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Eric Clapton『Just One Night』は、70年代クラプトンの集大成だ!

このライブ作品は1979年の日本公演の中での、二日間の武道館ライブの中から選曲されている二枚組のライブアルバムです。高校時代に聴き狂ったアルバムのうちの一枚(二枚組だけど)になります。

自分が高校生の頃、何も知識が無い状態で「エリック・クラプトンの傑作は『461オーシャン・ブールバード』だ」という記事をどこかで読んで、買ってはみたものの、いまいちピンとこなかったんですよね。その頃はとにかくハードなもの、ヘヴィなものを求めていた傾向にあったので、レイドバックしたサウンドには興味がわかなかったのだと思います。

それに、「指の動きが見えないくらい速くて、まるで止まっているように見えるから slow hand と呼ばれている」という間違った情報を耳にしていたので、あまりギターソロが無い『461』は、はっきり言って自分にとっては残念な作品だとも思っていました(今ではもちろん、愛聴盤の一枚です)。

この『Just One Night』を買った経緯は全く覚えていません。 しかも二枚組のレコードを買うなんて、高校生の身としては、かなりの勇気が必要なんです。

しかし、買ってよかった! と思いました。ほぼ初めて聴く本格的なブルースギター🎸に酔いしれました。毎日、毎晩のように聴き狂いました。しかも二枚組だから満足のいくボリュームです。じっくりと歌詞を追いながら、そしてギターのメロディーに酔いしれる毎日でした。


70年代のクラプトンの集大成

1 Tulsa Time
2 Early In The Morning
3 Lay Down Sally
4 Wonderful Tonight
5 If I Don't Be There By Morning
6 All Our Past Times
7 Worried Life Blues
8 Blues Power
9 Double Trouble
10 Setting Me Up
11 After Midnight
12 Rambling On My Mind
13 Cocaine
14 Further On Up The Road

というのは、まさにその通りで、70年代のクラプトンの代表曲が凝縮されている作品です。このアルバムには、「クロスロード」も入ってないし「レイラ」も入っていません。ただし、「レイラ」は実際のライブでは演奏されたようですが、アルバムには収録されませんでした。

アルバムの作りとしては、一枚目は70年代の代表曲が詰まっており、二枚目にブルースナンバーが散りばめられています。ブルースギターといえども、そこまでコアな演奏ではなく、ブルース初心者にはとても向いている中程度の演奏ですから、すんなりと聴けました。

とはいっても、二枚目トップを飾る「Double Trouble」なんて、たっぷりと間を使った演奏は素晴らしく、このアルバムの中では、私にとってのベスト・ワンです。
その後も他の色んなライブ盤で「Double Trouble」を聴くことはありましたが、このアルバムでの演奏を超えるものは私の中ではまだありません。いや、実際はあるのでしょうが、もう、このアルバムの演奏が私の中に刷り込まれているのだと思います。

そして「Rambling On My Mind」。途中で「Have You Ever Loved A Woman」を織り込みながら転調を繰り返すこの曲も聴き応えがあります。

このアルバムの 魅力の一つに、アルバート・リーの参加があります。当時のカントリーギターの第一人者であり、その速弾きは有名でした。曲によっては、クラプトンよりも長いソロを弾いているんじゃないかと思えるくらいに、存在感があります。
そしてギターのみではなく、キーボードでの演奏も聴かせてくれます。

そしてラストは、お馴染みの「Cocaine」の大合唱、アンコールはこれまたお馴染みの「Further On Up The Road」。

こうして盛り上がってアルバム終了となりました。全14曲。もう大満足です。

70年代のクラプトンは、一時期の麻薬禍からは抜け出したもののアルコールは断ち切れず、ライブでも二日酔いのために良い演奏が出来ないということもあったそうなので、この二日間の武道館公演は奇跡的なものだったんじゃないかと思っています。


今回も最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

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