将棋普及指導員に対する私の捉え方

みなさんは、将棋普及指導員という言葉を耳にしたり、見かけたことがあるだろうか?簡潔に申し上げると、これは日本将棋連盟が普及活動のために活躍する人を認定してお墨付きを与えるといったものである。

※参照:日本将棋連盟 令和3年度『将棋普及指導員』募集のお知らせ

で、これの目的自体はとても良い!という制度なのだが、残念なことに「これはどうなんだ?」と見る意見もある。そこで今回は、私なりの将棋普及指導員についての捉え方を紹介しようと思う。いきなり結論を書いてもよくないので、まずは前提となる将棋普及指導員になるプロセスを記す。

普及指導員になるまで

申請資格

・三段以上(女性は二段以上)の免状取得者であること
・日本将棋連盟支部会員(近隣に支部がない場合、個人会員可)であること
・20歳以上であること

普及指導員の申請には上記の資格が必須となる。免状取得者の項目以外に関しては、お金(入会費・年会費など)と時間(年齢)の問題なので、免状取得が事実上の申請時のハードルといえよう。その一方で、言葉を選ばずに言うと、ある段位(六段)までの免状はお金で買えるという側面から、正直形骸化しているという見方が強いと思われる。つまり、普及指導員という名前から将棋の先生・インストラクターとしての役割を担うため、ある程度の棋力を確認していますよ~というための資格のはずなのに・・・とその欠陥を問題視されているわけである。ただ、後述するように、資格を満たせば普及指導員になれるというわけではないようだ。

その後、資格登録として、書類審査(履歴書・推薦書)、筆記試験および面接などを行って、最終的に将棋普及指導員になる合否を通知するらしい。ちなみに、ネットで簡単に調べた限りでは筆記試験・面接などの詳細は確認することができなかった。楽観的に考えると、これらの過程で資格は満たすが、ちょっと・・・という人を不合格にしているのだろうか(一方で、不合格になりました!という声も私は知らない)。まぁ、単なる私の憶測にすぎない。

で、これは試験なので当然受験料(約1万円)というものが発生するし、幸運なことに普及指導員に合格したら登録料(約2万円)と年会費(年1万円)というのが発生する。決して安くはない金額だ。これに対して、普及指導員の資格を持つことでできることは以下の3つ。

・級位認定状及び三段までの免状を推薦できる
・連盟公認の教室を開設できる
・自治体、公共施設等への連盟の推薦状の発行を受けられる

このメリットと金額が見合っているか否かは個人の価値観に委ねるため、ここでは単なる紹介にとどめる。

将棋普及指導員に対する私の捉え方

さて、本題に戻る。この手の話題でよく問題視されているのは、普及”指導”員なのに、免状三段程度の棋力でええんかいな!?という点。私としては三段あればいいじゃない?と思うが、確かにこの線引きはとても難しいところ。なので、私は将棋普及指導員をいつも将棋普及員と読み解いて認識している。指導もあるが、それは普及の一環であり、駒の動かし方をはじめとしたある程度のこと一般的な駒の損得、玉の詰め方など)を教えるくらいの範囲だと考えているわけだ。そうすれば、免状三段もあれば十分だという私の考えも、納得いただけるかなと思う。まぁ、これも1つの捉え方として見ていただければ幸いである。

最後に。不毛な論争はさておき、個人的に将棋普及指導員は将棋界のために普及活動しているわけなので、年会費くらいタダにしてくれないかなぁ~という方が大事だったり。


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