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ミッドキャリア+インターンシップ=「ミンターンシップ」 ミレニアル世代で人気高まる新たなキャリアの選択肢【ポッドキャスト番組『グローバル・インサイト』文字起こし】
世界のビジネス・テクノロジー・ライフスタイル・カルチャーのトレンドを、世界各地の編集者・ライター・クリエイターが現地からお届けするポッドキャスト番組『グローバル・インサイト』。
この番組では、「ポッドキャストの中身は気になるけど、ゆっくり聴く時間はないよ!」という方に向けて、リスナーさんからの反響が大きかった人気エピソードの文字起こしをnoteで配信しています。
今回は「ミッドキャリア+インターンシップ=「ミンターンシップ」 ミレニアル世代で人気高まる新たなキャリアの選択肢」の回をお楽しみください(Spotifyやnoteでのフォローもお待ちしております)。
岡 行武さん、「インターン」ってやったことあります?
行武 新卒で入った会社で学生時代、バイトとして働いていたので、インターンといえばインターンになるのかな。
岡 豆知識なんですけど、インターンってもともと医療分野で使われていた言葉なんですって。
行武 へえ。
岡 それが、企業とかNGOとか、政府機関でも使われるようになっていったと。
行武 でもインターンっていいですよね。現場で知識とかスキルを身につけられるチャンスだし、働いている人の空気感みたいなのも掴めますし。
岡 企業にとっては社員候補を見極めることもできますね。
行武 そうそう。学生のときからバイトながらも「仕事してる」って感じてワクワクしたのを覚えています。
岡 そのインターンなんですが、最近、海外では学生だけじゃなくて、20代後半、30代の人も増えているそうですよ。
行武 え、じゃあ、会社を辞めて、インターンとして入り直すということですか?
岡 そうです。「ミッドキャリア」と「インターンシップ」をかけて、「ミンターンシップ」と言われるそうなんですが。
行武 へえ、インターンじゃなくて、「ミンターン」ですか。
岡 中にはですね、30代で、いい肩書きやいい給料を捨てて、ミンターンを始める人もいるんだとか。
行武 ほお、なんでまたそんなことを。どんな人たちがやっているんでしょう?
岡 例えば、メキシコの大手コングリマットで働いていた32歳の男性。
行武 大企業だ。
岡 その人は、ビジネスクラスでの出張、手厚い手当てなど、大企業ならではの優遇された環境にいたそうです。
行武 そんな人が今では?
岡 その地位を捨てて、スペイン・バルセロナのテック企業でインターンとして働いているそうです。
行武 ええ、待遇とか絶対変わりますよね?
岡 月給は500ユーロ。
行武 だいたい6万円ですか。
岡 これは現地の最低賃金の半分以下ですね。
行武 もうバイトみたいな。
岡 それまで出勤には社用車を使っていたような人なんですが、今は、電車代を節約するためにローラーブレードで通勤しているとのこと。
行武 切り詰めて生活しているんですね。
岡 他にも、ロンドン在住の34歳の女性で、以前はこれもまた大手IT企業でマネジャー職に就いていた人なんですが。
行武 おお、部下もいたんでしょうね。
岡 一念発起して、広告代理店でミンターンを始めたそう。
行武 大手のIT企業のマネジャーって、絶対給料高かったですよね。
岡 それが今では、最低賃金に。さらに、金融街近くの高級住宅から、少し離れたシェアハウスに引っ越したそうです。
行武 生活が大違いですね。
岡 他にも、ウォールストリートの金融会社を辞めてミンターンを始めた人も。
行武 なんと。
岡 貿易会社勤務からミンターンを通じてスポーツライターになった男性もいます。
行武 しかし、なんでまたそんな大胆なキャリアチェンジを?
岡 理由の1つとして、ミレニアル世代の仕事観は他の世代と異なるそうなんです。
行武 例えば?
岡 団塊の世代では、1つの職に定年まで従事するというのが一般的。
行武 はい。
岡 しかし、ミレニアル世代は、働く意味、幸せを見いだすためなら、1つの職に固執する必要はないと考えるんだとか。
行武 たしかに。
岡 また、変化することにオープンであり、変化をポジティブに捉える傾向が強いのもミレニアル世代の特徴ですね。
行武 これが、1つ上の世代、X世代だと「インターン」ってなんか、降格した感じ、降りた感じがありません?
岡 そうかもしれません。それが、ミレニアル世代や、次のZ世代だと、経歴よりも、経験や学びを求めているのかも。
行武 仕事の選び方も違いますね。それに、今はオンラインコースとか、たしかに学べる環境の選択肢は増えたけど、それだと経験がともなわない。
岡 そうそう。その点、インターンなら、メンターやコーチのもとで経験を得ながら学べる。
行武 ただ、どうしても給料は下がりますよね?
岡 そうですね。給料が下がったり、生活水準をダウングレードしなくちゃいけないのは、ミンターンの欠点かも。
行武 でも、あれかも。
岡 なんです?
行武 たしかに給料は下がるけど、これが、なにかを学ぶために大学院に進学するか、ミンターンシップをするかの二者択一で考えると。
岡 考えると?
行武 大学院の場合、学費がかかり、しかも授業がフルタイムだと、収入はゼロになってしまうじゃないですか。
岡 ああ、それがミンターンなら、少ないかもしれないけど給料は入ってくる。
行武 それでいて、実践経験を積めるから、大学院よりも次の転職を有利に進められるかも?
岡 たしかに。行武さん、ミンターンどうですか?
行武 えー!
岡 今の給料をかなぐり捨てて、どこかでミンターンしてみたいですか?
行武 ああ、でも僕、今コーヒー雑誌の制作をやっているじゃないですか。
岡 はい。
行武 一度はカフェで豆の買いつけとか生産者とがっつりプロジェクトに取り組むとか、やってみたいかも。
岡 いいじゃないですか!
行武 でもこうやって考えるだけで、自分の仕事の枠の外にもやってみたいことがいろいろあるとか、気づけること多いですね。
岡 きっと楽しいでしょうね。
編集者/Livit代表 岡徳之
2009年慶應義塾大学経済学部を卒業後、PR会社に入社。2011年に独立し、ライターとしてのキャリアを歩み始める。その後、記事執筆の分野をビジネス、テクノロジー、マーケティングへと広げ、企業のオウンドメディア運営にも従事。2013年シンガポールに進出。事業拡大にともない、専属ライターの採用、海外在住ライターのネットワーキングを開始。2015年オランダに進出。現在はアムステルダムを拠点に活動。これまで「東洋経済オンライン」や「NewsPicks」など有力メディア約30媒体で連載を担当。共著に『ミレニアル・Z世代の「新」価値観』『フューチャーリテール ~欧米の最新事例から紐解く、未来の小売体験~』。ポッドキャスト『グローバル・インサイト』『海外移住家族の夫婦会議』。
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