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ポッドキャスト成功の絶対条件「更新頻度」を高く保つ7つの方法

ポッドキャストを1年以上続けてきて、Spotify総合ランキングで150位前後累計再生回数約6.5万回フォロワー約2200人と、一定の成果を上げる中で見えてきた、ポッドキャスト成功の絶対条件がある。それが「更新頻度」

僕が運営するグローバル・インサイトでは、週に3回、新着エピソードを配信しているが、ランキング上位の他の番組も眺めてみるとどうやら更新頻度が高いらしい。また、リスナーからも「よくそんなに話すトピックがありますね」と驚かれる。

そこで今回は、ポッドキャストの更新頻度を高く保つ「7つの方法」をご紹介したい(Photo by ConvertKit on Unsplash)。

なぜ、更新頻度を高く保つ必要があるのか?

ポッドキャストを始めたばかりのころ、更新頻度は週に1度だった。それから2〜3カ月後に、現在の週3回へと頻度を高めた。

その理由、つまり、更新頻度を高く保つ必要性とも言えるかもしれないが、まずはなにより楽しいということ。「こんなことを伝えたい」「こんなことを聞いてほしい」「週に1度では物足りない」という純粋な楽しさが出発点としてまずあった。

2つめは、リスナーに「聴取習慣」をつけてもらいたいと思ったこと。SNSを筆頭に情報収集源となるメディアはいくつもあり、また比較的新しいポッドキャストでも番組数は急増している。

そんな中で番組が一定の存在感を示すには、エピソード単位ではなく「番組として」認知してもらう必要があると考えた。つまり、リスナーはどれかエピソードを聴き終わったら離脱するというのではなく、初めて聴いたエピソードを起点に番組のフォロワー、ファンになってもらう必要があるということ。

そのためには「この時間になったら新着エピソードが配信されているはず」と記憶してもらえるように、定期的かつ継続して配信することが大事だと考えた。

更新頻度はいちエピソードあたりのボリュームにもよると思う。例えば、1回のエピソードが30分以上続く、ボリュームたっぷりの番組である場合、週に1度であっても十分にリスナーに満足を届けられるかもしれないし、配信する側としても週に1度くらいが限界かもしれない。

しかし、『グローバル・インサイト』の場合、1回のエピソードあたりの時間は平均約5分短いときで3分ととてもコンパクト。それでいて一定の存在感を示すには、ある程度高い頻度が必要だと考え、現在の週3回更新に落ち着いている。

また、これは週3に増やしてから気づいたことだが、どうやらSpotifyのランキングと更新頻度には相関関係があるように感じたことも大きい。

Spotifyのランキングの順位を決める基準は非公開だが、インフルエンサーでもない僕の番組が総合ランキング(カテゴリーランキングではない)で上位につけているということは、おそらく順位は単純にエピソードの再生回数で決まるのではなく、なにか他に重きが置かれている基準があるはず

僕の番組になにか特色と言えるものがあるとすれば、その一つは更新頻度。ということから、Spotifyもおそらく更新頻度の高い番組を重視しているのではないかと推察している。

そして、最後の理由は、更新頻度は自分の手でコントローラブルだということ。ポッドキャストにかぎらず、あらゆるフォーマットのコンテンツが多くの人に届くか、広がるかは、タイミングや運など自分だけではどうしようもできない自然発生的、アンコントローラブルな要素によるところが大きい。

しかし、その確度を高める要素として、更新頻度は数少ない自分でコントロールできる要素。であるならば、自分次第、ここは頑張りどころということで、高い頻度を保てている部分もある。

では、どうやって更新頻度を高く保つ?

更新頻度を上げる、高く保つことは大切。しかし、頻度を上げればいいというものでもない

更新頻度を上げるということの先には、リスナーに聴取習慣をつけてもらうという目的がある。そのためには、僕は数あるポッドキャスト番組がある中で「第一想起される番組」を目指したいと思っている。つまり、「〇〇なポッドキャスト番組と言えば『グローバル・インサイト』」というような。

そのために必要なのは「ニッチ×一貫性×豊富なネタ」だと思う。つまり、規模はともかく、自分の個性を活かしてブレずに常にだれかに伝えたいなにかがあるところで番組を作るということ。

そのためにはやはり、① 番組のテーマは自分が「ライフワーク」と思えるものがいい。ライフワークというと大げさだが、つまり自分が毎日やっていること、興味を持って調べていること。それは本業の延長線上であってもいい。

そんな番組のテーマが決まったら、② まずは予定を組もう。例えば、僕の番組は週3配信なので、配信日である月水金のそれぞれ1営業日前である、火木金には、ポッドキャストの台本作成や収録、編集、入稿の時間を常に確保している。

そんなふうに新しく予定を立てるときに大切なのは、これはなににでも言えることだが、「なにか新しいことを始めるということは、なにかそれまでやっていたことを一つやめる」ということ。そうでなければ、物理的に時間が足りなくなる。

おそらく最大の敵は、仕事の忙しさ。もし、ポッドキャストの更新頻度を高く保ちたいなら、仕事が忙しくなってきたり、新しい仕事が舞い込んできたら、その仕事は他の人に頼むまかせられないかと考えてみよう。

