Zoomはダメ。世間話の達人を目指せ
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:
会話の達人になれるかも。コロナ真っ只中における、ズームを使わないでマスクをしたままの会話が、いまは誰にとっても、とっても大事。コロナ禍での会話上手のヒントを得られるかも。
これは昨日原爆の日で原稿をすっ飛ばして読んだ、我が首相にも役に立つかも、です(笑)
The Wall Street Journalで結構好きなコラムが、月に2回くらい掲載される、Personal Journalというコーナーで、人事の話題なのですが結構ためになるんです。今回も結構参考になりました。翻訳は権利がないのでできないので、許される範囲の引用を中心に、私がまとめたものをご覧頂きたいと思います。参考記事はThe Wall Street Journal2021年8月4日号Reviving your rusty conversation skills(あなたの錆びついた会話のスキルを生き返らせる)です。
ズームあるある
皆さんは、会議などでZoomをお使いのことでしょう。でもあれは自然の会話から程遠いですよね。ボタンを押して手を挙げるとか、退出するとか、そもそも人の話を聞かなくったっていいのですから。
このコラムの著者のエリザベス・バーンスタイン(Elizabeth Bernstein)さんはこんなことを言って読者を笑わせます。
「この間なんて、Zoomで寝てた人がいたのよ。みんながサインオフしても15分寝てたわ」。Zoomあるある、ですよね。
エリザベスさんは、ちょっとZoomにアンチなんです。でも言っていることはリアルのコミュニケーションに役立ちます。
例えば、Zoomはコミュニケーションを下手にすると批判しているのですが、それは「ノンバーバル・キュー(nonverbal cue非言語的な合図)をすっ飛ばしちゃってる」という批判に集約されます。
ボディーランゲージ、表情、腕時計を見て、相手に会話を引き上げるサインを出す、などができないというのです。それでもって余計な新作ボタンが色々出るけれど、あんなのコミュニケーションをファシリテート(うまく促進する)しないよ、というのです。
今こそ会話を学ぶ時だ
エリザベスさんは言います。「あなた達はランナーなの。でもこの2年近くコロナで走れなかったの。走るのもスキルが必要なのよ、もう忘れたでしょ。話すのも同じ。長いこと話してないでしょ。スキルをもう一度構築し直して、強化しましょ。」 そういうわけで彼女のアドバイスを聞いてみましょう。
いちばん大事なのは、彼女いわく「How are you ハウアーユー」の質問に答える、ということだというのです。
なぜならコロナ禍での「ハウアーユー、はガチだから」というのです。相手は本当に今あなたがどうやって生きているか、コロナ禍を生き伸びてきたかをガチで聞きたい」のだというのです。
「元気してた?」には前もって答えを考えておけ
以下エリザベスさんのアドバイスです。
この「ハウアーユー」の質問に対する答えは、前もって用意しておきなさい。
なぜならば相手のこの質問は、コロナ前みたいなカタチだけのご挨拶じゃないのよ。本気で知りたいの。
だからあなたも、本当に相手と共有したいことを前もって考えておくの。それはね、相手との関係性とそれとその日の気分ね。その日の気分っていうのは、みんな日によってエネルギーが違うでしょ。
その日の気分で会話しなさい
テネシー大学のコミュニケーションの准教授コートニー・ライト准教授(Coutney N. WWright)さんは、この意見に賛成で「その日に何を言ったか、日記をつけなさい」とアドバイスします。
例えばこの日はいい天気だった、この日は嵐だった、それで相手にこんなことを言ったという具合に、メモしておくといいというのです。
こんな日には、こんなことを言えばいい、とわかってくるから、ハウアーユーの返事も手間がかからず、上手くいくわよ、というわけです。
決め台詞を用意する
ライト先生は、ハウアーユーの質問に答えるときは、「あなただけの決り文句を作りなさい」とアドバイスをします。
例えば「生きててよかった(I am glad to be here)とか」軽めのフレーズがいいわ。そうすると、あなたはこの1年大変だったけれど、あんまり深刻な話をしないですむでしょ」。とのことです。
気分が乗らないときは
自分の話をしたくない時は、エリザベスさんは「コロナで大変な共通の友達の話をして」と言います。
「ねえ、ところであの人、どうしてるかしら、コロナで旦那様飲食だから大変なはずよね」という具合です。
エリザベスさんは「会話はバランスで一株の取引だから、相手に自分の話をしないなら、他の人の話にきりかえましょ」、というわけです。そしてその人に同情を寄せることも忘れずに。
世間話をマスターせよ
エリザベスさんはいいます。「世間話は社会的な潤滑油よ。会話をうまく進めてくれるわ」。
コネチカットのフェアフィールド大学のコミュニケーション教授ショーン・ホラン(Sean Horan)さん
はこんなことを言ってるわ。
「世間話は今とても大事。これから合う人は1年ぶりでしょ下手すりゃ2年、再会です。だからこれは大事な局面」。
ホラン先生は、あなたが2年ぶりに会う大事な人との久しぶりの会話は、共通の話題から始めろ、と言います。
どんな事がいいのでしょう。ジョージタウン大学(Georgetown University)言語学教授のデボラ・タネン(Deborah Tannen)さんは、
まず天気の話題をあげます。
その理由は「天気は誰もコントロールできないでしょ。誰も責めたり、ほめたりできないからいいのよ」とのことです。
タネンさんは続けます。気の毒な境涯の人に同情するの。天気の話はそれも含むわ。スポーツ、行列で待たされた話、交通機関の遅れ、うるさい子供のことなんかも素晴らしい世間話の話題だわ。
世間話はいつ切り上げるか
エリザベスさん。それは、あなたと話し相手の間にラポール(感情的な親密さ)が生まれるまでよ。それまで続けなさい。
一つの話題から逃げるな。他の話題に移らないで。天気なら天気、スポーツならスポーツで一つの話題を掘り下げるのよ。質問をしてあげなさい。何かを学ぶ姿勢よ。
コロナの話題を避けるな
パンデミックの話題を避けちゃダメ。ビッグで重いテーマには違いないけれども、みんなに共通の話題じゃない。世間話の余地はたくさんあるわ。
コロナの昔の話題、今の問題についてディスカッションをするのよ。コロナでどんな大変だったかも聞いて。どうやってしのいでいるかも。「在宅勤務はしたの?」とか、前向きな「今度レストランで一緒に食事はどうかしら」など。
ちょっと長くなったので、明日に続きます。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
また明日お目にかかれればと思います。
野呂 一郎