最好映画。 088 「シラノ・ド・ベルジュラック」 1990年。
「愛しのロクサーヌ」で初めて知った古典純愛劇。鼻のやたら大きなシラノ・ド・ベルジュラック(実は実在の人物)の半生を本家フランスでみっちり映画化。やたらとセリフの長くて情緒的な仏映画でも特大に長セリフの多い名作です。ジャン・ポール・ラプノーという監督は5年か10年の寡作なので、追っかけにくいんですが、この映画は特別です。冒頭20分に渡る、モンフルリーを舞台から引きずり下ろすくだり。詩人で剣豪、ユーモアたっぷりで人気者の主人公にあっという間に描写します。リュック・ベッソンやジャン・ジャック・ベネックス、レオス・カラックスといった近代フランス映画に呑まれていたんですが、古典中の古典をこれほどまでに重厚に描く人がいるもんだと忘れられない作品でした。これだけ書いたところで、結局ジェラール・ドパルデューが印象を全部持っていくんですけどねw。太ってるのに饒舌で、ダサダサのコメディから文学作品、英語のコメディから戦争大作まで、本当に幅が広いんですが、この作品でのドパルデューのハマり具合はすごいです。他にこの役を演じる人いないんだろうな、っていうくらいハマってます。そういえば、数年前にロシアに帰化したんですってね、ビックリしました。ロクサーヌ役のアンヌ・ブロシェが可愛い!フランス映画は優雅でセリフが愛に満ちていて、字幕読むだけで精一杯の作品が多い中で、最後に泣かされてしまう男の悲哀をめいっぱい堪能できます。仏映画のコーナーにあるのかな?
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のんびりしてます。