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最好映画。 178 「ストーカー」 1979年。

発見したんです、モスフィルムのYoutubeチャンネル。なんと全編公開中。しかも、日本語字幕付き。すごいですよ、スマホでも「ストーカー」が観れます。アンドレイ・タルコフスキー監督のソヴィエト時代最後の映画。ストロガツキー兄弟の「路傍のピクニック」を原作とした、ストロガツキー兄弟による脚本。一応SF映画です。一応、というのは設定以外にそうわかる描写がほぼないからです。未来か過去か、ある地域でゾーンと呼ばれる侵入禁止エリアがあった。違法だけど、そこへ侵入しうるガイドのことをストーカーと呼んだ。ストーカーは家庭持ちで、今日の仕事は作家と科学者をゾーンに連れていくこと。ゾーンの中で、彼らが見たものは・・という筋だてですが、残念、ほぼ何も起きません。最初からわかっていないと、162分も持たないと思うので書きます。映画はゆったりとしたリズムと破綻のないカメラワークでともかく見せ切ります。水と人間と信仰と魂の救済。モノクロの画面が美しい前半。ゾーンの中ではストーカーが頼もしい案内者ではなく、怖がりな人間であることも明かされていきます。映像がともかく圧倒的です。ストーカーの子どもが、机の上のグラスを手を触れずに落とすショットも、長ーい時間をかけて動いていて、映像が嘘に見えにくい。1970年代にこのゆっくりとした長ーいカメラワークを人の手の動きだけで作っていたんだから、驚きです。メイキングもいくつか見つけましたが、本当に水辺に役者を寝かせてるw(これは本編見た後で思い出してください)音楽はエドゥアルド・アルテミエフ。タルコフスキー監督の「惑星ソラリス」「鏡」を担当した、ソヴィエト電子音楽のはしりの方です。

モスフィルムチャンネル、「惑星ソラリス」「鏡」も含めていっぱい上がってるんですが、日本語字幕がついていたのは「ストーカー」だけ。一番タルコフスキー作品で好きなので、ラッキーでしたw

「映画は娯楽ではなく、芸術である」と言い切った、アンドレイ・タルコフスキーの映画ですから、映画観ることも芸術鑑賞だと思って、気合入れてみてください。



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