指導って生徒も先生も大変。だけど、大事なこと。

最近、Twitterのタイムラインで「将棋初心者のハードルが高すぎる」という趣旨(と私は解釈)のツイートを見かけた。率直に言えば、「まぁ、古今東西言われていることだしな」というのが本音。だが、それだけ改善されていない問題点だともいえよう。そこで、すべて改善とはいかないものの、初心者(&級位者)の方が少しでも将棋を教わることに対して抵抗がなくなればと思い、私の考えを本記事で綴った。その性質上、特に教える立場の人には読んでほしいと願う。

初心者&級位者の指導

1.面白いと思ってもらうことが最優先

私は記憶の限り歩き方を教わっていない。最初のころはふらつきながら歩き、転び、大泣きしては親を困らせたかもしれないが、今では立派に歩けている。理由は分からないが、幼き頃の私は歩きたい!と思ったのだろう。

人というのはまず、興味を持ったら勝手に勉強・学習する生き物なのだ(逆もしかり)。もしも、歩き方のプロ・・・例えばミスユニバースに出るモデルさんに歩き方を教えるような人が懇切丁寧に口出しするものなら、私は今頃世界一ハイハイを続けている人間としてギネスブックに登録されているだろう。

そう、指導として最も大事なことは、その人に興味を持ってもらうことだ

2.何かと押し付けない

なかなか難しいことなのだが、もっとも厄介なのは善意で物事を押し付けてしまうこと。悪意がない分だけ、受け取り手は余計に断り辛い。将棋でいうと、勉強法とか手筋・定跡の知識とか・・・諸々。ひどい場合には、自身の将棋に対するモチベーションまで押し付けてくる。強くなりたいなら一日5時間は勉強しないとダメとか。その人が聞いたならまだしも、そうでもないのに勝手に自分の理想だとか価値観を押し付けるのはナンセンスだ。

言葉は悪いが、指導者の心構えとして初心者・級位者から教えてくれと言われないということは、あなたからは教わりたくないという暗黙のメッセージだと思ったほうが良い。中には恥ずかしがりな生徒さんもいるだろうから、あくまで心構えだが。さらに言えば、一度言われても「初めてだし社交辞令かな?」と捉えるべきだ。こんなお世辞を言うくらい教わる側は指導者に気を遣うものだ。ならば指導者もそれくらい配慮するべきだろう。

3.マナーの線引き

将棋には何かとマナーがある。将棋は“指す”もので“打つ”ではいとか、振り駒の駒数だとか、王将と玉将がどっちだとか、駒の並べ方とか・・・いろいろと。正直、私は気にしている人なんているのかな?と思っている。確かに、正しい(?)ものというのはあるだろう。しかし、プロならば話は別だが、アマチュアに限ってはいいじゃないかと私は思っている。無論、知っていたほうが良いが。

例えば、一流レストランで食べるならさておき、家でご飯を食べるときに私たちはどこまでテーブルマナーを気にしているだろうか?また、それにいちいち口を出され、指摘されたらどのような気持ちになるのか?想像に難くないだろう、将棋だって同じだ。

だから、トラブルや怪我になること以外はさほど気にしなくてよいと思う。トラブルにつながる一例としては、子供地ありがちな対局中にお菓子を食べた手を洗わずに駒を持つなどは注意したほうが良い。怪我をするケースだが・・・将棋はほぼないか。

最後に

適当に書き綴ったが、大体こんなところだろう。将棋界のために~とか主語を大きくした大げさなことを口に出す前に、まずは目の前の教えを乞う者にしっかり向き合って教える。これが良い指導者だし、真に将棋界のためになると私は思う。

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