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「企業大学」の時代だ。
この記事を読んで、あなたが得られるかもしれない利益:どんどん弱くなっている日本の経済を救うのは教育。小中高もだけれど、大学教育にも問題があるのではないだろうか。特に経営教育は、大学にまかせないで、企業にやらせたらどうだろう?
大卒採用をやめてみたら?
BusinessWeek2019年4月22日号に、気になる記述を見つけました。
インフレが死んだ理由は、賃金が上がらないからだという文脈で、実際に企業は上手に賃上げを避けているというのです。
これを指摘するのはシカゴ・シティ・カレッジズ(Chicago City Colleges)総長のジュアン・サルガド氏(Juan Salgado)です。
サルガド氏は、アクセンチュア(Accenture Plc)、エーオン(Aon Plc)といった企業をあげます。
両社は採用戦略を変革したのです。
大卒をやめて、短大卒(コミニュティ・カレッジ、ジュニアカレッジ)の人材採用に切り替えたのです。
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準学士を採用して、トレーニング(教育研修)を受けさせることにより、賃上げを抑えているのです。
記事にはこれ以上の記述はありませんが、僕はこの両社の取り組みに、インフレうんぬんはともかく、「アメリカの大学と言えど、現代の急速な変化に大学教育は追いついて行けないからじゃないのか」と強く感じたのです。
形式的な知はいらない
おそらくこの両社は、大学教育に期待しておらず、自前の実践的カリキュラムで、一人前のエンジニア、経営マインドを持った幹部候補社員を作ろうとしているのではないでしょうか。
エンジニアは、理数の基礎さえあれば、自社の日進月歩のオートメーションの応用は教育次第でできるようになるでしょう。
経営技術に関しても、大学で古い理論を詰め込まされるよりは、現場で蓄積された知恵を教わったほうが、役に立つのではないでしょうか。
MBAが最強、などという人がいますが、あんなものは1年で陳腐化すると覚悟しておいたほうがいいです。
それより大事なのは、現代という変化をとらえることです。
また、実際に働いた経験がある程度ないと、机上の理論は応用できないのです。
MBAもケーススタディで鍛えるやり方でないと、使えないというのが僕の個人的な意見ですが。
企業大学の時代だ
日本もインフレは終わりました。
30年間、賃上げがなかったことがそれを証明しています。
インフレが死んだのは、経済が死んだと同じ意味です。
その理由は、大学教育が、世の中の変化に追いついていないから、じゃないでしょうか。
経営学教育に関する限り、4年間じゃあ全然足りないし、実践もないし、大学教育ではいかんともしがたい、正直そう思います。
大学は大いに遊んでさまざまなことにトライして自分の可能性を広げる場所、というのは否定しませんが、この4年間に激しい知的トレーニングをすることにより、脳力のキャパを上げることもそれ以上に大事です。
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しかし、ほとんどの日本の大学生が、その機会を逃しています。
自分の無能をさらけ出しているようですが、文科省とかがシラバスどうのこうのと形式を押し付け、大学の自由な企業家精神を認めず、本当の実践的教育ができない、という愚痴も言わせてください。(笑)
日本の企業は、もう学歴だとか形式ばかり言ってないで、高卒で賢い素質を持った若者を厳選して、企業大学に入れて鍛え上げましょう。
そのほうが大卒にあぐらをかいて、4年間勉強しない学生よりも、将来あなたの会社の戦力になりますよ。
企業も大学教員や専門家と協議して、最高に実践的なカリキュラムを創りましょう。
そして、なにより、企業も若者を確保しなければならない時代です。
敵は大学です。
さあ、大学vs企業大学の若者争奪戦が火蓋を切りました。
企業の人事担当は、東大から何人入れたとかの時代遅れの競争をすぐやめて、企業大学をつくり、高卒の優秀者を青田刈りすべく、高校の進路指導室に駆け込みましょう。
野呂 一郎
清和大学教授
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