが手に入る」。

https://bokete.jp/boke/11908270

そんなことばかり、人間は考えてしまうから転職に失敗するのです。

いつぞやも、カイジ(の作者)の例を出して、説明したことを覚えておられるでしょうか。

だいじなことだから、再掲しますね。

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僕の好きな福本伸行先生の漫画に、いや「カイジ」じゃないよ、「銀と金」という傑作がある。

これは銀さんという隠れた主役が、表の主役である「森田」にこんなことを言う場面だ。

森田に悪どいカネもうけを指南する際の言葉なのだが、これはまさに人間の本質をついていると思うんだ。

「森田よ、
人のスキをつけ・・・!
欲望が飽和点に達した時
人の注意力はもろくも飛散する・・・!
そこを撃て・・・!」

福本伸行「銀と金」より

ーーーーー

人間の最大の敵は己の欲であり、それが真に合理的な思考を邪魔しているのです。

プロファイリングの思考戦略その一は、このことをいさめているのかもしれません。

さて今日も暑かったですね、熱中症は室内が一番危ないそうです。水分補給をこまめになさってくださいね。

それではまた明日お目にかかりましょう。

                             野呂一郎
              清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー

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