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現在、執筆中の作品は『織姫の継承ー祖母の機から紡ぐ一宮の未来』です。一宮は繊維の町として知られ、一宮七夕祭りも盛大に行われます。この織物と祭りの関係から着想を得て創作しています。
祖母の着物に魅了される真央 放課後につね子の家を訪ねては、織物作りを手伝うのが日課になっていた。 「ただいま、おばあちゃん」 「お帰り、真央ちゃん。今日は学校、どうだった?」 そう言いながら織機から顔を上げるつね子に、真央は笑顔で答える。 「うん、楽しかったよ。放課後が待ち遠しくてね、早くおばあちゃんのところに来たくて」 「まあ、そんなに楽しみにしてくれていたの? 嬉しいわ」 つね子は機嫌良さそうに微笑むと、真央を自分の隣へと招き入れた。 「今
健太の共感と協力の申し出 会議を終えた真央は、そわそわと落ち着かない。 約束の時間が近づくにつれ、期待と不安が入り混じる。 (健太君は、私の話を理解してくれるだろうか…) 思い悩む真央の前に、健太が現れた。 「待たせたね、真央」 「ううん、私も今来たところだから」 照れくさそうに微笑み合う二人。そして、近くの公園へと向かった。 ベンチに腰掛けた真央は、おずおずと切り出した。 「ねえ健太君、覚えてる? 昔、将来は二人で織物の世界で活躍しようって、