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眠れない夜のために。         『断片的回顧録』 燃え殻(著)


燃え殻(著)


いまは夜だから牛乳を入れたコーヒーを飲む。
いつもそうしているわけじゃないけれど。
むしろそんなことをするのは珍しいことだけれど。

腹の調子が良くない。
うんこも数日出ていない。
今年、まだしていない。
去年したのはいつだったかなあ。

そういえば去年の暮れは、失敗をした。
失敗をして莫迦にされたような気がする。
自分で自分を莫迦にしたようにも思う。

フェミニスト、という言葉の意味を時々忘れてしまう。
どういう意味だっけかなあ…。
調べるのもめんどくさいから、そのままにしておく。
そうしてまた頃合いを見計らったときにふと、フェミニストってどういう意味だっけ?となる。
別にどうでもいいのだ。
必要があって知りたいわけじゃないのだ。
ほんとうに意味なく、ただ言葉だけがポーンと浮き上がってきて、はて、これって何、ということになる。
同じように「ペシミスト」という言葉もその現象に倣う。
下手するとペシミストとフェミニストがごっちゃになる。
そんなことで頭の中が滞っているときって、だいたい疲労事態宣言中である。
だから間もなく、ほどなく眠くなってくるのが常。
そうなったら躊躇なく寝るね。
明日の朝ごはんのことを思いつつ。
どうせ食べないくせに。

今夜は眠れるだろうか。
眠れなかったら、それはそれ。
本を読むなりラジオを聴いたりすればいい。
真夜中のラジオに、人は救われることもある。

著者は真夜中にラジオで喋っている。
訥々とした語りもいいが、流れる音楽もいい。選曲がいい。
話す内容もいい。
著者が深夜のラジオで話す内容を、そのまま一冊の本にしたような感じだ。
いっけんペシミスティック(悲観的)に捉えられそうな雰囲気を醸し出すが、しかしよくよく聴いてみると、あるいはまた著作を読んでみると、そんな事はない、ゆるりとしたユーモアがあったりする。
生きてみるか、と呟いてみたくなる一瞬をもらえたりする。

寄り添う、という言葉が好きではない。
感動を与えたい、という言葉と同じくらいに。
出来ればそんな言葉のとなりには居たくない。
出来るだけ離れていたい。


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