最新「子育てしやすい国ランキング」一位はどの国?日本は・・・?【ポッドキャスト番組『グローバル・インサイト』文字起こし】
海外のトレンド、若者の間で生まれる新しい価値観を、各国で暮らす編集者・ライターがお届けするポッドキャスト番組『グローバル・インサイト』。この番組ではリスナーからの反響が大きかった人気エピソードの文字起こしをnoteで配信しています。
今回は『最新「子育てしやすい国ランキング」一位はどの国?日本は・・・?』の回を文字起こししました。
旅行・家族ジャーナリズムを専門とするアメリカの企業「Asher & Lyric」がこのほど、OECD35カ国を対象にした「子育てしやすい国ランキング2020(The Best Countries For Raising A Family In 2020)」を発表しました。
ランキングは30種の国際データをもとに「安全性」「幸福度」「コスト」「健康」「教育」「子どもと過ごす時間」の6つのカテゴリーによってOECD加盟国35カ国の子育て環境を評価し、合計ポイントにより総合ランキングを出しています。気になるその結果は? そして日本の順位はーー?
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今日のテーマは?
岡 さっそく、本題。
池 はい、どうぞ。
岡 僕も池さんも、海外で子育てする身ですけど。
池 そうですね。
岡 「子育てしやすい国ランキング」っていうのが最近発表されたんですよ。
池 ほお。
岡 子育てをしながら世界中を旅する統計学者やライターも擁する、アメリカのメディア企業がOECD35カ国を対象に行った調査で。
池 「子育てしやすい」っていう基準はなんなんですか?
岡 「安全性」「幸福度」「コスト」「健康」「教育」「子どもと過ごす時間」という6つのカテゴリーで、30種類の国際データをもとに、それらの合計ポイントで35カ国の総合ランキングを出しています。
池 なるほど。
岡 池さんは今、オーストラリア?
池 シドニーですね。岡さんはオランダ?
岡 はい、アムステルダムです。
池 どうだろう、ランキングに入っているかな?
岡 さっそく、まずはランキングの結果を見てみましょうか。
池 ぜひ。
ランキングの結果は?
岡 1位 アイスランド、2位 ノルウェー、3位 スウェーデン、4位 フィンランド、5位 ルクセンブルク。
池 はい。
岡 6位 デンマーク、7位 ドイツ、8位 オーストリア、9位 ベルギー、10位 チェコ。
池 やっぱり、と言いますか、北欧多いですね。
岡 そして、11位 に僕が住んでいるオランダ、12位 ポルトガル、13位 フランスをはさんで、14位に池さんが住むオーストラリアが入っています。
池 おお、よかった(笑)。ちなみに、日本は?
岡 日本は25位です。
池 35カ国中だから、下位ではあるんですね。
日本とアメリカ、低迷の理由
岡 日本はですね、「教育」、これは就学率やPISAスコアなんかが反映されるんですが、それはA評価。そして、犯罪率の低さなどが反映される「安全」もA-。
池 評価高い。
岡 ですが、「幸福度」「コスト」「子どもと過ごす時間」の3項目が、軒並み最低のF評価。
池 それで、総合的に順位を落としているんですね。日本って、やっぱり「子どもと過ごす時間」って短いんですか?
岡 そうみたいです。1位は休暇が多くて、労働時間も短いルクセンブルグだったんですが、日本はサービス残業が多く、有給の取得率も低いので、特に父親が子どもと過ごす時間がかなり短いそうです。
池 ううん、それは残念。
岡 ただ、その「子どもと過ごす時間」が日本より、さらに短い国がありまして。
池 どこです?
岡 アメリカなんですね。実はアメリカ、このランキングの総合順位で、34位なんですよ。
池 下から二番目?
岡 そう、メキシコに次ぐ、ワースト2位でした。
池 そうかあ。アメリカと言えばね、優秀な人を輩出する国だから、子育てにもいい場所なのかなと思いきや。
岡 子どもと過ごす時間でいうと、会社員が取れる有給休暇に保証がなく、あと産休も基本的にない。
池 ああ、お金とか、余裕がある人は別に困らないんだけど、ってことですね。
岡 国として大きな富を持っていることと、子育てのしやすさは、かならずしも比例しないんでしょうね。
池 まあ「安全性」とかあやしいですし(苦笑)
一位のアイスランドに引っ越したい?
岡 ただ、「じゃあ、一位のアイスランドに今すぐ引っ越すか?」となると、話は別。
池 そうですね、寒いだろうし(苦笑)
岡 ですね(笑)。それに、このランキングって、「その国の国民にとっての子育てのしやすさ」を測るものなので。
池 そうか、「外国人として」も子育てしやすいかっていうのは別。
岡 そうなんです。
池 たしかに、実際に海外で子育てしてみて、言葉、文化、宗教、日本人コミュニティの有無とか、子育てに影響を与える要因って、他にもいろいろありますもんね。
岡 それでいうと、HSBCとかが出している「外国人として住みやすい国ランキング」とかと照らし合わせるのがよくて。
池 たしかに。
岡 そのランキングでは、「体験」「経済」「子育て」の3本柱で各国を評価していて、1位はシンガポール。
池 はい。
岡 2位から順に、ニュージーランド、ドイツ、カナダ、バーレーン、オーストラリア、スウェーデン、スイス、台湾、UAEみたいな感じ。
池 どこも多文化な国ですね、納得。だけど、「子育てしやすい国ランキング」と重複している国は?
岡 どちらのランキングでもトップテン入りしているのは、スウェーデンとドイツくらいですね。
池 なるほどね。移住するときは、どっちの観点からも選んだほうがよさそう。
岡 そういう意味で、池さんがいるシドニー、オーストラリアはどうですか?
池 子育てしやすいランキングでは、14位で、もっと上でもいいのかな、とも思いましたけど、外国人としての住みやすさは、もっといいと思いますよ。
岡 気候とか、よさそうですもんね。
池 オランダは?
岡 これから暗くて寒い季節が来ますけど(苦笑)
池 そっか(苦笑)
岡 でも、やっぱり子育てのしやすさはあるかな、親が気楽でいられる感じ。
池 親が気楽でいられるのは、子どもにとっても大事ですよね。じゃあ、子育てしやすいんだ。
岡 そうですね。
池 最近は、仕事じゃなくて、教育のために移住するっていう人も増えていますし。
岡 はい、子育ても国境がどんどん低くなってきていますね。
編集者/Livit代表 岡徳之
2009年慶應義塾大学経済学部を卒業後、PR会社に入社。2011年に独立し、ライターとしてのキャリアを歩み始める。その後、記事執筆の分野をビジネス、テクノロジー、マーケティングへと広げ、企業のオウンドメディア運営にも従事。2013年シンガポールに進出。事業拡大にともない、専属ライターの採用、海外在住ライターのネットワーキングを開始。2015年オランダに進出。現在はアムステルダムを拠点に活動。これまで「東洋経済オンライン」や「NewsPicks」など有力メディア約30媒体で連載を担当。共著に『ミレニアル・Z世代の「新」価値観』『フューチャーリテール ~欧米の最新事例から紐解く、未来の小売体験~』。ポッドキャスト『グローバル・インサイト』『海外移住家族の夫婦会議』。
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