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Mantova マントヴァ

Corvara(コルヴァーラ)からの山道を下りる途中小さな喧嘩をした。私の好きなボッサノヴァ音楽について夫はどうしても好きになれないという些細な事が喧嘩の始まりだった。私は好きなことやものを夫や恋人に否定されるというのはあまり面白くなかった。夫は全く気にならないらしい。たしかに私たち日本人は否定しないのが優しさであるところがあるし意見が違うのは当たり前で近しい人でもそれは容易にあり得ることで何の問題もない、となかなかわきりれない。

山道をだいぶ下りて高速道路をしばらく走りマントヴァへ入る少し手前に宿をとった。駐車場から入り口までの道ですでに歓迎を受けた気持ちになる。

大きな扉を入るとひんやりした空気がして気持ちがいい。ホテルのオーナーが出てくる間ソファでゆっくりできた。

オーナーの女性にくっついて可愛い猫が私たちを歓迎してくれた。この子のおかげで町へ出かけることを忘れてしまいそうだった。

この日の昼間はかなりの暑さだった。Palazzo del tè というマントヴァの観光名所のひとつでもう一度訪れたいと思っていたところへ来た。1534年から変わらないこのテ離宮、ジュリオ ロマーノが細部までこだわって設計しているみごとな宮で容易にその時代にタイムスリップできる。

あまりに暑いので観光をあきらめて涼しいレストランでゆっくり食事でもしたかったがそれよりも大好きなモンテヴェルディが住んでいた町への憧れが勝ち宮の近くのバーでパニーノをほおばりすぐに町の散策に戻った。

この教会のあのオルガンをモンテヴェルディは弾いていたのか、この道を楽譜を持ちながら歩いていたのだろうか。そんなことばかり考えて町を歩いていたらすっかり喧嘩したことを忘れていた。

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