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最好映画。193 「フォードvsフェラーリ」2019年。

2時間33分の30分をレースシーンで攻めまくる、クルマってカッコいいい!っていうための映画です。レースに興味のない人も興味のある人も、クルマを好きになっちゃいそうな、推し押しの世界。これ観て上がらない人がいるの?というくらい興奮して劇場を出ました。1966年のル・マン24時間レースを制したキャロル・シェルビーとケン・マイルズの友情の物語。ケン・マイルズ役、クリスチャン・ベイルが凄すぎです。この人ブルース・ウェインだったよね!?って思うくらい粗野でガリガリで紅茶好きで鷲鼻の英国人を演じてます。バットマンとジェイソン・ボーン、クリスチャン・ベイルとマット・デイモンが共演というのも最高。監督のジェームズ・マンゴールドは「17歳のカルテ」「ニューヨークの恋人」路線からガラリと変わって、ストイックな世界を骨太にシフト。とにかくカメラが路面スレスレから狙う狙う。よくこんなスピードでクレーン振り回してるなと思ったら、最新のロシアンアームミニを低いカメラカーに載せての高速走行。アームが振り回せないところは昔ながらのカメラカーが活躍していて、クルマの映像仕事していたことのある人にはメイキングシーンの方が楽しくて仕方ないです笑。撮影はフェドン・パパマイケル。「サイドウェイ」・「スノーホワイト」とは、全然違うルックで驚きです。クリスチャン・ベイルの表情ひとつで今勝負どきかどうかわかるという編集もすごかったです。「グラン・プリ」「RONIN」のジョン・フランケンハイマーばりに、しつこくしつこくクラッチ/ブレーキ/シフトアップを描いていて痺れます。それでいてスピード感を削がないレース編集は本当にお見事。編集はアンドリュー・バックランドとマイケル・マカスカー。ジェームズ・マンゴールド監督とのコンビが多いですが、この映画でアカデミー賞編集賞を受賞したのは納得です。史実と違う点も多々あるんだろうとは思いますが、フェラーリを倒したいフォードの思惑をうまーく利用して、キャロル・シェルビーとケン・マイルズが昔年の夢を実現してゆくさまは爽快でした。観所はレースシーンにつきますが、ル・マン本番、夜の雨天時、加熱してオレンジに輝くディスクブレーキのシーンと、ミュルサンヌ・ストレートでついにフェラーリが脱落してしまうシーン、ぜひ、2時間15分まで我慢して、声を上げてください笑。




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