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経営学は中東危機を救えるのか?

この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:イスラエルvsハマス最新動向。あえて勝利の行方を占う。経営学は戦争を止めることができるのか。

対岸の火事でない危機

経済とか、経営は平和があってこそです。

しかし、いまロシアvsウクライナに匹敵する、いやそれ以上の危機が地球に迫っています。

経営学の立場から、一体何ができるのかを考えると、現状把握→問題点の抽出→解決となります。

今日はまず、The Wall Street Journal電子版の最新情報から、現状を報告したいと思います。(2023年10月25日号Hamas Fighters Trained in Iran Before Oct. 7 Attacksハマスの戦士がイランで訓練。10月26日号Inside ‘Little Gaza,’ Where Israeli Soldiers Are Training for Invasionリトル・ガザ内部でイスラエル戦士地上戦に備え訓練。より)

1.イスラエル軍はガザ地区地上攻撃突入に備えている

2014年以来、イスラエル軍は大規模な地上戦を行っていませんが、数年前から対ハマス戦に備えて、地下道、礼拝堂、トンネルなど狭く込み入った迷路での戦いを想定して、訓練を重ねてきています。

その訓練場はリトル・ガザと呼ばれ、ガザのリアルな地形を模したもので、エンジニア、ビジネスマン、ドクターなども志願し訓練に参加しています。

負傷兵を引きずりながら撤退する、リアルなシュミレーション。前掲The Wall Street Journalより

2.ハマスはイランで訓練

この戦争で厄介なのは、イランがハマスに肩入れしていることです。

イランは数千人規模の戦士をイラン国内で訓練しています。

諜報、戦闘技術、ドローンなど多岐にわたり、ハマス軍を鍛えているのです。

3.アメリカは両者を牽制

アメリカはハマス、イラン、イスラエルに対し、局所的な戦闘を全面戦争に拡大するなと呼びかけていますが、戦火の拡大は避けられそうにありません。ガザ地区で地上戦が始まるのは、時間の問題かもしれません。

4.中東反イスラエル勢力が結束

イエメン、シリア、イラク、ヨルダンといった反イスラエル国家が、イランに同調し、結束を強めているのが気になります。イスラエルを支援する米国との対立がますます表面化し、中東vs米国の因縁が再点火するおそれがあります。

10月7日、ハマスのイスラエルの攻撃後気勢を上げるイランの国会議員たち。前掲The Wall Street Journal

5.10・7ハマス攻撃での人質

日本の新聞によりますと、10月7日のハマスの攻撃で発生した人質交渉は難航しているとのことで、ハマス側は人命をタテに更に揺さぶりをかけてくるでしょう。個人的には全員解放で、対案を飲むべきだと考えるのですが。

イスラエルが勝つとは限らない

戦争に勝ち負けなどはありません。

勝っても遺恨が残り、それが火種になってまた戦争が始まり、負のスパイラルは止まらないからです。ロシアの現状がそれを物語っています。

しかしあえて勝ち負けを論じると、現代戦の特徴が浮かび上がります。

1.ドローンという最新兵器の登場

ウクライナがロシアの戦車を相次いで破壊したのは、ドローンでこの兵器は無人かつ安価という特徴があります。ハマスはイランでドローン戦術をみっちり習得していると伝えられ、この貧者の戦術が炸裂するかもしれません。

https://qr1.jp/2t8goT

2.諜報という兵器

諜報とは、戦時における情報戦のことです。コンピューターの時代、ハッキング戦と言ってもいいでしょう。優秀なハッカーがいれば、勝敗の帰趨は変わってきます。

3.AI戦

AIでニセ動画を作り、拡散、フェイクニュースを流し、大衆を世界を混乱させ、不安にさせ、戦闘を煽ります。

経営学は戦争をやめさせることができるか

経営学的に言うと、それは「未然防止」ということにつきます。

未然に戦争を防止するには、何をすればいいのでしょうか。

今回の戦争で、マスコミの一つの論調に「中東を置き去りにした世界」というのがあります。

世界の火種であることはわかり切っているのに、長い間放置していた。

暴発するのは時間の問題だったのに、というリクツです。

やはり、第三者による監視活動が必要で、仲介者が常に間に入るべきでした。

国連?

国連の無力さが、ウクライナ戦で浮き彫りにされましたが、経営学的に言えば、当然なのです。

一心に批判を受けるグテーレス事務局長。https://qr1.jp/z7zkrU

大組織になれば、組織論でいうところの「官僚制度」が発動されるからです。

意思決定は遅くなり、責任の所在はたらい回しにされ、前例主義がはびこり、紛争解決に必要な迅速さが実現できないからです。

国連に代わる中立組織を、世界がファンドを作って立ち上げ、運営するのはどうでしょうか。

いや、そんなリクツは机上の空論でしかないのはわかっています。

でも、その意味で言えば、日本は大国として中立の立場を利用して、中東和平にもっと積極的に貢献すべきではないでしょうか。

野呂 一郎
清和大学教授


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