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最好映画

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最も好きな映画を書いてみます。
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#1990年

最好映画。 146 「ミラーズ・クロッシング」 1990年。

必ず奇跡のショットがある、コーエン兄弟映画。冒頭、森の中、タイトルショット。帽子が転がって行くだけ。タイトルが入るところまでワンカット。すごい映像です。フレームを外さず飛んでいく帽子は夢の一部なんですが、これが後で効いてきます。撮影はバリー・ソネンフェルド。「ブラッドシンプル」「赤ちゃん泥棒」初期コーエン兄弟作品には欠かせない人でしたが、「メン・イン・ブラック」で監督になって以降は撮影監督もやっていないようで残念。。重すぎず、軽すぎず、重厚な物語が淡々と進む、森のシーンが印象

最好映画。 141 「欲望の翼」 1990年。

ザビア・クガートのラテン音楽がたゆたうフィリピンの森と、暑くジメジメした香港の夏。「恋する惑星」にノックアウトされてひょいひょい観に行った映画でしたが、今では完全に「欲望の翼」の方が好きです。公開当時は香港トップスター競演の、という惹句が付いてるのにアクションじゃない映画の方が珍しくて、アフレコじゃない香港映画が日本で公開されているのもとても珍しい時期でした。ウォン・カーウァイの初期作品にして、最高峰ではないかと思います。ノーライトかと思うくらいのクリストファー・ドイルの撮影

最好映画。 133 「ツイン・ピークス」 1990年。

2017年新シリーズの第一話を観た感想・・スゴ過ぎ。一個も、なにも、解決されない謎。おぞましさと、いかがわしさと、懐かしさを並べられているのに目が離せない。デヴィッド・リンチ先生は健在。大元となった「ツイン・ピークス」のパイロット版を実際に観たのはVHSのレンタルですから(後でレーザーディスク買いましたもん)、年代もわかろうというものです。低い霧と山の風景だけでも美しいな、と思っていたら複雑怪奇・エログロな人間関係にはまりまくり。特にパイロット版はその全てが濃厚で、面白いです

最好映画。 116 「レッドオクトーバーを追え!」 1990年。

ジョン・マクティアナン監督とヤン・デ・ボン撮影。「ダイ・ハード」コンビの快作。「パトリオット・ゲーム」は別の観点で好きです。ポスターを見ても分かる通り、ショーン・コネリーの老獪さが最高にカッコいい映画です。フレア出まくりのアナモフィックレンズの映像とともに、忘れちゃいけないのは、音楽ですね。ベイジル・ポールドゥリス。「コナン・ザ・グレート」「ロボコップ」「暴走特急」「スターシップトゥルーパーズ」などアクションがらみの超大作にはおなじみの方です。ロシア語の賛歌が海中に消えゆくと

最好映画。 100 「グッドフェローズ」 1990年。

家族のためのミートボールを作り、警察の目をかいくぐり、麻薬をさばいて、銃を売って、ミートボールを煮込んで、喧嘩を諌めて、元兄貴分の説教を聞いて、ラスト20分アーーーーもう忙しい!!ということを嫌という程描いた後に訪れる静寂。それまでのゴージャスで危険な生活から、保護生活に至ったヘンリーの皮肉な笑顔で映画は終わります。2時間26分、お腹いっぱいの映画です。マーティン・スコセッシ監督は何本もギャング映画を撮っていますが、これは白眉だと思います。長回し、タイムシフト、円形移動、クレ

最好映画。 088 「シラノ・ド・ベルジュラック」 1990年。

「愛しのロクサーヌ」で初めて知った古典純愛劇。鼻のやたら大きなシラノ・ド・ベルジュラック(実は実在の人物)の半生を本家フランスでみっちり映画化。やたらとセリフの長くて情緒的な仏映画でも特大に長セリフの多い名作です。ジャン・ポール・ラプノーという監督は5年か10年の寡作なので、追っかけにくいんですが、この映画は特別です。冒頭20分に渡る、モンフルリーを舞台から引きずり下ろすくだり。詩人で剣豪、ユーモアたっぷりで人気者の主人公にあっという間に描写します。リュック・ベッソンやジャン

最好映画。 083 「トータル・リコール」 1990年。

2012年に再映画化もされたフィリップ・K・ディックのSF抄。ものすごく久しぶりに観たら、結構トンでも映画で楽しくなっちゃいました。「プレデター」「ゴリラ」「コマンドー」1980年代後半全盛のアーノルド・シュワルツェネッガー主演。二重三重の罠があって、誰が本当に正しいのか最後まで分からないお話です。何がトンでも映画かって言うと、残酷なところ。え?そんなところでも?アクションが始まって、破壊しまくる。拘束された機械の手枷に付いていた金具で人刺しちゃったり、よくもまぁそんな残酷な

最好映画。 001 「トレマーズ」 1990年。

私の中では偉大な最好映画。「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」の併映だったのに、完全に喰われました笑。ゲイル・アン・ハードが製作総指揮!ケヴィン・ベーコンとフレッド・ウォードが出るモンスター映画!観る前は「なんだかなー」と言う印象。始まってみると数分でヴァル&アールのコンビにやられます。モンスターを素手で殴ったり、悲惨な状況なのに軽口叩いたり、繰り返しの決め台詞にちょっとした粋さ。名台詞「下品で失礼」「プランを立てよう!」書くとヘンですけど、映画では相当笑えます。もうそれだけ