クロアチア戦、三笘のあの一撃は柔道の返し技だったのか?(大学生向け)
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:柔道の「返し技」の心技体をサッカーに応用したらどうなるか。三笘の惜しいシュートは計算ずくの戦術だった?大学の「スポーツマネジメント」授業の実況中継。トップ画はhttps://qr.quel.jp/pv.php?b=3VXHFEm
サッカー日本代表は返し技を使ったのか
柔道における返し技とは、相手に技を出させて、その技の動きやチカラの方向を利用して、相手を制する逆転技のことである。
実はクロアチア戦、日本は返し技を使っていたのだ。(笑)
それは、わざとクロアチアに得意のパス回しで全員をゴールにおびき寄せ、自らのピンチを演出した。
しかし、あくまで日本は死んだフリをしただけで、スキあれば縦パスをポーンと出して三笘を走らせる戦略だったのだ。
このシーンは後半三笘投入のあとに実現している。
あなたは
そう反論するだろう。
でも、カウンターとは、少なくともその精神は柔道の返し技に似ている、というかそのものだ。
内股へのカウンター
返し技とは、カウンターである。
相手に技を出させる、得意な攻撃を仕掛けさせる。
相手はまさかそれが仕掛けだとは思わず、しめしめと余裕で技を、攻撃を繰り出す。
その油断を創ることこそ、実は返し技の深遠な哲学なのである。
得意な体勢に持っていった相手は、自分に酔っている。
自分の力で、フィニッシュの体勢に入ったとドヤ顔だ。
しかし、それが罠だった。
返し技を喰らい、逆転だ。
今、ビデオで内股への返し技、カウンターを見たよな。
下の絵を見てほしい。内股って実は隙だらけで、返し技を喰らいやすいんだ。
でも内股の得意な選手って、自信満々のことが多い。
内股は柔道の技としては、小よく大を制すと言うよりは、並外れた筋力やバネを持ってないと仕掛けられない。内股はプライドが必要な技なのだ。
この内股攻略戦略の「考え方」は大事だ。
相手の得意技や、好きなパターンには、リスクがある、ということだ。
だから、そのリスクをつけば、返し技で逆転することができるってことなんだ。
これが、柔道の返し技の哲学だ。
相手のチカラの方向を逆利用せよ
哲学的でなくて、身体的に考えると、得意技を出させて、その動きとチカラの方向性を利用して返し技を放つことがポイントになる。
今見てもらっている柔道の教則ビデオで分かるように、大きな内股の動作を利用するんだ。
下の絵のように、内股をかけられたら、プロレスのボディスラムの要領で股間に手を入れてそのまま持ち上げてしまえ。
返し技とはレバレッジ、である
柔道を離れて経営学で返し技を考えると、返し技とは「レバレッジ(leverageテコの原理)」である。
レバレッジを利かすとか、よく最近経済人が使うだろ。
あれって要するに「小さいチカラで大きな物を動かす」とか「最小の努力で最大の結果を出す」って意味なのさ。
返し技の極意は、相手の動きとチカラを利用することだ。
それは柔道の「小よく大を制する」ということだ。
レバレッジの例をあげてみよう。
例その1:まず、大企業に市場開拓をさせる
大企業にまず市場を耕させて、その後に大企業の製品にない特徴を持つ製品をその市場にぶち込む。
例えばレモンサワー。
今やたらとブームだが、カネのない中小企業はテレビCMは無理だ。
でも大企業はそれが得意だからやらせろ。
ブームが起きたら、大企業に思いつかなかった地元有機レモンを30%を使った、差別化消費を動きかけた市場に投入する。
例その2:大企業をアイディアで負かせ、その後合体する
小さいチカラで大きな効果を出すといえば、アイディア、だ。
例えば中村修二先生が開発した青色発光ダイオード。
徳島の中小企業だからこそ、中村さんのアイディアは陽の目をみた。
自由な発想が生まれる地方の企業は、大企業にないアイディアが生まれる可能性が多いにある。
それを大企業に売り込もう。
タイアップをすれば、その小さなアイディアから、大きな利益が出るに違いない。
さて、どうだろうか。
スポーツマネジメントのヒントは、実は柔道にあったのだ。
今日も最後まで読んでくれて、ありがとう。
じゃあ、また明日会おう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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