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ラジオはプロレスだ。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:プロレスの本質とは何か。それは変化に対応する知性である。

ラジオでわかったプロレスの本質

みんな誤解をしているんだよね。プロレスを。

筋書きがあって、打ち合わせして、演者であるプロレスラーがそのとおりに演じる、そう思っている。

違うんだよ。

僕はそれを身をもってわかったんだ、きのうラジオに出演して。

http://www.ys-connection.co.jp/studio/

プロレス、やっちゃったんだ、きのうの番組で。

打ち合わせ、やったんだよ、こんなふうに番組進行しますよ、ってさ。

それは当たり前の話だよね。

番組ってそういうものだから。

企画があって、狙いがあり、それが番組コンテンツというものだから。

でも、僕はそれを完全に破っちゃったんだよ。

だって、そもそも脚本通りにやるなんて、面白くないだろ。

プロレスだってそうなんだよな、確かに試合前に打ち合わせがあり、勝敗が前もって決まっているプロレスの試合もあるかもしれない。

しかし、仮にそんなことがあったとしても、その通り予定調和的にレスラーはやれるだろうか。

無理だよ。

DDT遠藤の失神事件が物語るもの

例えば、技が効きすぎて相手が伸びてしまったような場合。

実際にこのあいだのノアvsDDTのタッグマッチで、それは起こった。

ノアの中嶋勝彦選手の張り手で、DDTの遠藤哲哉選手が脳震盪を起こし、試合続行不可能になってしまったんだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e81c94ea7ec4152d9a78fe33e5536a67c7c9a473

どうしようもできないだろ。仮にその後の筋書きがあったとしてもだ。

ラジオもそうなんだよ。

パーソナリティが、前フリを間違えてしまう。セリフを忘れる。

ゲストの僕は、それにうまく合わせなくてはならない。

アントニオ猪木の話をすることになっていたんだよ。でもなぜか、女子プロの話になって、今をときめくスターダムの話題になった。

打ち合わせにはない流れだ。

エースの岩谷麻優から、女子プロレスの歴史の話になり、全女黄金時代のブル様ブル中野の話題に飛んだ。

岩谷麻優。https://wwr-stardom.com/fighters/mayu_iwatani/

空気がそうさせたんだ。

ブル中野。ビフォーアフター。https://www.youtube.com/watch?v=If8u82vOZwE

出演者3人の「番組を面白くしたい」という集合的無意識とでも言うべきものが、そういう流れにしたんだ。

プロレスもそうなんだよ。

いいレスラーであればあるほど、予定調和を嫌う。

出たとこ勝負、様々な変化に対応し、自分で作ったゲームプランをしばしば無視する。

対戦相手も一流だと、そこに「試合を面白くしたい」という共犯意識が働き、テレパシーで同調し、誰も、いや当事者のレスラーたちでさえ予測ができない流れになる。

選手は観客の熱気や期待の濃淡を感じながら、それにいちいち応えつつ、勝利への道筋を模索する。

これが名勝負を生むんだ。

武藤敬司の得意技に、ドラゴンスクリューという技がある。

対・高田延彦戦。新日本プロレスvsUWFインターナショナル大将戦よりhttps://www.nikkansports.com/battle/column/ring/photonews/photonews_nsInc_201910280000333-0.html

元祖は炎の飛龍・藤波辰巳だが、相手の片足を抱き寄せてしっかりつかんで、一回転させて投げ飛ばすワザだ。(個人的には相手の足を破壊する危険な技で禁止すべきと思う)

ワザを掛けられた方は、足の根元から引きちぎられるような痛みで悶絶するだけだ。

ある試合の流れで、武藤敬司の腹に相手の頭が乗っかった、両足はロープにかかったままだ。

武藤は閃いた、「この首を一回転させてひねってやれ。」

いわばドラゴンスクリューの首版ネック・バージョン

かけられた相手は、受けたこともない衝撃で心身ともに大きなダメージを負ったようだ。

武藤としてはワザのレパートリーが増え、観客に驚きと新しい興奮を与え、武藤の「試合という芸術品」の価値をあげた。

僕がいいたかったのは、ラジオであれプロレスであれ、脚本通りに演じるのは二流、一流は変化に対応することで、新しい価値を創造する、ということだ。

もちろん、超一流プロレスラーの変化への対応を、僕が出来たなどと言うつもりはない。

でも、ああ、こういうことか、という実感を持つことはできた。

ラジオもリスナーという観客がいて、ライブで勝負するならば、プロレスと全く同じ構図だ。

いい文章とは自分を裏切る文章

noteを書いているキミ、前もって今日はこう書こうと決めていたはずだ。

でもいざ書いてみると、まったく違う内容になっている。

それでいいんだ。

キミは無意識の働きかけで、それに動かされて書いただけなんだ。

いわば、自動書記。

https://yamashitamiki.com/jidoshoki/

キミが書いたものだけれど、キミが書いたんじゃなく、キミの潜在意識、いや守護霊が書いたのかもしれない。

いずれにせよ、キミの作品は、あらかじめキミが考えたシナリオを越え、よりクリエイティブで面白いものになった。

僕も身をもって体験したよ。

あらためて、世間の奴らに「プロレスは予定調和だろ」なんて言わせないよ。

そんなことを思った、昨日のラジオ経験だった。

あすもまたラジオで感じたことを書きたい。

今日も最後まで読んでくれて、ありがとう。
じゃあ、また明日会おう。

                             野呂 一郎
               清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー






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