地震で考える「やっぱりリモートワーク」
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:先進企業のオフィス・リデザイン(redesign再設計)の現状。オフィス再設計なしに、対面ワークを続けるリスク。大地震を考えると「リモートがいいんじゃね」論がいいかもしれない論。
オフィス再設計がブーム
先進企業の間で、オフィスのリデザイン(再設計)の動きが急です。
米ミシガン州のオフィス家具会社スティールケース社(Steelcase)の調べによると世界中でオフィス再設計を考えている会社は、約半分にのぼるそうです。
なぜかは、ご想像のとおりです。
コロナ禍で人々が
「なぜ私たち会社に行くの?」
ってみんな思うようになってしまったからです。
やはり完全に週5回のリモートワークを実施することは困難で、ハイブリッド式(在宅+対面)のワークスタイルがいよいよ主流になってきました。
企業はコロナが完全に収束しようとしまいと関係なく、パンデミック仕様のオフィス再設計に取り組んでいます。
例えば
でもどんだけ費用がかかるんでしょうね。
味の素アメリカ、コロナ禍のオフィス刷新
しかし、パンデミック対応だけでなく、コロナをきっかけに根本的なオフィス改革に乗り出した企業があります。
味の素、です。
といってもシカゴにある北米本社なので、日本の本社の意向が反映されているかは定かではないのですが。(以下https://learningenglish.voanews.com/a/some-companies-aim-to-redesign-offices-after-covid-19/5945850.htmlを参考)
味の素北米本社のオフィス改革は社員の安全と活性化、という2つの目的のもと、昨年すでに行われました。
味の素北米本社のエクゼクティブ・バイスプレジデントのリヤン・スミスさんは「やりすぎかもしれないけれど、リモートから会社に戻ってくる社員の心配は軽減されたと思う」と語ります。
スミスさんによると、本社の40%に再設計をほどこしたそうです。
ひとをインスパイアする空間
オフィス再設計がすべてうまく言っているわけではありません。先のスティールケース社自身が痛い失敗をしています。
昨年、リモートワークから戻ってきた従業員を再び受け入れた時、カフェテリアのテーブルとテーブルの距離を極端に離し、テーブルには一人しか座れないように配置したのです。
誰も利用したがらなかったそうです。
スティールケース社の主任は
「ワークスペースは安全でなくてはならないのはもちろんだけど、
インスパイリング(inspiring 元気づける、想像力をかきたてる)でなくてはならない」と語っています。
もっともな話ですね。
日本オラクルの先進性
もう30年も前の話ですが、当時マイクロソフトとならび企業向けデータベースソフトで一斉を風靡していた、日本オラクルを取材したことがあったんですよ。
赤坂の一等地にあったそのオフィスには、秘密基地がありました。
赤い部屋、青い部屋という名前の。
そこに案内されてこう聞いたんです。
「赤い部屋は人を活性化する部屋です。攻撃的な新製品を創ったり、未来に向けた会議をしたりする時に使います。逆に青い部屋は論理的に、クールに物事を考えたりするときに、冷静な思考が求められる時に使います」。
本当の先進企業は、居心地がよく、人を元気にし、クリエイティブにするオフィスをコロナなどに関係なく考えているのだなあ、と今さらながらに思うのです。
コロナ、地震、そして戦争に備えよ
地震で被害のあった皆様にお見舞い申し上げます。
さて、最近多いですよね、地震。
南海トラフ巨大地震等の襲来が叫ばれる、今日このごろ。
日本企業のオフィス再設計はどうあるべきでしょうか。
あの震災を体験したあと、こんな議論がまきおこりましたが、
今はすっかり忘れられています。
でもコロナとの共存時代に入り、地震の脅威が再び現実になり、へたするとロシアから攻撃が来る可能性だってゼロじゃないこの状況で、日本のオフィスはどうあるべきでしょうか。
コロナ対策は今日見てきたような企業にならうとして、地震や戦争にはどう対処すべきなんでしょうか。
ウクライナみたいにまずシェルターは必須でしょうね。
ヘーベルハウスみたいな社屋全体の堅牢化も必須。水の確保は雨水をためて、濾過するシステムがほしいところです。
地下道を掘り、地上にたどり着くようなルートを切り開く必要もあるし・・・いったい何十億かかるんだよって話ですよね。
そもそも大地震で会社の建物が無事でも、周囲が火の海、ロシアの核弾頭が飛んでくるような状況だったらどうするのか・・・
これはもう、オフィス再設計なんてあきらめて、リモートワークを常態にしたほうがリスクが分散できて、合理的なんじゃないか、それが僕の結論です。
オフィスで仕事をする、そのこと自体が大きなリスクを抱える時代、
少なくともこのことは間違いありません。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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