君たちはしかし再び来い  山下澄人(著)

君たちはしかし再び来い

読み終わった。
読み終わったが、いったい私は何を読み終わったのか。

読み終わるまで、いったい何日かかったのか。
其処には何が書かれていたのだろうか。説明してみろと云われても説明出来ない。
読んでよかったかと問われれば答えは“yes”

朝日新聞の書評。
金原ひとみの書評が気になって、本書を選んだ。
私は金原ひとみを信頼している。
裏切られてもきっと、信頼に足る部類の人だ、金原さんは。

それにしてもわけのわからない小説だった。
しかし悪い印象は受けない。
この挑戦的な、読むものを歓迎しない姿勢が、僕は嫌いではないから。
読者におもねらないという、そういったレベルでは測れない作者の矜持が見える。すなわち、こう書く以外に方法がなかったのだ。
その世界観でつまりは自分も生きていてもいいのかも知れないという何かしらのメッセジを否が応にも受けとってしまう。


B67-2022-19

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?