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ASDについて(5);処世術 6,7,8 and 10

今回の処世術はこうすればよかった、と自分が後悔している部分です。
僕は男なので、女性の処世術はわかりません。

ただ、これを意識できているかどうかで、
後の社会性みたいなものが違っていただろうということはわかります。

(6)精神の安定は人を遠ざけて得られるもの
(7)精神の成長は人を近づけて得られるもの
(8)自分の精神年齢は定型発達の6割掛け
(10)結婚、子供をもうけるといったありきたりの幸せは来ない。

この4つ、かなり密接に関連しています。

(6)(7)は相反することを書いています。
精神の安定と、成長とは両立しないのです。
僕は(6)を最優先に置き、次に社会適応が重要であるという
戦略をとって、大人になるという過程をかなり意識して
なぞっていった結果、
(10)という恋愛・結婚という子孫繁栄につながる選択肢を
選べなくなっていました。

あくまで自分の自覚・意識の上ではありますが、
どこかで自分の社会適応はまがい物であるという感覚が
ずーっとつきまとっています。
最近のAIで作った写真(あれほどよくない)みたいなものです。

ユング心理学でいうところのペルソナ(仮面)に近いものかもしれません。
人と近づくよりも、遠ざかるほうへ全力を振っていったのです。

リハビリの仕事を選ぶまで、その勇気がありませんでした。
選んでもしばらくは自分が社会適応できる自信がなかったのです。

数年前に(8)をネットで見かけて、ああ、そういうことなのかと
初めてずっと付きまとっていた違和感の正体が何なのか、
わかったような気がしたのです。

つまり、出遅れているのです。とくに大学生のころまでは
周囲との相対的なレースの上でいうと劣等種、
あるいは不良品であったといってもいいでしょう。

わかりやすく言うと「幼稚」なのです。

つまり成熟度がものをいう20歳代前半で、
非常に不利な条件に置かれていたのです。

これが社会に出ると、年齢の幅も広くなり、
立場もさまざまに変化していきます。
単一の物差しで測られることもなくなります。

この「不利な条件で勝負を強いられた」
あるいは「勝負に負けるべくして負けた」感覚というのは
非常に強く、かなりの期間影響を残しました。

ところが、「成熟」というものさしは、
別な方向から見ると「老化」です。

この成長というものは何なのか、
社会適応するということは
衰えていくということの言いかえじゃないか?と
いう思いが出てくるようになったのは、
40歳を過ぎた頃でした。

つまり、自分の周りの人たちは変わらず存在していて、
そこに受け入れられるかどうか、という挑戦をしていたものが、
その「変わらず」という前提が間違っていたのです。

最近の就職活動の様子をネットで見ていて、
あるいは就職活動の子たちを街でみかけると、
この社会の「枠」は不変であり、
その枠の中に必死に入ろうとして苦労しているように見えます。

この「枠」、時と場所によって、あるいは人によって
かなり変わるよ、というのが僕の認識です。

社会適応ができるようになるまで、
あるいは結婚して子供をもうけるという
選択肢を選ぶにはタイムリミットがあります。

どのように社会適応していくか、
自分の人生設計はどうするのか、
これを意識的に、戦略的にやっていく必要があります。

僕はこれがわかるようになったときには
時間切れ直前でした。

僕がリハビリの免許を取ったときに思ったことがあって
これは「外骨格」だよな、と。

外骨格というのはエビやカニ、昆虫のように
外に固いキチン質でできた殻をもつ生物の構造です。
(話がくどくなってきた)

例えば、伊勢海老の中身がアンパンであっても、
八丁味噌であっても、外見的に伊勢海老で、
動いていれば伊勢海老だと周りは判断する、そういうものだと。

(いや、食べればわかるじゃないかという意見は今回は
 受け付けません)

つまり、社会適応の面からすると、
何らかの資格を取っておけば、アンパンが伊勢海老のふりをすることも
可能なのです(←違う)。

仕事が人格を作るのか、もともとの性格が仕事の選択に影響を与えるのか、
という疑問・議論は80年代以降、かなりありました。

現在となってはおそらく、前者であると判断できます。

バブル世代のフリーターや、就職氷河期で仕事に就けなかった人たちは
この悩み、哲学的表現でいうと「実存」、
心理学的表現だと「社会的な自分の役割」
ありきたりな表現をつかうと、「自分は何ができる人間なのか?」
がわからなくなっているのではと思われます。

先の伊勢海老で使った表現でいうと、外の骨格は立派なのに、
中身はスカスカなどこかの通販で送られてきたカニのようなもので、
その中身をごまかすために恋愛をしようとしていた、
そしてそれは見破られていたのでうまくいかなかった、と
僕は今でも思っています。

色恋ごとに関しては、元からその機能が付いていなかった、と
判断せざるを得ません。

※ それにしてもだんだん話がくどくなる癖が抜けない・・・

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