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食配達戦争勃発!ウーバーイーツ対ディリバルー

ウーバーイーツより、スーパーの食品配達のほうが儲かる

ロンドンからの最新レポートです。ワクチン接種が広がり、経済再開ムード全開の欧米、当然予測されてことですが、ウーバーやドアダッシュがやっている食事デリバリーの注文は減っています。

このままウーバーは衰退するのか、この業界はどうなるのか。BusinessWeek2021年5月31日号はInstant cure for the munchies(食欲を即満たす)と題して、食デリバリー業界を占っています。

以下、結論、ポイントと解説をお届けします。

結論:食事デリバリーはもう古い。グローサリー・デリバリー(食料品配達)がきた。パンデミックの前は食料品の配達は全体の売上のたった4%だったが、投資銀行UBSはこう予言する。2024年までに22%まで伸びる。

ポイント

投資家の見方:業界は衰退

ワクチン接種が増え、経済回復が急な欧米。客はレストランやバーに戻り、その分食事注文は減っている。投資家は意地悪な目で衰退のサインを見逃すまいと余念がない。今後の成長はどうやら鈍いとみているようだ。ウーバーイーツたちは、「レストランは遠いよ、歩くよ、満員だよ」と誘い文句をあれこれ新しくするが。

デリバリー業界は以下の2種類のモデルに収斂


1. 食事デリバリーのみ:ゴリラズ(Gorillas)、GTIR、フリンクス(ドイツ) 
2. 食事デリバリーにプラスしてスーパーとコラボして食料品も届ける:ウーバー(Uber),デリバルー(Deliveroo 下映像)、ジャスト・テイク・アゥエイ(Just Take Away)

業界アナリストはグローサリー(食料品)配達はこのビジネスにはマストであると言う。


グローサリー配達は成長市場            


グローサリー配達が2024年までに4%から22%まで伸びる理由は、専門家によると、アイパッド等のスクリーンを操作して注文することに人々が慣れ親しむ度合いが上がるため、としている。

あるデリバリーのスタートアップ(新規企業)のCEO(最高経営責任者)は「食事配達にグローサリー配達を合体させたら、利益はものすごいものになる」と確信。ちなみにアメリカ市場はことに大きい。なぜならば年間のグローサリー消費は8000億ドル(80兆円)にものぼるから。

一回の配達はグロサリーはたしかにマージンは低い。30ポンド以下だとビジネスは難しいだろう。しかし、グロサリーは一日につき350回以上の注文で利益が上がる。

食事デリバリー業界の成長は不透明
例えば、ゴリラのビジネスモデルを見てみると、ロンドンに12の調理配達拠点があり、そこから半径1マイル(1.6キロ)に配達する。ロケーション確保、消費者アピール等も含め、管理コストがかさむから。

専門家いわく、「食事配達のスタートアップが将来においてサスティナブル(つぶれないか)かどうか100%の自信はない」

カスタマーのロヤリティ(loyaltyリピータになる忠実さ)という問題

ある調査では食事デリバリーを注文した客よりも、グローサリーを注文した客のほうが、リピーターになってくれる可能性が高いと言う。いわゆる忠実な顧客になってくれる率が高い。


解説:日本市場は欧米のようには行かない、でも・・


これは欧米の例であり、調査結果であることに注意する必要があります。イギリスはともかく、アメリカは最寄りのスーパーだって、車で行かなくてはならないし、週イチで大量に買い込むから、グロサリー配達は便利ですよね。

しかし、セキュリティの問題からいやがる消費者も多いはずです。

アプリの操作性が上がり、スクリーンから注文しやすくなれば、食事、グロサリー両方とも注文は増えるでしょう。しかし、現実には、経済が再開しリアルなレストラン、パブに人が行くようになり、ウェブ注文は減少中です。

ただ、分析のように、今後スマホリテラシーが上がり、グロサリー注文が増える可能性はあるでしょうね。でも、投資家の読みの通り、成長はそろそろ止まっているのでは。

記事によればグロサリー配達はライジング・スター(新進スター)という位置づけですが、結局大手がカネと資源にモノを言わせて市場を独占してしまうのではないでしょうか。

今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

明日もお目にかかりたいと思います。

                            野呂 一郎

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