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イーロン・マスクのプロパガンダに手を貸す資本主義。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:イーロン・マスクは民主主義の救世主か、破壊者か。マスク氏のダブスタ(ダブルスタンダード。偽善)。なぜ、公器たるツイッターが公平な第三者に運営させないのか。
The Wall Street Journalはマスク氏の味方なのか
ここ1,2週間毎日のようにツイッターとイーロン・マスクの記事ばっかり書いてひんしゅくを買っていると思うんですが、これもいい加減にしないといけないな、と思うんですよ。
なぜならば、欧米のマスコミも僕も、イーロン・マスク氏に加担しているかもしれないからです。
つまりプロパガンダってやつです。
イーロン・マスクのツイッターを論じることは、彼の利益になる可能性があります。
ちょっとThe Wall Street Journalには失望したんですよ。
![](https://assets.st-note.com/img/1669553556762-hGvQmQ1NxY.png)
これって、マスク氏のプロパガンダに手を貸してるんじゃないか、って思ったのがこれです。
The Wall Street Journal電子版2022年11月20日号の見出しなんですよ。
Elon Musk Can Save Twitter—and Democracy(イーロン・マスクはツイッターを、そして民主主義を救える)
内容は、全然そうじゃないんです。
事実は、イーロン・マスク氏は自らを言論の自由絶対主義者“free speech absolutist”と言っているだけです。
記事はただ、「こうしたら民主主義を守るヒーローになれるよ」とアドバイスしているだけなんです。
The Wall Street Journalはニューヨーク・タイムズと正反対で、トランプを持ち上げるし、そもそも名前の通りThe Wall Street Journalですから、ビジネス寄りですよね。マスク氏を応援するのも当然、なのかな。
でも、このアドバイスは的を射たものだと思うので、紹介しますね。
言論の自由の代償
さて、The Wall Street Journalは言論の自由の推進は民主主義の強化、とマスク氏を持ち上げてますが、一方で反作用も認めています。
それはツイッター上にヘイト、スパム、ポルノ、いじめ、個人情報のさらし、暴力容認があふれる懸念です。
![](https://assets.st-note.com/img/1669553769364-p5OFWbN4ss.png)
もうすでにそれはマスク氏がツイッターを買収した日から、現実のものになっています。
マスク氏がヒーローになる条件
では、マスク氏が民主主義のヒーローになるための条件とはなんでしょう。
The Wall Street Journalは次をあげます。
1.広告主の便宜を図れ
言ってみればツイッターに広告を出してくれる企業へのコンサルティングですね。
広告の狙いをツイッター利用者のデモグラフィック(属性)をフィットさせるアドバイスを行うことです。
広告主の利益に繋がり、ツイッターの信頼性が上がります。
2.偽アカウント、不正、なりすましを防げ
いわゆるthe bots and trolls(不正、なりすまし)等を防ぐことは、ツイッターの最優先課題です。
8ドルのサブスクで真正証明を出すのが今のところ、ベストなやり方だとマスク氏は言っていますが、他国政府がファンドを作って大がかりな偽アカウントを作るという恐れもあり、これは非常に難しい課題です。
3.モデレーション・ポリシーを厳しくしろ
モデレーション(moderation)とは、掲載不可書き込み不可の基準のことです。
もうこれははっきりしています。政治的偏見、ダブルスタンダード、暴力、いじめ、ヘイトを一切禁止することです。
4.マスク氏自体の政治的立場を言わないこと
ツイッターの公共性を考えれば当たり前ですよね。なのにマスク氏は共和党を支持しろ、なあんて言っているんですよ。
もうこの時点でツイッター買収の資格なしですよ。
オーナーが自分の政治的スタンスを、明言したらそのプラットフォームは、彼の政治的方向性のそれこそプロパガンダになっちゃうじゃないですか。
僕はこういうところ、マスクさんのリーダーシップに疑問符をつけるんですよ。
なぜならば、ビジネスリーダーは、世界全体の利益を考える存在であるべきだからです。
5.プロパガンダに手を貸すな
ツイッターというプラットフォームではプロパガンダ、つまり自己の利益のための偏った情報流布を企む連中がひしめいています。
![](https://assets.st-note.com/img/1669554010078-5mnUwrUSlc.png)
政治家、マーケター、政府までもが自分の都合のいいように大衆を扇動し、ミスリードします。
カネさえ払えば、プロパガンダが許されるような仕組みはあってはならないのです。
皆さんは、笑ってますよね、こんなこと出来るわけないと。
私企業が、そもそも、こうした公共性のある、それも一つの書き込みで世界中に影響を与えられるようなプラットフォームを運営しちゃいけないんですよ。
資本主義だからしょうがないか
1はともかくあとは、旧ツイッター運営陣も、マスクさんもできてないし、出来るわけないでしょう。
でもね、諸悪の根源は資本主義なんですよ。
みんなそれがわかっていて、ツイッターを私企業に運営させているんです。
カネが儲かればいいんです。
マスクさんだって、大衆扇動装置が手に入るならば、他のビジネスの繁栄や、噂される彼の大統領の野心達成のためだったら44億ドルくらい安い買い物でしょう。
でも、マスクさんも商売上手だよね。
「自己証明システム(verification system)で8ドル払ってくれれば、なりすましだとか、偽アカウントの被害を防ぐことが出来るよ」なんてさ。
最初っからそんなリスクのあるもの、売るなよって感じだ。
さて、公平な第三者に運営させるとしても、今回の五輪汚職のようにブラック悩みが生まれるには違いないんだけれど。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
コスタリカに負けて、筆が荒れたかな。
いつものことか(笑)
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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