そうやって予定を組んだら、次は番組で話すネタ探し。だが、もしもネタに困ったら、③ だれか他の人を巻き込もう。僕の番組では、自分の他に海外在住のライターさんに新ネタを持ち込んで、台本を作ってもらったり。

また、今年になって機会を増やしているのはインタビュー企画。たとえそのとき自分の中にだれか伝えたいことがなくても、だれかに聞きたいこと、解決したい悩みがあり、それに応えてくれる人が引き受けてくれれば、十分企画になる。

④ リスナーとの交流も更新頻度を高く保つうえで強力なエンジンだ。自分が番組を始めたからって見知らぬ人が聴いたり、SNSで話題になったりはしないと思うかもしれないが、交流する相手は身近な人からであってもいい。

新着エピソードを配信したら、SNSに投稿して、まずは身近な人にコメントやフィードバックをもらおう。もしも勇気があれば、自分の名前や番組名をTwitterなどSNSで検索し、番組を聴いてコメントしてくれている人を見つけてみよう。

そして、リプライやリツイートで、ぜひ話しかけてみてほしい。なぜなら、それがポッドキャストならではの魅力でもあるからだ。

文字や動画にも増して、耳だけで楽しむ音声メディア、音声コンテンツには不思議なほどに発信者の人柄を伝える力がある。だからこそ、コンテンツにふれた人との交流が生まれやすい

その交流がきっかけで、次回以降取り上げるネタやアイデアをもらえるかもしれない。そうやって僕の番組でも福岡県糸島が世界の住みやすい小都市第3位に選ばれた理由という人気エピソードが生まれた。

⑤ ランキングや配信アプリのアナリティクス機能でモチベーションを維持するのもオススメ。

アナリティクス機能で見るべきポイントは、再生回数離脱率「リスナーが自分の番組にどんなトピックを求めているのか」「どんな構成、語り口なら最後まで楽しんでもらえるのか」が見えてくる。それを踏まえて、ゲーム感覚で試行錯誤してみる。そのうちに勝ちパターンを増やしていくと、番組の成長にもつながるかもしれない。

それでももし、本当にネタ切れに困ったら(そういうことはもちろん僕にもある)、⑥「ニュース解説」に走るのもありだと思う。

もちろん、自分が見つけたアイデアを発信できればそれが一番いいが、更新頻度が高くなればなるほどそれは難しい。普通の人の人生には、そんなに毎日、面白いことなんて起きてくれない・・・(苦笑)。

それならば、その時々のニュースやだれか他の人のアイデアについて、自分の「解釈」を発信するといい。

実はポッドキャストで、音楽と同じかそれ以上に人気のカテゴリーが「ニュース」。自分が働く業界で起きたニュースを解説できれば、大手メディアのポッドキャスト番組よりもリアルで、価値は高いかもしれない。

あるいは「商品レビュー」という手もある。今後それがポッドキャスト番組のマネタイズにつながる可能性だってある。

高い更新頻度=リスナーからの信頼と期待

そろそろ締めにさしかかるが、更新頻度を高く保つうえでは、実は⑦「家族の理解」も欠かせない。

収録中はどうしても普段より静かにしてもらわないといけないこともあり、それを週3、あるいは頻度を高く保とうと思えば、家族や同居人の協力が必要になる。

そのためには、自分のポッドキャストへの意欲やリスナーからの反響を共有し、「番組作りの一員」になってもらう必要がある。

さて、今日ご紹介したような方法は、「新着エピソードを配信しないと気持ちわるい」「更新できていない自分がイヤだ」と思えるようになるまでは、意識的に続けるほかない。

しかし、その壁を乗り越えて、習慣のループに入れれば、番組作りはより楽しくなる。きっとそのころには、ポッドキャストはライフワークになっているはずだ。

以前、インタビューをした方が「高く評価される芸術家の条件」について語っていた。その方いわく、世間から高く評価される芸術家には「一貫性と意外性、そして継続性がある」という。

つまり、その人が発信したいことにブレがなくそれでいて受け取った人に驚きを提供し、そして、その発信を何年、何十年続けているか。そのかけ算が芸術家の評価を決め、それが作品のオークション価格にも反映されるそうだ。

ポッドキャストが芸術と言えるかは分からないが、その条件はポッドキャスターにもあてはまると思う。

もしかしたら、頻度高く更新し続けることは、いちエピソードの再生回数よりも大切な「資産」といえるかもしれない。

なぜなら、そうすることがリスナーからの信頼、そして期待を生み出し、その信頼と期待が、その後のエピソードの評価を高めてくれることもあるだろうから。

編集者/Livit代表 岡徳之
2009年慶應義塾大学経済学部を卒業後、PR会社に入社。2011年に独立し、ライターとしてのキャリアを歩み始める。その後、記事執筆の分野をビジネス、テクノロジー、マーケティングへと広げ、企業のオウンドメディア運営にも従事。2013年シンガポールに進出。事業拡大にともない、専属ライターの採用、海外在住ライターのネットワーキングを開始。2015年オランダに進出。現在はアムステルダムを拠点に活動。これまで「東洋経済オンライン」や「NewsPicks」など有力メディア約30媒体で連載を担当。共著に『ミレニアル・Z世代の「新」価値観』『フューチャーリテール ~欧米の最新事例から紐解く、未来の小売体験~』。ポッドキャスト『グローバル・インサイト』『海外移住家族の夫婦会議』。


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