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人生で一番贅沢した鉄道旅

皆さん、今までの人生で一番贅沢した旅って、どんな旅ですか?

海外旅行をしたとか、新婚旅行で高級ホテルに泊まったとか、何かしら贅沢な経験がおありだと思います。

では、鉄道旅に限定したらどうでしょうか。

もしかしたら、日本縦断の旅をしたとか、豪華な観光列車に乗ったという人もいらっしゃることでしょう。

かくいう溝口駅長はどうなのかというと…。

5年前に乗った豪華寝台列車

ちょうど昨日、JR西日本から封書が届きまして、開けたところ「瑞風 5th anniversary ファンブック」という冊子が入っていました。

JR西日本の豪亜寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風」が運行開始して、もう5年になるんですね。

5年前に運行開始した直後に、この瑞風に乗ったのが、私にとって人生で一番贅沢した鉄道旅でした。

東浜駅に停車している瑞風(筆者撮影)

冷やかしで申し込んでまさかの当選

瑞風のような豪華寝台列車は、旅客定員が少ないにもかかわらず人気が高いため、抽選に当たらないと申し込むことすらできません。

私は「どうせ当たらないだろう」と冷やかしで申し込んだのですが、まさかの当選。いやあ、焦りました。

当たったといっても、タダで乗せてくれるわけじゃありません。

2泊3日の「山陽山陰周遊コース」のお値段はひとり50万円!

いかがですか? 2泊3日で50万円の鉄道旅行。

そんなお金があるなら海外旅行に行くわ、豪華ホテルに何泊もできるわ、と言われそうです。

本来なら嬉しい当選なのに、「こんな贅沢していいのだろうか」とずいぶん悩みました。

でもこんなチャンス、本当に一生に一度しかありません。まさに清水の舞台から飛び降りる気持ちで申し込みました。

簡単に見つかった同行者

当選したのがツインルーム(二人部屋)だったので、同行者を探さねばなりません。

で、ちょうど思い当たる人がいました。

鉄道模型を通じて親しくさせていただいている、鉄道ジャーナリスト中嶋茂夫さんです。

中嶋さんはクルーズトレインが大好きで、瑞風も当然狙っていたのですが、家族の名前も借りて複数申し込んだにもかかわらず、すべてハズレ。

その話を聞いて、じゃあ私と一緒に行きませんかとお誘いしたら、「もちろん喜んで!」ということで。

男ふたりで豪華列車の旅をすることになりました。

ホテルが走る

ここでは旅の内容をこと細かく話しませんが、いやー、もう贅沢の極みでしたね。

食堂車の「ダイナープレヤデス」はホテルのレストランで食事している気分。いや、車窓が流れるレストランはありませんから、ホテル以上です。

瑞風の食堂車「ダイナープレヤデス」(筆者撮影)

スタッフは当然しっかり教育されていて、さりげなく自然な接客をしてくださいます。

どのスタッフも、「お客様」ではなく「溝口様」と名前で呼んでくれて。ちゃんと顔を覚えて話しかけてくれることに感動しました。

それまでの私は、高級旅館とか高級ホテルなんて泊まったことないですし、飛行機のファーストクラス、ビジネスクラスも乗ったことありません。

そんな貧乏人が瑞風に乗ったら、そりゃあ感動しないわけがないでしょう(笑)

出てくる料理は、予約が取れないことで有名なフレンチレストランのコース料理や老舗料亭の日本料理。

極めつけは、テーブルに鍋があるんですよ。列車の中で鍋物をつつくという。もう本当に、普通ではあり得ないような贅沢な経験をさせてもらいました。

個室の寝台は、昼間はソファのところに、収納されているベッドが降りてきて。夕食のあいだにツインベッドがセッティングされてました。

昔のB寝台、A寝台の固いベッドじゃないですよ。普通にホテルにあるベッドです。

もちろん、各部屋にシャワールームがございます。列車の中なので広くはないですけど、できたばかりのピカピカの車両で気持ち良かったです。

どんな人が乗っている?

私や同行した中嶋さんは、旅のあいだじゅう、カメラを持って車内をウロウロしてました。鉄道マニアっぽい乗客は私たちだけでしたね(笑)

瑞風は10両編成で、先頭車と最後尾は展望ラウンジ、中間に食堂車1両とバーを併設したラウンジカーが1両あり、残りの6両が旅客の居室です。

旅客定員は40数名だったと思います。

乗客の顔ぶれを見ると、皆さん大体、リタイヤした世代。60歳以上かなぁという方がほとんどでした。

見るからにお金持ちとか富裕層っていう感じのギラギラした方はおらず、お年を召された紳士淑女が、ゆったりと旅を楽しまれているようでした。

なかには、「子どもが黙って申し込んで、瑞風の旅をプレゼントしてくれたのよ~」というご夫婦もいらっしゃいました。なんてうらやましい!

コロナの影響が瑞風にも

ご多分に漏れず、瑞風もコロナの影響で運休したり、感染症予防のため食堂車を使わず、お部屋食に変更したというニュースを見かけました。

食堂車でコース料理をいただくこと自体が貴重な体験なのに、やむをえないとはいえ残念なことです。

早く、コロナ前の状態に戻ってほしいものです。

もう一度乗りたいけど、無理っす!

私が今後、「トワイライトエクスプレス瑞風」にもう一度乗るとか、「ななつ星 in 九州」、「トランスイート四季島」に乗ることは・・・まず、ないでしょう。

もうね、無理っす!(笑)

さすがに、清水の舞台から何回も飛び降りれませんから。

でも、私と同行した中嶋さんは鉄道ジャーナリストであり、クルーズトレインの大ファンということで、あれから瑞風に何度か乗ってるようです。

一回乗っただけで満足している自分はまだまだですね。

今回は時間がないので、旅の内容をくわしく話せませんでしたが、よかったら溝口駅長が書いている「トワイライトエクスプレス瑞風ガイド」というブログをお読みください。

瑞風に乗った以上の価値

それから、一緒に行った鉄道ジャーナリストの中嶋茂夫さんが、『「ななつ星」「四季島」「瑞風」ぜんぶ乗ってきた!』という本を書いています。

この本の瑞風の章に、「溝口さんに誘われて乗りました」とか「溝口さんがこんなことしてました」ということを、いくつか書いてくれています。

本に書いてもらえたのも、瑞風に乗る決断をしたからこそ。私にとっては素晴らしい経験でした。

5年前の本ですが、各列車の内容は今も大きく変わってないはずですので、よかったら読んでみてくださいね。

今日は、私が人生で一番贅沢した鉄道旅ということで、トワイライトエクスプレス瑞風に乗った話をいたしました。

関連リンク

「ななつ星」「四季島」「瑞風」ぜんぶ乗ってきた!(中嶋茂夫著)

トワイライトエクスプレス瑞風ガイド

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鉄道趣味で人生を豊かにする活動をしています。乗りテツ旅行会の溝口駅長です。今回の記事はいかがでしたか? もしよかったら、サポートしていただけると嬉しいです。