なぜ、米でこれから子供の精神疾患が増えるのか?
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:アメリカの教育現場で起こっている妙な動き。精神疾患の定義を巡る問題。ADHDとしつけ、というデリケートな問題。トランプ現象と子供の教育の関係を探る。
米学校に精神科医が増えている
報じられていませんが、今、アメリカの学校教育では、精神分析医の導入をこれまでの倍にしているのです。
なぜかというと、子供の精神疾患が増えているからです。精神疾患と言ってもADHD(attention-deficit hyperactivity disorder 注意欠陥過活動性[多動性]障害)が中心です。
CDCP(Centers for Disease Control and Prevention 米疾病対策センター)の調べによると、ADHDを持つ子供の割合は1999年に7.6%だったのが、2018年には12.9%と、ここ20年で70%も増加しています。
ディキィンソン大学(Dickinson College)で哲学を教えている、クリスピン・サートウェル教授(Crispin Sartwell)によると、バイデン政権が学校に精神科医を増やしたのは、メンタルヘルスというサービスが増えていることがあります。
しかし、これは次のような問題をはらんでいるというのです。
ADHD患者はこれから増える
サートウェル教授は以下のことを指摘しています。
1.診断のいい加減さ
ADHDを診断するのに、学校で用いられている基準はDSM-5というもので、「6つ以上の不注意があればADHDと診断する」というしくみです。
サートウェル先生は
とおっしゃるのです。
その不注意の基準とは、例えば時々、もじもじする、気をもむ、よく席を立つ、しゃべりすぎる、などです。
普通の子供じゃねえか、というツッコミが入っているのです。
2.精神科医が診断や薬の処方をすすめるのはいいのか?
精神科医には診察や処方の権利はありませんが、それをするように勧めています。あとで述べますが、カネ、じゃねえの?
3.今風の体罰なのか
昔はアメリカの教育でも杖で叩いたり、ナックルラップ(knuckle rap)といって指の関節を弾く体罰がありました。
ADHDの宣告は、子どもたちに体罰以上に効く、というのです。要するに「お前はお行儀が悪い」ということを、医学という権威に間接的に言わせていることになるからです。
4.病気と普通の境があいまい
DSM-5という基準がはらむ問題です。不安症だって、正常な心配と診察が必要なそれがあるはずです。鬱の症状だって、正常な悲嘆と病的なそれがあり、この基準はここの定義があいまいなのです。
俺流解釈
1.経済の問題
確かにここ20年って、メンタルヘルスがブームで、この新しい医療が大きくなって、ロビー活動するほどに社会にも影響力を持ってきているのです。
バイデンは経済命ですから、この過剰に大きくなった医療サービスに役割を与えようと、学校という新たな市場を与えたのです。
DSM-5という曖昧な基準は、ADHD患者を増やし、メンタルヘルスという市場を拡大し、アメリカ経済に寄与させるためです。
2.現実の問題
大人も子供も、たしかに精神疾患が増えています。そして、数字が示すように、子供時代の精神疾患がおとなになっても尾を引く、という流れがあるのです。
そういう意味で言うと、正しい流れですが、やっぱり背後にはビジネスがあるのは、見え見えです。
3.アメリカの教育危機
多動症、ADHDは確かに増えているけれど、勉強に興味を示さない、集中しない子供が増えて、それがアメリカの国力に影響を与えるほどになっている可能性があります。
ADHDの宣告は体の良い体罰なのです。やはり。
でもこれが本当ならば、アメリカは中国を笑えませんね。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
じゃあ、また明日お目にかかりましょう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?