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最好映画。 023 「斬る」 1968年。

集団と階層が入り乱れる、しかも楽しい時代劇。 誤解があるかもしれませんが、職人がきっちり作った「椿三十郎」だと思います。「赤ひげ」「さぶ」でもおなじみ、山本周五郎原作「砦山の十七日」。モヤっとしてキリリと切れる仲代達矢さんが、岡本喜八監督ならではキャスティング。脇のキャラクターが生きまくる一編。中丸忠雄さん、土屋嘉男さん、地井武男さん、久野征四郎さん、久保明さんの若い世代に、東野英治郎さんの家老、黒部“ウルトラマン”進さん、天本英世さんの守備隊、追手にはおなじみ中山豊さん。大悪役の神山繁さんまで、愛すべきキャラクターばかり。後期の作品で活躍した岸田森さんが二癖ある追手のリーダーを演じてます。 鏑矢、握り飯、火箸(一度観たらこれだけ笑えますw)。刀のつばぜり合いもありますが、「あ、俺こっちじゃねぇや」って敵の陣地から逃げ帰る高橋悦史さん、本当に最好です。 撮影の西垣六郎さんのセンスか、「殺人狂時代」と同じく、安定した画で、魅せてくれます。 安心して観ていると、クスリとした笑いが、すぐやってきますよ笑。 こういう映画が毎週のように封切られていた1960年代の最後が実に羨ましいです。


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