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子供SNS問題にみる、ピア・プレッシャーという悪魔

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:子供に対するSNSの悪影響。ピア・プレッシャーという恐ろしい縛り。共有アカウントは効果があるのか。日米子供が抱えるSNS問題。以上に関する考察。

社会変化に殺されるライフスタイル

以前、The Wall Street Journalの紙版の日本での発売が中止され、途方に暮れていると愚痴らせていただきましたが、もうこれは時代だと諦めなくてはならないですかね。

今だガラケーで、どうしてあんな指でいちいち入力しなくちゃならないガジェットがみんな好きだかわからず、ガラケー一択です。

でも、ガラケーは来年で強制終了みたいですね。

インターネットの速度なんて早くなくていいのに、この間無理やり光回線に変えさせられました。

今日のお話は、The Wall Street Journalのオンライン版の記事から初めて引用するのですが、アメリカの子どもたちも、僕のようにこうしたデジタル、ITの影響にいやおうなしに巻き込まれている、という内容です。

どっかで聞いたことあるぞ、そうです。以前にフェイスブックがキッズ用を開発して物議を醸しているというお話はしました。

きょうは、主語は子供じゃないんです。大人、なんです。

大人が子供に無理やりTik tok、ワッツアップ(アメリカ版Lineみたいなもの)を押し付けて困る、という問題なんです。

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便利を取るか、安全を取るか

大人というのは子供が所属するスポーツチームの監督、コーチ、指導者です。彼ら彼女らはチーム全体への指示や、共有すべき情報をアップし、子どもたちにそれを見るように命じているというのです。

積極的に写真をアップさせたりする指導者もいます。子どもたちは、SNSのアカウントをとるプレッシャーを強く感じています、というよりも、アカウントをとらないと実際やっていけないのです。

これ、僕と同じように、現実だから従わざるを得ない、のでしょうか。

やっぱりちょっと違います。

子供の両親は心配しています。13歳になるまではSNSを禁止するという親もいます。

「くだらない少しの便利のために、子供の安心、安全、プライバシーを犠牲にしていいわけはない」という親もいます。

しかし、子供がアカウントを持たないために、指導者からの重要な情報を得れなかったりという、不利益も発生し、そのためしぶしぶ子供にSNSアカウントをもたせる親もいます。

3つの提案


The Wall Street Journal2021年11月9日号は3つの提案をしています。

1. SNS教育を行え
子供に責任あるSNSの使い方について、ソーシャルメディアとそのテクノロジーについて理解させるために教育をする。
2. ルールを創れ
子供のアカウントをプライベートにせず、両親も共有する、友達申請のチェックを両親が行う、両親が定期的にSNSのやりとりをモニタリングする、などのルールを設定する。

3. 共有アカウントを使う
子供に子供専用のアカウントをもたせて自由にさせるのではなくて、共有アカウントをつくり、子供がスポーツクラブとのコミニュケーションをする用途に限ってコミニュケーションを許可する。子供がログインするときには、親のケイタイにメールが入りログインコードを教える仕組みだ。子供がコミニュケーションを終わったときも同様。

ピア・プレッシャーという悪魔

僕は一番の問題は、いわゆるピア・プレッシャー(peer pressure 友達からの同調プレッシャー)だと思うんです。

30数年前、アメリカ留学したときにこんな話を聞いてびっくりしたんです。「アメリカの若者がドラッグをやるのは、ほとんどがピア・プレッシャーが原因だ」というのです。ワクチン接種の局面でもこれを指摘する向きもあります。

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えーっ、アメリカ人って自立心旺盛で、個性が大好きだから、他人に左右されることなんてないだろ?ましてや集団に左右されるなんて、仲間はずれにされたくなくて、なんてないんだろう。そう思っていたんですが、そうでもないのだ、と知ったのです。

その後も、アメリカ社会をウォッチすると、ピア・プレッシャーっていうのが厳然としてあるんだ、とわかりました。

いじめみたいなものは、まさにそれ、周囲に同調できないとアメリカ人でもいじめられる事実があるんです。

スポーツクラブでも、同様のことが起こるでしょう。

自分だけSNSのアカウントをもってない。もしくは親と共有アカウントで、自由にやりとりができない、もしそうならば、子供はいじめを恐れて、正気ではいられないのではないか。

ネットいじめ、これは日本でもアメリカでもあります。

そういう意味で言えば、ネットなんてやらなければネットいじめは存在しないでしょう。しかし、ネットをやらなければ、仲間はずれにされていじめられるのも事実なのです。

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僕の解決策はただひとつ。

それは、そのスポーツクラブは、一切のSNSを禁止することです。

そして、クラブの会員への情報発信はどうする。連絡はケイタイメールのみにします。

まあ、大人でもネットいじめはあるし、今は炎上も誹謗中傷もあります。でも、子供の場合は思春期、いや小学生はもっとデリケートな時期ですから、SNSはリスクが大きすぎます。

子供にとってネットの社会は魑魅魍魎が跋扈するヤバい、ヤバすぎる世界です、足を踏み入れさせてはなりません。

The Wall Street Journalも書いていたけれど、8歳くらいの子供がメッセージをやりとすることにも危険が潜みます。13歳にならないとSNSをやらせない、僕もこれを支持します。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

ではまた明日。

                           野呂 一郎

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