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移植日だ!


8時間ごとの飲み薬(デュファストン)と膣座薬(プロゲステロン)と毎晩のエストロジェルを経て、ついに移植当日。

万全の状態で臨みたいのに、前日から急にのどが激しく痛み出して焦る。市販の喉痛用の薬ぺラックをのみ、首にタオルを巻いて、マスクをして寝る。飲み込む時にしみる感覚があるけれど、熱は無い。移植に支障がないことをただただ願う。


採卵と違い、前日夜からの飲食の制限も当日のメイクやコンタクトレンズ等の指示もなく、いよいよだぞ感が少ない。気軽さが人工授精のときみたい。精子を持参しなくていい点においては、人工授精のときより気軽かもしれない、なんて考えた。


10分前に到着。
受付を済ませ、簡単な手順が書かれたカードとPHSを受け取る。10分後に採血。
なかなか呼ばれなくてソワソワ。
45分後にPHSで呼ばれる。

お手洗を済ませ、生殖医療科の待合室へ。
ここは人工授精のときに精子を提出しに何度も来た場所だから案内がなくても余裕でたどり着けた。


採卵の時はリカバリールームに通されて、術着に着替えたけれど、今回はそのまま手術室のような、あの明るすぎる部屋に直接入室した。

服もスカートもそのまま、下着だけ脱いで内診台(手術台?)にあがる。

きちんと意識がある状態で、コンタクトも入ったままで台が倒れる。完全な仰向けでは無いため、処置中の先生の頭部から目元までがしっかり視界に入る。明るく照らされるワタシの股間。この状況を俯瞰で考えたらダメだ!とおもった。とてもシュール。

相変わらず消毒洗浄はガシガシで少し痛くて不快。


合間に培養士さんが1枚の紙を見せてくれた。
そこにはこれから移植される受精卵の写真と、移植日、判定日が記載されていた。ひょうたんみたいな歪な形をしている。グレードは4AA。

「アシステッドハッチングをしたので、殻から飛び出ているのでこんな形をしています。元気に孵化しましたね、いいタマゴです。」

何故か分からないけど、なんかおもしろかった。タマゴちゃんが元気ならなにより。よかったよかった。


他の方のnoteとかInstagramで、受精卵が入る瞬間はキラッと流れ星みたいに光って見える、みたいな話を聞いたことがある。
けれど特に担当の先生や看護師さんからそんなお話はなく、完了後に「この辺にいますねーいい位置に入りましたよ。」と言われただけだった。

特に痛みも苦しみもなく、台に乗ってから出るまで10分程度で終了した。

淡々と進んで寂しい気持ちと、このくらいあっさりしている方が助かる気持ちとがせめぎ合う。


いろんな処置を経験してきた。
けれど今ワタシのおなかには受精卵がいる。ワタシたちが望んでいるこどもになれるタマゴがいる。
そう思ったら、下腹部を触らずにはいられなかった。


判定日は11日後。
それまで錠剤も膣座薬もジェルも続く。けれど、今までより少し前向きに取り組めそうな気がする。がんばろ。


マックのポテトを食べながらこのnoteを書く。すがれるものにはすがっておかないと。
あとはのどの痛みがただの風邪か花粉のせいであることを願うのみ。早く治れ…!!


オワリ

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