マガジンのカバー画像

クァシンとアイの冒険

30
設定をフリー素材にしました。 キャラも世界観も自由に使ってください。 どんな形式でも大歓迎です。 小説でも詩でも音楽でも絵でも良いです。 #ワールドザワールド
運営しているクリエイター

#ファンタジー

「彼女の譲れないもの」

 ワールドザワールドの女神は誇らしげにルービックキューブを掲げた。  ルービックキューブは六面きれいに揃えきってある。アイは足が18本あるミツバチを見つけた時と同じくらい驚いた。 「すごいよ。なんでそんなことができるの。僕には一面を揃えるのだって無理なのに。だってね、最後の一つを持ってこようとすると、三つくらいどっか行っちゃうの」 「まあ、これくらいできないと、わたしの仕事は務まらないわね」  ワールドザワールドの女神は自慢げである。仕事とルービックキューブ はまったく

2 箱男たち

ある日の夕方のことです。 シヨク=ガヨクが町を歩いていると、ぞろぞろとダンボールが寄せ集まってきました。 「な、なんだ。おまえら」 ダンボールの軍団は、なんの合図もなしに一斉にシヨク=ガヨクに襲い掛かったのです。 ~📦~📦~📦~ 【シヨク=ガヨクが襲われた。】 そんなニュースが飛び込んできました。 アイは木の枝の上でキスをするやら、体をこすりつけあっている雀の夫婦から、そのニュースを聞きました。もちろんアイは、聞くやいなや家を飛び出しました。 いくらいたずらもので、

1 果てしなき流れのはじめに

クァシンは白髪の天使のような男の子です。 おじいさんとおばあさんと暮らしています。 今日も家で読書をしていると、アイが扉を開けて元気にやってきました。 「ねえ、見て」 とアイは泥で汚れた手を突き出してあるものをテーブルの上におきました。 クァシンは本を閉じ、それを見てみると、それはとても不思議なものでした。 「砂時計……」 そう、それは砂時計でしか。でもただの砂時計ではありません。そのことにクァシンはすぐに気付きました。クァシンは無言のまま砂時計をひっくり返しました。そ