B46-2021-27 相談の森 燃え殻

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球種。
俗に云うSNSで頭角を現す人たちは往々にして言葉のあやつりが巧い。
本書でもそのような指摘の内容があるが、しばしばそういった風潮には鼻白むものがある。
彼は跳躍力だ。
語彙が豊富でその使い方にオリジナリティを感じる。
少年の頃、何か悪さをしたらしい。
母親との帰り道、ラーメン屋にて「どんぶりに顔をつっこん」で、ごめんなさいと云う。うしろで流れているのはTBSラジオ・・・。
彼の感受性はこの「うしろで流れているTBSラジオ」を聴き取るところにあるように思う。

TBSラジオだろうが文化放送だろうが、それは何でもいい。
けれどTBSラジオだったと思う、とわざわざ書くところに彼の良いところが見える。
趣味のない65歳を仕上がりがいい、という言葉にしてもそうだ。
仕上がりがいい?
この単語を躊躇なく出すアザトサよ。
しかしこの本を僕はとてもおもしろく読んだ。
けっこうわかってらっしゃる人なのだとも思った。
回答のことばをただまっすぐに届けるのではなくて、ひとつひねって、けどわかりやすく、優しい気持ちで伝えているような気がする。
ただの優しいお兄さんではないのだ。
ひとひねりある、何かしらをわかってらっしゃる燃え殻なのだと。
しかしこの名前。本名ではないだろうな。何とかならないものか。


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