AIはマーケティングより製造に使ったほうがよくね?
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:AIはもうマーケティングには向いてない、むしろ製造に使ったほうがいいんじゃね、という提言。チョコの王者ハーシーズの思いがけない?マーケティング戦略。
AIはマーケティングよりも製造に向いてる
マーケティングって、少なくとも今までのマーケティングは、消費者行動を理解することがポイントです。
でも、消費者行動を分析することは、2020年を持ってオワコンになったと言えるのです。
なぜならば、識者たちが言うように2020年に、人類は大きなターニングポイントを迎えたからです。
コロナで我々は生活習慣、消費行動も、働くことに対しての意識も変革することを余儀なくされました。
これは今までの、過去の消費者行動を分析してこれからの消費者の動きを予測する、というこれまでのマーケティングがもはや機能しないことを物語っています。
昨日紹介したバカルディ社の取り組みは、マーケティング混迷時代の一つの試行錯誤といえましょう。
マーケティング捨てたら?
だから、もう消費者のデータ分析なんてダメなんだからやめたら?
悪魔の声が聞こえてきます。
データ分析の主役は今やAIですけれども、僕は、こう言いたいんです。
「AIはマーケティングに使うより、製造に使ったほうがいいんじゃね?」
これは、2017年にすでにチョコの巨人ハーシー(Hershey Co.)が実証していることなんですよ。
偶然、ネットでハーシ‐を検索してたら、偶然出てきたので紹介しますね。記事のタイトルは「ハーシーは完全な”トィッチェル”を作るためにAIにレバレッジを掛けてる」です。
トィッチェル(Twizzl)って、日本ではまだ見たことのもないグミ系のお菓子ですね。
ハーシーはずット、このお菓子の製造に関して悩んでたんですよ。
それは一袋あたりの量に誤差が出る、っていう問題なんです。
ハーシーはお客さんに「ジャストサイズ」つまり、内容量は少ないことはありえませんよ、と約束している手前、内容量が足りないと量を足すつまり多めに作ることを余儀なくされました。
内容量の表示きっかりに作り、ムダをなくすために製造スタッフは15分に一度ラインを止め、手作業でグラム数を図り、その度に機械を1日に15回も調整していたのです。
余計に作ればそれだけおカネと労働時間というコストがかかり、経営を圧迫します。
そこで同社はAIのマシーン・ラーニングを導入、AIは最適なトィッチェル製造マシンの最適な調整を発見したのです。
言うまでもなくハーシー社は、この効率化で無駄を省き、大きな節約に繋がりました。
このマシーン・ラーニングのシステムは、おむつや練り歯磨き、など他の製品にも応用が可能なようです。
どうでしょうか、皆さんの会社もAIをマーケティングに使うのをやめて、生産管理に使ったら。
以外な副産物
ハーシーズが、このマシーン・ラーニングで手にしたのは節約による莫大なマネーだけではありませんでした。
人気のお菓子がAIを使って、より消費者に確実に「約束通りの容量」を届けられるようになった、という事実がマスコミで喧伝され、「バズった」のです。
AIが世間的に興味の的であることが、バズった理由ですが、結果的に製造にAIを使ったことが、マーケティング的にも功を奏したわけです。
巧まずしてマーケティングにつながった、こういうことも新しい時代の新しいマーケティングなのかもしれません。
さて、皆様、台風で大変かと思います。
どうか、御身第一でどうぞなるべく外出は控えましょう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?