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高校生よ、小室さんに続け。アメリカで生活すれば経済がわかる

経済を理解するにはその国で生活することだ

僕はビジネススクール留学も含めアメリカに4年半いたんだけれど、非常に良かったと思うことが一つあるんだよ。それは、経済っていうものを皮膚感覚で学んだ、ことだ。

それは日米消費者行動の厳然とした差、を知ることができた。

それは、一言で言えば、アメリカ人の消費意欲は日本人よりもずっと旺盛だ、っていうことだよ。

彼ら彼女らは、見ているとお金は使わないと損、と考えているかのようだ。

それは日常の買い物風景を見てもそうだし、モールなんかに行ってもその消費意欲に驚かされることしばしばだし、また企業はそれにこたえて、いいマーケティング的なキャッチフレーズどんどん出すし、CMも購買意欲を掻き立てるし、クリスマス前のホリディシーズンのショッピング熱は凄まじいい。

アメリカって国は、アメリカ人の旺盛な消費意欲で経済がいつも回っているんだな、と実感したんだ。

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おっとそれと経済学は関係ないじゃないか、とキミは言うかもしれない。

いや、違うんだよ。経済は生き物だから、理論通りに動きゃしないよ。

それに経済学の規定する消費者行動モデルは古いんだ。

経済学もそれは認めていて、今までの考えは間違い、いや正確でないとして、行動経済学などの新しい消費者モデルが提唱されている。

経済とは、人間の消費行動のことだ。だから、観察することが、それを理解する一番いい方法なんだ。

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それをするのに一番いい方法は、外国に行ってそこに住むことだ。

その国の経済がわかることだけじゃない、おまけがつく。

それは、日本人ならではの経済的発見がある、ということだ。

それは、文化によって経済活動が明らかに違う、という気づきだよ。

まさに今僕が言ったように、アメリカ人と日本人の経済行動は違う。

でもそれはどの経済学の教科書にも書いてない。

ちなみに日本の経済学はアメリカの経済学を輸入したものだ、と言われている。

だから前提はアメリカの消費者行動なんだよ。

でもアメリカに行けば、僕のように、明らかに日米消費行動は違うことが見て取れる。

経済学に興味のあるキミ、アメリカに行きたまえ。そして文化の違いが経済活動の違いに反映されていることを見てほしい。

そして、それをテーマに新しい経済学を創ってよ。ノーベル経済学賞取れると思う。

アメリカのインフレ実態を解明する

さて、紙じゃなくオンラインの今日のThe Wall Street Journalは、今、アメリカが直面しているインフレ、つまり物価上昇局面について解説している。

まとめてみよう。

・アメリカの物価上昇は、31年ぶりの高い水準に達し、食品、ガス、家賃、家具など、インフレ圧力は広範囲に及んでいる。
・この中、企業はかつてない利益に預かっているところも少なくない。その理由は、インフレを言い訳に堂々と値上げできてるからだ。

インフレの理由

イエレン財務相は、「インフレは「パンデミックのせいだ。サプライチェーンが渋滞し、労働力不足が拍車をかけた。これらが落ち着けば物価は元の水準に戻る。」と、このインフレを一時的なものとしている。しかし、エコノミストの中には数年続くと見る向きもある。

記事では、インフレの原因をこんなふうに表現している。僕流に解釈するとこういうことだ。

インフレはアメリカの消費文化が原因

今回のインフレの原因は、ロックダウンで消費したくてもできなかったアメリカ人の積もり積もった、溜め込んだ消費意欲が爆発したからだ。またコロナが終息したと見るや人々は、コロナ給付金で溜め込んだお金を、いっせいに放出したのだ。だから、インフレが起こっているのだ。

僕は、これ、だと思うんだ。今回のインフレの原因は。

イエレンさんの言うように、ある意味今回のインフレはコロナが原因だよ。

でも、もう一つはアメリカ人の生来的な旺盛な消費という”文化“が原因なんだよ。

文化ってものは長い間に定着した人々の習慣のことで、それはおいそれとは変わらないんだ。

でもさ、そう考えると、アメリカ人の性(さが)とも言える消費意欲がインフレを起こしそれが日本にも伝播し、スーパーじゃあ、今日も値上げの嵐だ。

最近のパンや小麦粉の値上げはアメリカ人のせい、だ。

岸田さーん、バイデンさんにアメリカ国民に向けてこれを言うように頼んでよ。

「アメリカ国民よ、消費を控えてください」。

高校生よ、小室さんに続け。アメリカで生活しろ

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きょう、僕がキミ達高校生に言いたかったことは、「観光客としてじゃなく、海外で生活経験をしたらどうだろう」という提案だ。

いやでも、その国の消費者行動がわかるよ。

そして、それこそ、生きた経済の勉強であり、文化についても大いに学ぶ機会になる、ということ。

こういう経験を若いうちにできれば、キミの発言や、書いたものはイヤでも国際性が際立つものになるだろう。

今日も最後まで読んでくれてありがとう。

じゃあまたあしたね。

                             野呂 一郎

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