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ロータリーエンジンのメンテナンス

RX-7、RX-8のメンテナンスにおいて大切なのは、その至宝であるロータリーエンジンのメンテナンスにあります。ロータリーエンジンのメンテナンスで大切なことは
1.オイルの管理
2.点火系の管理
3.燃焼室の洗浄管理
の3つであり、これらはすべて燃焼室にカーボンスラッジを溜めないということにつながります。起こりやすいトラブルから調べていくと消耗品以外でロータリーエンジンの寿命に関わってくるトラブルはほぼすべてここにつながってきます。

1.オイルの管理


ロータリーエンジンのメンテナンスで一番大切と言われるオイルの管理ですが、調べていくと何が正しいのかわからなくなるくらいたくさんのことが語られています。ここで一つ確実に言えることは、こまめにオイルを交換することです。ロータリーエンジンがレシプロエンジンと異なる部分の一つにエンジンオイルを燃焼室内に吹き込み、燃焼させながら回転するというのがありますが、ここで使用されるオイルは潤滑に使用されるオイルの一部を使用しているため、オイルが汚れていると汚れたオイルが燃焼室内に入りエンジンを汚す原因を作ることとなります。
もちろん、常にきれいなオイルを循環させることは不可能ですし、一度にすべてのオイルを交換できるわけではないので限界はありますが、オイルフィルターをしっかり管理したり(安いもので良いので毎回の交換を推奨します)、こまめにオイル交換すること(一般的な交換サイクルの3000㎞以内)で、汚れきる前に新しいものを入れるといった対応をすることが大切になるかと思います。

2.点火系の管理


燃焼室を汚す原因はオイルだけではなく、未燃焼のガソリンによるカーボンもあります。理想空燃比の下では燃料が燃え残ることはないとされていますが、低回転での走行やエンジンが冷えている際には、燃調が濃くなっており、カーボンデポジットがたまりやすい状況と言えます。特にロータリーエンジンは2000回転以下では非常に燃調が濃いようです。エンジンを高回転まで回すなど、燃焼室内の温度を高くすることでカーボンを定期的に焼き切ることが大切になります。ここでメンテナンスとして重要になるのがプラグから発せられるスパークの強さで、こまめにプラグを交換していくことが重要になります。ロータリーエンジンの場合、レシプロのエンジンよりもスパーク頻度が高くなるため、寿命も短く、1万キロ前後での交換が目安となります。
また、スパークプラグ以外にも、イグニッションコイルやプラグコードなどの交換も忘れてはいけません。特にイグニッションコイルはスパークプラグ同様、定期的なメンテナンスパーツと考えたほうが良いでしょう。外した際に、裏側に白い霧のような模様ができていたら、リークしてしまっており、交換の目安と言われています。また、経験上、このパーツについては純正品か、もしくはしっかりとしたメーカーのものを使用することをおすすめします。
バックなどでアクセルを軽くあおった際に、ポンポンとミスファイアするような音が聞こえる場合には、点火系のパーツの寿命を疑ったほうが良いでしょう。

3.燃焼室の清浄管理


ハイオクエンジン等に含まれる添加剤もカーボンデポジットとして燃焼室を汚すこととなります。そのため、元々ハイオクガソリンには添加剤として清浄剤が含まれますが、ロータリーエンジンはそれ以上に前述のカーボン汚れが発生するため、燃料清浄剤の追加投入をおすすめします。おすすめは、優れた還元力を持ち、燃焼時に一緒に排出されるPEA(ポリエーテルアミン)を主成分としたもので、ワコーズのフューエルワンなどが有名です。

以上がロータリーエンジンのメンテナンスで私が日常、大切にしている3つになります。
近年、20万キロ、30万キロオーバーホールなし。というRX-7、RX-8を聞くようになりました。これは、オーナーの方の手厚いメンテナンスの賜物だと思います。また、オイルや燃料添加剤などの進歩もこういったロングライフに大きく貢献しているのではないかと思います。

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