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エッセイ 「海の日」に思う

 7月15日は「海の日」だそうです。今は7月の第3月曜となっているようですが、もともとは7月の20日でした。7月に祝日がないということで、無理やり祝日を作ったという印象がありますが、「海の日」自体には、ちゃんとした起源があるようです。
 明治時代に制定された「海の記念日」というのが起源のようです。1876(明治9)年に、東北巡幸を終えた明治天皇がその帰りに灯台巡視船「明治丸」に乗り、7月20日に横浜港に無事帰還したことを祝って、制定されたものらしいです。ネットで知りました。天皇に関係した祝日をまたひとつ知りました。
 「われは海の子」という唱歌があります。「われは海の子白浪の」で始まる有名な歌です。最近ではテレビのコマーシャルでも使われています。この歌、明治37年の7月に文部省唱歌として制定されています。歌詞を見てみると、海辺に育った元気な男の子、漁師の卵を歌った歌のように聞こえますが、4番、5番となっていくと、だんだん話が大きくなってきて、最後の7番では、「いで大船(おおふね)を乗出して 我は拾わん海の富 いで軍艦に乗組みて 我は護らん海の国」となります。「富国強兵」を目的とした歌だったことがわかります。この歌の作られた明治37年の2年前、明治35年の5月27日に東郷平八郎率いる日本海軍は日本海でロシアのバルチック艦隊を打ち破っています。その時の勢いがこの歌にも表われているように思います。そして5月27日は昭和20年まで「海軍記念日」として制定されていました。

四方(よも)の海 みなはらからと思う世に など波風の 立ち騒ぐらん        

と、明治天皇が願ったように、静かで、豊かな幸をもたらしてくれる海であり続けてもらいたいものです。


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