B48-2021-29 その日の天使  中島らも

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夜、酒を呑みつつ。
素面で読んでもモチロンいいが、酒のアテに中島らものエッセイがいい。
丸谷才一と中島らもは何故こうも晩酌のお友に合うんでしょうね。

本書は中島らもが亡くなったあとに出された本です。
享年52歳かあ。
今年自分は中島らもの歳をこえたんだなあ。
美空ひばり・石原裕次郎・松田優作・ジョン・レノンの年齢を超えてしまった。
自分は超えてしまった。どうしよう。

本書は中島らもが亡くなったあと、過去にリリースされたエッセイを編んだ本です。
何度も同じ話が出てきますが、それもまたいい。
そのループ感がいいんです。
ワンコードのパターンミュージックを聴いてるようで。

中島らもは、ただのアウトローではないと思います。
「アウトロー」なんて表現は少し陳腐すぎます。
何ていうんでしょう。
社会のルールを守らない人ではありません。
法律に背を向けまくる人でも、もちろんありません。

もっと、こう精神的にヤバイひとで、普通の人々が普通に行く道を、
「反抗的」に違う道を行くのではなく、彼はナチュラルに、自然にその道を逸れて行く。彼のオリジナルの道を行く。そんなイメージがあります。
普通にヤバイひと。それが中島らもの魅力のひとつです。
計算してズレていくのではなく、彼の存在が自然に物事とズレていってしまう。



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