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岸田経済政策第5弾(案)自民党女性議員数を全体の半分にしろ。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:ダイバーシティが世界のあらゆる企業のトップ優先事項だという認識。ダイバーシティを無視する日本の政界、財界の無知。世界の法律事務所のダイバーシティに関する最新調査結果。

勝利で油断する自民党に忍び寄る不吉な影

自民党が過半数を確保した今回の選挙ですが、岸田さんの所信演説、選挙演説に「改革」という言葉が一切なかったことに批判が集まっています。

まあ岸田さんは改革派ではないので、当たり前なのですが、改革なしにこの選挙を乗り切ってしまったツケが、早晩回ってきますよ。

選挙は内向きだから、大きな事を言ってもウケが悪いから、成長します、分配しますの連呼で仕方ないかもしれないけれど、大きなこと、つまり現状を受け入れた上で、長期的な視野で日本を変えていくプランを出すべきでした。

現状を把握することが、日本人はできない。それは世界という視野がないからです。

日本が一人あたりGDPで韓国にも負けているという事実は、一つには日本企業が、もっと大きくいうと、日本経済が世界の投資家から評価されてないからです。なぜか。

それは昨日、言ったことが理由です。

ダイバーシティ(diversity多様性)を重んじないからです。
ダイバーシティって、まずは、男と女の差別をなくすことなんですよ。

日本企業がなぜ世界の投資家から評価されないか、世界の企業からビッグビジネスを持ちかけられないか、その理由は、あいもかわらず、政治も経済も女性を差別しているからです。

昨日言いましたよね、弁護士事務所を活かすも殺すも、クライアントである大企業次第なんだ、と。

フェイスブックやヒューレット・パッカードや、ロイヤル・ダッチ・シェルがその気になれば、ダイバーシティが不十分な法律事務所は潰れるんです。

データが示す世界の法律事務所のダイバーシティ

ちょっとこのデータを見てください。

これは(全米法曹人事協会ダイバーシティレポートNational Association for Law Placement Diversity Report)に基づくBusinessWeekの親会社ブルームバーグが8月1日付でダイバーシティに関しての分析結果です。

女性比率


左の丸を見てください。イギリスのトップ法律事務所の女性弁護士の割合は、62%、アメリカの40%を大きく上回っています。

右の図はアメリカの法律事務所のダイバーシティの現状です。弁護士にはアソシエイト(associate)とパートナー(partner)の2種類があり、アソシエイトとはいわば平の弁護士で、パートナーとは案件を主導し、意思決定ができる弁護士で、パートナーとあるように法律事務所の共同経営者でもあります。要するにパートナーが上司で、アソシエイトが部下という図式です。

白人の女性弁護士の割合は2011年から2020年にかけて、そんなに変わっておらずアソシエイトが25%内外、パートナーはさらに少ないという結果が示されています。

エスニック・マイノリティ(ethnic minority民族的少数者)に至っては8%程度です。

女性を雇わない企業は世界から弾かれるという現実

ロンドンの超一流法律事務所の連合体である、マジック・サークル(Magic Circle)の中心的な存在である278年続くフレッシュフィールズ・ブラックハウス・デリンジャー(Freshfields Bruckhaus Deringer )の次期シニア・パートナー(このポジションは法律事務所のトップの役職で彼女は女性で初めて選ばれた)のジョージア・ドーソンさん(Georgia Dawson)はこう言います。

「我々のクライアントである企業は、法律事務所のダイバーシティを改善することに意欲を燃やしている。なぜならば、それが企業のバランスシートに間違いなく影響を与えることを知っているからだ」。

そうなんです、世界中の企業がダイバーシティを高めること、とりわけ女性を高いポジションに起用することに躍起なんです。なぜならば、それが企業の利益に大きな影響を及ぼすからです。

自分たちのダイバーシティ向上だけではありません、会社の法律案件をまかせる法律事務所のチョイスにも、まず女性弁護士比率、外国人弁護士比率を考えて、こうしたダイバーシティ率の低いところは相手にしない、という方針なんですね。

戦略論が色々に言われますが、現代における企業戦略は、一つしかありません。
それはダイバーシティ、です。


それは企業の普遍的な哲学であり、いまや人類共通の優先順位トップの経営課題なのです。

岸田さんは、これを理解しなくてはならない。

政治も法律事務所も同じです。

まずは、ダイバーシティを改善せよ、ということです。

具体的に言いましょう、岸田さん。

自民党の女性国会議員を全体の半分にする。

これを10年以内に達成する。

総裁選は女性にシード権を与える。決選投票では獲得票の2倍をカウントする。

一見、これは逆差別に見えますが、そうじゃないんです。

ダイバーシティの議論では、「実力で選ぶべきだ」などという議論が必ず出ます。しかし、まずは数を揃える、それが世界の常識なんです。

政治家の数、企業の取締役の数を全体の50%にする、こうした法律をもうけている国さえあります。まずは、数を合わせることから始めるんです。

自民党は、やっと過半数をとったから安心しちゃっている。

でも、改革なしして、成長なし、ですよ。
これ以外に何があるっていうんだよ。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

ではまたあしたお目にかかりましょう。

ちょっとグラフが貼れなかったんで、後で調整してみますね。

                      野呂 一郎


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