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SNSの法則「後発組が有利」。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:SNSの法則、なぜ後発組が常に有利なのか。イーロン・マスク応援団が彼に期待していることとは何か。ツイッターは勝てるのか。経営の王道とは何か。

SNS経営の法則

昨日に引き続き、ツイッターの今後を占います。

イーロン・マスク氏に少し肩入れしているThe Wall Street Journalは、ツイッターを中国のWe Chatのようなメッセージの送受信、画像、映像のやり取り、ネット回線を利用した無料電話、クレジットカードと紐つけたモバイル決済ができるような、”スーパーアプリ”にしたらどうか、という提案をしています。

しかし、このアイディアも、他社がこの路線に参入しつつあり、陳腐な戦略と言わざるをえないでしょう。

でも、ある意味We ChatがSNSの究極のカタチであり、ツイッターが先行したショートメッセージのやりとりも、後発アプリに追いつかれ、独自性を失っています。

うーん、SNS経営の法則が、そろそろはっきりしてきましたね。

インスタグラムがスナップチャットに抜かれたように、SNS界隈では、「遅れてきたものが有利」なのです。

それは人々が「飽きる」からです。

ツイッターも短信を送れるという希少性が、フェイスブックも実名でやり取りできる画期性がありました。しかし、やがて人々はそれらに飽き、目先を変えた後発組のサービスに飛びついたのです。

これからも、あとから来た者たちが、先住者を追い出す流れは続くでしょう。

なぜかと言えば、この分野のテクノロジーは日進月歩に追いつく体力やスタミナ、時代の変化に寄り添う感性が必要で、先発組は後発組の若いエンジニアに後れを取るからです。

戦略とは企業家精神のこと

前掲The Wall Street Journalによれば投資家がイーロン・マスクに期待しているのは、以下です。

「フツーの枠からはみ出した思考(outside-the-box- thinking)で、ツイッターのポテンシャルを爆発させるような実験的な試みをどんどんやって、そしてツイッターをより多くの人にとって、より価値のあるツールにすること」

The Wall Street Journal2022年11月5日号

要するに、マスク氏独自の”企業家精神”こそが、ツイッターの戦略のかなめだ、と言っているわけです。

しかし、イーロン・マスクといえども、後発組が常に有利という法則には勝てないのではないでしょうか。

基礎にもどれ

最近のプロレス記事で、「クラシカルこそ経営の王道」だとか、「基礎こそが大切」と力説しております。

僕は同じ伝で、SNS経営においても、クラシカル、基礎こそが勝利のカギを握っていると思うんです。

それはIT業界も他の業界も同じ企業であり、そこで最も大事なのは人であり、人を動かすことである、ということです。

マスクさんの抱える企業は、テスラとスペースXとツイッターですよね。一見バラバラなように見えて、実はすべてエンジニアこそが勝負という共通点があります。

つまりプログラマーであり、コードを書くエンジニア、です。

いま働いている彼ら、彼女らをやる気にさせ、またこれから入ってくるエンジニアたちに魅力的な条件を提示すること、これがツイッターの取るべき戦略になります。

昨日も言ったけれど、僕はここが心配なんですよ。

マスクさんは「働け、24時間働け!」って言ってるんですよ。「リモートワーク?冗談じゃない!」ってな調子で。

いくら給料が良くても、若くて優秀なエンジニアがこういう思想のリーダーのもとで働くでしょうか。

イーロン・マスク経営の最大の長所にして欠点は、彼のカリスマ性です。

常にスポットライトがあたるから、いいこと、わるいこと、言ったことやったことのすべてがメガホンで世界中に瞬時に伝わってしまいます。

昭和の時代に「モーレツ」だとか、「24時間働けますか」というCMが一世風靡しました。

モーレツは昭和の合言葉。https://00m.in/Teoql

アメリカでも初期のマイクロソフトがそうだったように、IT業界はハードワークという文化が残っていますが、それはあくまで自主的な仕事に対する情熱を冷まさない、ということに過ぎません。

ましてやリモートワークに反対しているマスクさんは、ひょっとして精神主義的なリーダーなのかもしれませんね。

いずれにせよ、働く人にいかにモチベーションを与えるか、ツイッターの反転攻勢はこの基礎にかかっている、そう思う次第です。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
じゃあ、また明日お目にかかりましょう。

野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー




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