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日本企業改造論:日本のよさを知らないリーダーたちが国を滅ぼす。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:日本企業改造論第三弾。日本企業は負けてない。ただ、自分の良さがわかってない。それは企業のリーダーに国際性がないからだ。国際性とは「日本を正しく知る」ことにほかならない。いまこそ世界に日本が必要だ。

クビにしないという知恵

日本企業のリーダーたちの欠点は国際性に欠けることです。

いや、英語がしゃべれるとか、留学経験があるとか、そういうことじゃないんですよ。

国際性とは、あくまで僕の考えですが、それはひとえに「日本のよさを感じる感性」っていうことなんです。

日本の良さとは何か、それは僕に言わせれば「会社をクビにならない」ってことなんです。

言い換えると、競争よりも社会の安定を優先する、ということです。

アメリカは真逆ですね。

アメリカは、社会の安定よりも、競争を優先する社会です。

競争を利益と置き換えると、このシステムはまさに「資本主義」ですね。

ですから識者が言うように、日本のシステムは「社会主義的資本主義」なのであって、政治制度としては明言してないものの、現実はそうなっています。

弱者はかってに落っこちればいい、これが資本主義ですが、これでいいんでしょうか。

ますます、GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック=メタ、アップル、マイクロソフト)といった資本主義の勝利の方程式を確立したプラットフォーマーだけが、増長しますよ。

強者と弱者という分断

アメリカで入社の条件として「社長にしてやる」と提示されたのに、1年もたたずにクビにされた僕は、クビになるのがどんなに嫌なつらい、そして経済的にシビアなことかよくわかります。

もちろん、アメリカ企業は常にその時の企業に必要ない人材はお払い箱、っていう姿勢を崩しておらず、それが故に世界経済のリーダーであり続けてきたことはわかりますよ。

でも、大統領選を巡るこの国の分断は、結局、職を選べる強者と、職を取られる弱者の分断、っていうことではないでしょうか。

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強者はいいんですよ、首を切られることはないし、自分で勝手にステップアップしていけますから。

しかし、弱者は今の職を失ったら、セカンドチャンスは現実的に期待ができないんです。

僕らはアメリカ人はドライで、実力主義だから、レイオフ(一時解雇)のオファーなんか慣れっこで、気にしないと思いがちです。

でも、日本人にとっても、アメリカ人にとっても解雇は非人間的な所業なのです。

はっきり言えば、アメリカ流の企業都合での解雇は「悪」であり、人間性に関する「罪」です。

一昔前だったら、こうしたリーダーのやり方も認められました、しかし、現代のリーダーは、企業だけのことを考えていてはダメなんですよ。

世界にそして地球に責任を持たないリーダーは、政治家であれ、企業家であれ、人々の共感を呼ばず、いずれ堕ちていくでしょう

さて、のっけから「人の首を切らない日本的経営がいいんだ」と力説しているのですが、それは自分がクビになったこともありますが、それよりもある本を読んだことがきっかけです。

この本を読むと、クビになることがいかに非人間的な仕打ちであることであるか、が理解できるでしょう。

アメリカ人にとっても、クビにされるって人間性を失うような体験なんです。

本のタイトルはLiving Through Job Loss (直訳すると「仕事喪失を通じて生きる」ですかね)で、心理学者のアン・カイザー・スターンズ(Ann Kaiser Sterns)博士が1995年に著しました。

賢明な読者の皆様ならば、この本から、経営者が一番してはいけないことは、従業員をクビにすることなんだな、とわかるはずです。

Living Through Job Loss

リーダーは哲学を発信しろ

繰り返しますが、国際性とは「日本の良さを感じる感性」なんです。

そのためには、海外経験があったほうがいいし、英語も喋れたほうがいいですが、しかし経験や能力があっても、「日本の良さ」に気づいて、それを発信しているリーダーはほとんどいません

くりかえしますけれど、日本の良さって、企業がアメリカみたいに、都合が悪ければ解雇しないことなんですよ。

そのために、企業は利益や生産性という犠牲を払っています。

年功序列はなくなったなどと言われますが、実際は年功的な給与体系や昇進システムは以前根強く残っているわけで、企業は給料ばっかり高くて、無能で働かない重役たちを使いあぐねているわけです。

でも、それも会社の、社会の全体利益が守られるなら、と甘受しているのです。

この犠牲のお陰で、世の中に失業者が溢れ、社会が不安定になり、分断されるずに済んでいるのです。

僕ら日本人は、アメリカの分断を見て、「これでいいのか?」と自問自答するべきであって、特に政府の企業のリーダーたちは、気がつくべきではないでしょうか。

世界的な人材不足に勝つ方法

そして、人材不足で世界から人財を求めなければやっていけない時代に、日本的経営のよさを声高に叫ぶべきじゃないでしょうか。

https://x.gd/CAaf8

「ウチは成果主義ではなく、チーム主義です。年功も配慮します。だからアメリカのトップ企業のような高給は約束できません。でも、あなたをこちらから企業の事情で解雇することはしません。アメリカ企業がいいか、ウチがいいか、信じる信じないはあなたの自由です」

関暁夫(ウソ)

とやればいいですよ。

なんでホームページのトップページで、トップが英語でそう訴えないのかなあ。

国際性がないんですよ。(きっぱり)

もちろん、アメリカ型の優勝劣敗社会がいい、という意見もあるはずで、あくまで僕の勝手な意見でしかありませんが。

ここのところ、「日本のホワイトカラーの生産性が低すぎ!」と言っていたのですが、でも、考えてみれば、従業員のクビを切らないというコストを抱えながら、日本企業は頑張ってきたんですね。

GDPだの生産性だのだけで、「アメリカえらい、日本ダメ」と言っていたこいつ。

僕こそ、海外経験は豊富にあるのに、国際性がない悪しき日本人の典型だと思い知りました。

もちろん、日本のよさなんてない、と気づくのも国際性かもしれませんが、それは僕同様、日本についてよく知らないか、考えてないのです。

3年前に書いた僕のnoteもご覧頂ければ幸いです。

野呂 一郎
清和大学教授


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