旅の目的は「列車に乗ること」という乗り鉄の生態について語ります
鉄道マニアと一口にいっても、撮り鉄、乗り鉄、模型鉄、時刻表鉄、音鉄など、ジャンルが多岐に分かれています。
ここでは、筆者自身がそうである「乗り鉄」の生態について披露いたしましょう。
ちょうど先日、ケーブルテレビの番組『たむらけんじのぶっちゃ~けBar』(2020年3月2日放送)に出演したのですが、そこで話した内容がまさに乗り鉄の生態をまとめていたので、この記事で再現したいと思います。
これを読んでくださっている方は、乗り鉄の世界を興味本位でのぞいてもらえればオッケーです。
ということで、あなたが知らない鉄道マニアの世界へ「出発進行!!」
乗り鉄にハマってJR全線完乗達成
番組MCのたむらけんじさんとゲストの皆さん▲
たむけん:まずは、鉄道にハマった理由を聞いていきたいと思います。溝口さんが乗り鉄になったきっかけは何だったんでしょう?
溝口:乗り鉄にハマった人って、ほとんどの方がそうなんじゃないかなと思うんですけど 、JR の格安切符で青春18きっぷというのがありまして。
それを使うと一日中、普通列車だけですが、全国の JR に乗れるんですね。それがあるので、安くで日本全国へ出かけようっていうことで、高校を出たぐらいから乗り出したのが最初でした。
ナレーション:その後、たまたま地方出張が多い会社に就職した溝口さんは乗り鉄ならではのある目標を掲げます。それは?
溝口:日本の国内の鉄道を全部乗っちゃおうかな、って思ったんですよ。
で、やり始めて、コツコツと乗り回って、結局10年以上かかって2004年にJR全線完乗を達成しました。
たむけん:全部乗ったんや! それって、行き先があって、ていうんじゃないんでしょ? ただただ、乗るんですよね?
溝口:ただただ乗ります。乗り鉄ですから。
JR全線完乗を達成した備後落合駅▲
乗り鉄ならではの旅の楽しみ方とは
たむけん:正直、移動って面倒じゃないですか~。時間もかかるし。
溝口:たぶん、普通の旅行を楽しむ人と発想が逆で、「乗ることが目的」の旅なんです。
たむけん:じゃあ、行った行き先にはあんまり興味がない?
溝口:無いですね。極論すると、終点の駅まで行ったらすぐにとんぼ返り。
たむけん:乗り物って移動手段じゃないですか。それなのに…
溝口:いや、ただの移動手段じゃないんです。趣味の対象ですから。
たむけん:JRは全部乗ったと。じゃあ私鉄は?
溝口:まだ100%じゃないんですけど、98%くらいは乗れてます。
たむけん:あとどれくらいで達成できそう?
溝口:本気で乗ろうと思えば、すぐにでも達成できそうなんですが…。
たむけん:寸止め状態なんや。楽しんでますね~。
溝口:達成してしまうと、目標を失う寂しさがあるかな~という気がして。
たむけん:乗ってるときって、何が楽しいんですか?
溝口:基本的には景色ですね。車窓を見るのが好きだったり、列車に揺られてる感覚だったり、車内の音とか匂いとか、そういう雰囲気を楽しんでいます。
たむけん:それじゃあ、どう考えたって飛行機のほうが便利やとか、車で行ったほうが早いで~っていうときでも鉄道ですか?
溝口:時間さえあれば、普通列車にずっと乗って、大阪から北海道まで行くでも全然平気です。
JR大回り乗車をごく簡単にレクチャー
パネルを使って大回り乗車を解説している筆者▲
ナレーション:ここで溝口さんから、鉄道ファンならではのJRのお得な楽しみ方「大回り乗車」を教えていただきます。
溝口:大回り乗車ってどういうものなのか、大阪環状線を例に説明します。
大阪駅から京橋駅に行くことを考えてみてほしいんですが、普通だったら大阪駅から天満、桜ノ宮を通って京橋に行きますけど、反対まわりで西九条、天王寺を通って京橋へ行っても、別に問題ないですよね。
たむけん:外回りで行くか、内回りで行くかだけやからね。
溝口:実は、どちら回りでも同じ料金で、駅員さんに何か言われることはありません。
大回り乗車ができるエリア「大阪近郊区間」の路線図▲
溝口:同じように、琵琶湖をぐるっと回る路線があります。
京都駅から大津駅まで行く場合、京都、山科、大津と二駅で行ってもいいけれど、山科から湖西線に入って近江塩津まで行き、米原、草津とまわって大津に行っても 同じ料金です。大阪環状線と同じ理屈です。
京都から大津へまっすぐ行くと、たった10分。
でも、大回りすると、3時間も列車に乗れるんです!
たむけん:もう、シュッと行きましょうや~。
溝口:大回りすると、湖西線からびわ湖が見えたり、比良山の山々が見えたりして、すごく景色がいいんですよ。
たむけん:大回りますね~。
溝口:最長コースなら、加古川線や湖西線、和歌山線を通って、始発から終電まで一日じゅう列車に乗れます。大満喫の旅です。
たむけん:(呆れ気味に)めちゃめちゃ疲れるやん。
湖西線の車窓から眺めた琵琶湖▲
お気に入りの駅の話
溝口:乗り鉄なので、ずっと列車に乗りっぱなしという話をしたんですけど、それでも、絶対に降りるところってありますよね。
それは「駅」です。
その中でも特に「終着駅」が大好きなんです。
こちらは叡山電車の八瀬比叡山口という駅なんですが、木造の駅舎の雰囲気がすごくいいんですが…
それだけじゃなくて、ホーム全体が三角屋根で覆われているのが風格があって、いい佇まいなんです。
たむけん:洒落た電車が停まってますね。
溝口:観光列車の「ひえい」という電車で、フロントマスクの形が面白いでしょ?
たむけん:やっぱり終着駅って、独特な感じですか?
溝口:これ以上、線路が無いわけですから、そこで途切れているというので哀愁を感じます。ここで終わりという雰囲気がたまらないですね。
ローカル線であればあるほど、すごく味わい深いです。
鉄道ファンが全国から集まる超有名駅とは
全国的に有名な「鉄道ファンが集まる駅」の情報として、近鉄の大和西大寺駅を紹介しました。
溝口:ここは奈良線・京都線・橿原線が交わっていて、4方向に列車が出ていく大きな駅です。
分岐のポイントがたくさん並んでいて、それを匠の技でうまい具合に切り替えながら、列車がぶつからないように動かしているのがスリリングで面白いんです。
その光景を見るために展望デッキがわざわざ設けられていまして、休みの日には電車好きな子どもたちで賑わっています。
(何がどうすごいのかは動画をご覧ください。下の動画の一部が番組で使われました)
番組はまだ続きますが、今回はここまで。
次回は、憧れの豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風」に鉄道マニア同士で乗った話をしたいと思います。
後編はこちら▼
この記事の補足とリンク集
この記事の番組は2020年3月2日にケーブルテレビ・eo光チャンネルで放送されました。放送日から約一か月間は番組HPで視聴できます。
『たむらけんじのぶっちゃ~けBar』番組HPはこちら▼
テレビ出演のいきさつはこちらの記事をご覧ください。
鉄道趣味で人生を豊かにする活動をしています。乗りテツ旅行会の溝口駅長です。今回の記事はいかがでしたか? もしよかったら、サポートしていただけると嬉しいです。